@keenedge1999氏による、深夜のAAM-4語り

AIM-120とAAM-4の直径の違いの話が出ていたが、AIM-120C-5の弾頭WDU-41/Bの弾頭重量は18Kg、AAM-4は重量がほぼ同じのAIM-7Mの弾頭WDU-27/Bと同程度とすると、40Kgでまさに倍。SSKP = ロックオン確率×誘導確率×任務信頼度×弾頭効果
2011-02-05 00:39:08
AAM-4はスペック上、XバンドのRCSが2㎡以下(実際は1㎡以下)の基準標的(TDU-37/B準拠http://bit.ly/gaqsuT)への実射試験において文字通り直撃という結果を残す。これには関係者一同驚いた。
2011-02-05 00:47:56
一つ思い出した。技本GM5室がXRIM-4の開発を行っていたころ、U-36Aで引っ張る超低高度えい航標的(海面上20ft飛翔可)を購入して、シーカーの試験を行っていたのだった。わざわざ別個に試験を行うということはXRIM-4のシーカーはAAM-4のものと異なっていたのかもしれぬ。
2011-02-05 00:59:05
AAM-4の誘導精度を持ってすれば、AIM-120のように弾頭重量を抑えて、もっと小型・軽量化して搭載性を高める選択もあった筈、そうすればもっと汎用性が高まる。あえてその道を選択しなかったのが、このミサイルの特異な点だと思うのだ。
2011-02-05 01:32:18
AAM-4の低高度を飛翔する低RCS目標に対しても高い誘導精度、大重量弾頭、指向性弾頭(爆発威力に指向性を持つ)及び4象限アクティブ・レーダー信管との組み合わせ、弾頭破片の散布密度の増大、これらによるSSKPの向上は何に向けられているかは明らか。
2011-02-05 02:00:14
AAM-4のもう一つの特徴と言えば、シーカや指令送信等のRF系に採用された特殊な変調方式の件がある。しかし、この内容は迂闊には書けぬ。恐らく、あらゆる刊行物にも書かれていない。関係者用のAAM-4に関する説明資料でもここの部分は□(いわゆる豆腐)になっている。
2011-02-05 02:14:53
この変調方式を採用したことにより、AAM-4はESMやRWRに探知されず、攻撃された相手はミサイルの接近が分からないため、妨害はおろか回避もされず、自分に当たってから攻撃されたことに気づくという完全なサプライズアタックが可能となるかもしれないのだ。
2011-02-05 02:24:03
さて、昨日のAAM-4の語りの続きだが、この特殊な変調方式を採用したことで、機体には別個に指令送信装置を搭載する破目になった。これがJ/ARG-1。AIM-120では、指令送信波はFCSレーダー波に重畳するためにOFPを書き換えるだけで良いので、新たなハードを搭載する必要がない。
2011-02-05 15:33:28
ところが、AIM-120ではこのFCSレーダー波を使って指令送信するために、相手側のRWRに指令送信波を探知されてしまい,早めの回避行動を取られてしまう事例が続出した。AIM-120が必殺野郎と言われる程当たらない所以だ。
2011-02-05 15:37:24
@keenedge1999 何処ぞで、AIM-120を装備した米空軍機とAIM-7の空自機では勝負にならなかったと聞いたことがありますが、一体…
2011-02-05 15:41:10
それに対してF-15J/DJからのAAM-4用指令送信波は、APG-63のプレートアンテナ上のAAIインテロゲートアンテナより送信される。周波数は不明なれど、AAIは1GHz帯であるからその辺りの周波数と思う。何れにしろFCSレーダー波は大体がXバンドだから、かなりかけ離ている。
2011-02-05 15:42:34
FCSレーダー波は、相手側のRWRの脅威ライブラリに当然入っているだろう。しかし、このAAM-4用指令送信波はどうか。恐らく入ってはいまい、というのはこの特殊な変調方式ゆえ、ESMのような電波収集手段では受信不能だからだ。まぁ、例え受信できても識別・分類不能と言うべきか。
2011-02-05 15:47:59
さらにAAM-4では、指令送信機のみならず、アクティブレーダーシーカー、アクティブレーダー近接信管までこの変調方式を採用しているという徹底振り。相手側は指令送信波を探知できなくても、アクティブレーダーシーカーからレーダー波が発信されれば、RWRが反応するのだが、それすらも出ない。
2011-02-05 15:53:03
これはまさに完璧なサプライズアタック。妨害、回避どころか自分に当たってから相手側のミサイルの発射に気づくことになる。
2011-02-05 15:56:55
AAM4が凄いのはよく分かりましたけど、問題は搭載機数があまりない、ということだと思う。F-15/F-2の改修も遅遅として進まない中で、AAM4が陳腐化、あるいは弾体寿命が迫る、なんてことはないのだろうか。まあ空自は寿命の前に適当に射耗して継続生産させていくんだろうけど。
2011-02-05 16:00:36
さて、この変調方式。聞けばなーんだという類のものだが、メルコによって特許が取られており、AAM-4の随意契約根拠となっていると記憶している。どーしても知りたい人は特許情報から当たっていくか、TRDIのウェブで公開されている資料を丹念に読み解くと良い。
2011-02-05 16:01:32
運用者から見れば、例えばアサインされた機体が今日はAAM4使えるけど、明日はわからん、という状況は凄く辛い。搭載機器、特にアーマメント関係はひとつ増えるだけでプロシージャが増えて、かつ組み変わるから、機体ごとに覚えないといけないのでダルイのだ。
2011-02-05 16:04:40
ちなみにAAM-4に関する技術情報は米軍にも渡していない。XAAM-4からAAM-4への変更点の一つとして、機体とのアンビリカルコネクタを変更してAIM-120のものと共用とした。その際、インターフェイス情報を米国側に求めているが、その時には何らかのやりとりはあったかもしれない。
2011-02-05 16:05:41
単体は凄くとも運べる機体がなきゃただの火薬の塊。でも、改修で得た指令送信装置やバス、コネクタの仕様はAAM4の後継に受け継げられるだろうから無駄ではないか。1世代ぐらい後の話になるのかな。
2011-02-05 16:11:14
さてF-2とAAM-4に関する件だが、残念ながらこれに関して余り情報は持っていない。F-2に合わせて指令送信装置の小型化、省電力化が検討されたと聞くが、結局は指令送信装置は別個に積まないことになったとも聞いたが定かではない。CRLランチャはAIM-7も打てるので問題ないだろう。
2011-02-05 16:14:00
なるほど、そりゃそうか。 RT @grepyon: 単体は凄くとも運べる機体がなきゃただの火薬の塊。でも、改修で得た指令送信装置やバス、コネクタの仕様はAAM4の後継に受け継げられるだろうから無駄ではないか。1世代ぐらい後の話になるのかな。
2011-02-05 16:15:15
AAM-4改で対応したかもしれませんね。AAM-4改の目的の一つは汎用性を高めることがあったから。 RT @Type10TK: @keenedge1999 そのためにF-2はわざわざAAM-4とは独立して開発したとどこぞで読んだような…。実際のところどうなんでしょう。
2011-02-05 16:15:36