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alg_d @alg_d
今日も圏論の話するか
alg_d @alg_d
圏の例として、順序集合というのがある
alg_d @alg_d
(X, ≦) を順序集合としたとき、 ・元x∈Xを対象とする ・x≦yのとき、xからyへの射がただ一つ存在する ・x≦yでないとき、xからyへの射は存在しない とすると、圏が得られる。この意味で、順序集合Xを圏とみなす
alg_d @alg_d
ここで圏における極限というのを考えてみる。
alg_d @alg_d
「極限」の具体例として、直積という概念がある。集合の直積や群の直積、位相空間の直積などを一般化した概念である
alg_d @alg_d
順序集合(X, ≦)を圏とみなして、圏Xにおける直積を考えてみる。
alg_d @alg_d
x, y∈Xを取り、直積x×yが存在したとしてみる。定義から、こいつは次の条件を満たす。 ・x×y≦x かつ x×y≦yである ・z∈Xが「z≦x かつ z≦y」を満たせば、z≦x×yである
alg_d @alg_d
つまり、x×yとは「xとyの下にある奴のうち、最大のもの」、すなわち{x, y}の下限(=最大下界)である: x×y = inf{x, y}
alg_d @alg_d
例えば、有理数全体 Q を通常の順序で順序集合、すなわち圏とみなしたとき、有理数x, yに対して直積 x×y は常に存在し、min{x, y} のことである
alg_d @alg_d
例えば、集合Aのべき集合P(A)を、包含関係で順序集合、すなわち圏とみなしたとき、S, T∈P(A) に対して直積 S×T は常に存在し、 S×T = S∩T である。
alg_d @alg_d
圏論では双対というのがあって、射の向きを逆にして得られる概念を双対概念という。直積の双対を余直積と呼ぶ。
alg_d @alg_d
順序集合の場合、直積は下限だったけど、その双対である余直積は上限である。つまり下限と上限は双対の関係にある。
alg_d @alg_d
特にP(A)を考えれば∩と∪は双対である。
alg_d @alg_d
さて、 f: A→B を写像とすると、「像」を与える写像 f: P(A)→P(B) と、「逆像」を与える写像 f^-1: P(B)→P(A) があった。
alg_d @alg_d
皆さんよくご存じのとおり、 f^-1 は∩や∪と交換する: f^-1(S∩T) = f^-1(S)∩f^-1(T), f^-1(S∪T) = f^-1(S)∪f^-1(T)
alg_d @alg_d
一方 f: P(A)→P(B) は∪とは交換する( f(S∪T) = f(S)∪f(T) )けど∩とは交換しない: f(S∩T) ≠ f(S)∩f(T)となる例がある
alg_d @alg_d
これはいったいどうしてなのか?
alg_d @alg_d
ここで、今の話はいったん置いといて随伴というものを考える。
alg_d @alg_d
C, Dを圏、F: C→D, G: D→C を関手としたとき、組(F, G)が随伴とは、c∈C, d∈D について自然な同型 Hom_D(Fc, d)=Hom_C(c, Gd) が成り立つことをいう。(Homは集合だから、ここで同型と言っているのは全単射のことである)
alg_d @alg_d
例えばXを集合として、右から直積する関手 -×X: Set→Setと、Homを取る関手 Hom(X, -): Set→Set を考えると、A, B∈Setに対して全単射 φ: Hom(A×X, B)=Hom(A, Hom(X, B))が存在するから、
alg_d @alg_d
-×XとHom(X, -)は随伴である。(φは、写像 f(a, x): A×X→B に対して、φ(f): A→Hom(X, B) を φ(f)(a) = f(a, -) で与える写像である)
alg_d @alg_d
随伴 Hom_D(Fc, d)=Hom_C(c, Gd) となっているとき、Fを左随伴、Gを右随伴という。
alg_d @alg_d
ここで重要な定理がある: 左随伴は余極限と交換する。右随伴は極限と交換する。
alg_d @alg_d
特に、左随伴は余直積と交換し、右随伴は直積と交換することが分かる。
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