一行小説のまとめ(2013・12~2020・8)
- nashibario
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2013年12月27日からのまとめ(48作)
これまでは140字全部使って書くことが多かったのですが
T・B・オールドリッチ、フレドリック・ブラウンによる「世界一短い小説」とも言われる作品については、高井 信 さんのブログ「ショートショートの…」2009年の記事「最も短いホラー」が詳しいです。
いつものスーパーには商品が一つもなく、棚には何十人という人間が横たわっていて、入ってきた私を一斉に見たのだった。 #twnovel
2014-01-17 23:08:09彼女が新たな世界に飛び出したことが誰かの記憶から消えかけた頃、彼女はまだ落下し続けていて終焉はいまだ訪れなかった。 #twnovel
2014-02-15 01:43:59絶え間なく落ちてくる刹那のヴェールが、果てしない枚数に積み重なって世界は白く彩られ、あらゆるものが眠りに就いた。 #twnovel
2014-02-16 02:38:46異星の調査員Jは、「地球人の一部は、粗末で原始的なデバイスを手に持ち、それを見ながらでないと歩けないように退化し始めている」と母星に報告した。 #twnovel
2014-02-19 22:27:11国名はおろか人種さえ想像できない外国人の集団が、私を指さしては驚愕の表情を浮かべて次々と逃げ去るので、私は鏡のある所まで全力で走らなければならなかった。 #twnovel
2014-10-17 23:57:16草を踏む音のみ聞こえる闇の中で彼は、このまま振り向かなければ何も見ずにすむのだという思いと、振り向いて何もいないということを確かめたい思いの間で激しく葛藤していた。 #twnovel
2015-02-17 23:08:17彼女は戸口に立っていた灰色の生物の残像を何度も瞬きして打ち消そうとしたが、そこにいたという確信が強固になるばかりであった。 #twnovel
2015-02-20 00:43:29目的もなく歩いていた青年は、その丁字路にさしかかった時、突然今後の人生のすべてがどちらに曲がるかで決まってしまうという強迫観念にとらわれ、立ち竦んで動けなくなった。 #twnovel
2015-02-22 00:50:21女はベッドで鼾をかいている中年男を尻目に部屋を去ろうとしたが、ベッドの下から伸びてきたグニャリとしたものに足首を取られ、この昏睡強盗は永遠に未遂となり果てたのだった。 #twnovel
2015-02-24 00:05:18海岸に集う大勢の人々が、海に向かって二本足で佇んでいた熊が山へ帰ってゆくまでを、ただひたすら静かに見守っていたのだった。 #twnovel
2015-03-11 19:39:08