一行小説のまとめ(2013・12~2020・8)

一行でも折り返しがあるので正確には一文小説なのかもしれないけど。
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これまでは140字全部使って書くことが多かったのですが

梨葉利生 @nashibario

今夜は短くトントントンと。

2013-12-27 00:32:00
梨葉利生 @nashibario

後ろから追いかけてきた子供がばったり倒れて地面に染み込んでしまった。 #twnovel

2013-12-27 00:33:25
梨葉利生 @nashibario

埋めるそばから死者が這い出してくるので、彼は墓堀りの仕事を放棄してしまった。 #twnovel

2013-12-27 00:34:12
梨葉利生 @nashibario

血を吐いて死んだ男のそばには、空になった輸血用の血液パックがいくつも散らばっていた。 #twnovel

2013-12-27 00:34:59
梨葉利生 @nashibario

私は生き残った人類最後の一人が閉じ籠もっている部屋のドアをノックした。 #twnovel

2013-12-27 00:35:53
梨葉利生 @nashibario

最後のは有名なオールドリッチやフレドリック・ブラウンの変形だけど、もしかして既に誰かが書いているかも。

2013-12-27 00:39:21

T・B・オールドリッチ、フレドリック・ブラウンによる「世界一短い小説」とも言われる作品については、高井 信 さんのブログ「ショートショートの…」2009年の記事「最も短いホラー」が詳しいです。

梨葉利生 @nashibario

いつものスーパーには商品が一つもなく、棚には何十人という人間が横たわっていて、入ってきた私を一斉に見たのだった。 #twnovel

2014-01-17 23:08:09
梨葉利生 @nashibario

彼はドアが閉まる寸前にホームの下から覗いた顔と目が合ったのを、誰にも打ち明けられなかった。 #twnovel

2014-02-13 22:58:06
梨葉利生 @nashibario

彼女が新たな世界に飛び出したことが誰かの記憶から消えかけた頃、彼女はまだ落下し続けていて終焉はいまだ訪れなかった。 #twnovel

2014-02-15 01:43:59
梨葉利生 @nashibario

絶え間なく落ちてくる刹那のヴェールが、果てしない枚数に積み重なって世界は白く彩られ、あらゆるものが眠りに就いた。 #twnovel

2014-02-16 02:38:46
梨葉利生 @nashibario

異星の調査員Jは、「地球人の一部は、粗末で原始的なデバイスを手に持ち、それを見ながらでないと歩けないように退化し始めている」と母星に報告した。 #twnovel

2014-02-19 22:27:11
梨葉利生 @nashibario

眠れぬ深夜3時過ぎ、屋根に何かが降り立った。 #twnovel

2014-05-18 03:03:20
梨葉利生 @nashibario

そのショッピングモールに集う群れは、かつて客であり、また人間でもあった者たちだった。 #twnovel

2014-05-18 17:44:57
梨葉利生 @nashibario

その回送電車が満員であることは、吊り革をつかんで揺れている無数の手によって明らかだった。 #twnovel

2014-05-18 21:59:16
梨葉利生 @nashibario

地面のシミからゆらりと立ち上がった子供は再び私の後を追いかけてきた。 #twnovel

2014-07-05 00:24:39
梨葉利生 @nashibario

その集団が生活する農場で収穫された作物は、種類によらず切るとみな赤いのを知っている者は誰もいなかった。 #twnovel

2014-10-14 23:08:20
梨葉利生 @nashibario

国名はおろか人種さえ想像できない外国人の集団が、私を指さしては驚愕の表情を浮かべて次々と逃げ去るので、私は鏡のある所まで全力で走らなければならなかった。 #twnovel

2014-10-17 23:57:16
梨葉利生 @nashibario

草を踏む音のみ聞こえる闇の中で彼は、このまま振り向かなければ何も見ずにすむのだという思いと、振り向いて何もいないということを確かめたい思いの間で激しく葛藤していた。 #twnovel

2015-02-17 23:08:17
梨葉利生 @nashibario

彼女は戸口に立っていた灰色の生物の残像を何度も瞬きして打ち消そうとしたが、そこにいたという確信が強固になるばかりであった。 #twnovel

2015-02-20 00:43:29
梨葉利生 @nashibario

目的もなく歩いていた青年は、その丁字路にさしかかった時、突然今後の人生のすべてがどちらに曲がるかで決まってしまうという強迫観念にとらわれ、立ち竦んで動けなくなった。 #twnovel

2015-02-22 00:50:21
梨葉利生 @nashibario

女はベッドで鼾をかいている中年男を尻目に部屋を去ろうとしたが、ベッドの下から伸びてきたグニャリとしたものに足首を取られ、この昏睡強盗は永遠に未遂となり果てたのだった。 #twnovel

2015-02-24 00:05:18
梨葉利生 @nashibario

海岸に集う大勢の人々が、海に向かって二本足で佇んでいた熊が山へ帰ってゆくまでを、ただひたすら静かに見守っていたのだった。 #twnovel

2015-03-11 19:39:08
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