さて、昨日のAAM-4の語りの続きだが、この特殊な変調方式を採用したことで、機体には別個に指令送信装置を搭載する破目になった。これがJ/ARG-1。AIM-120では、指令送信波はFCSレーダー波に重畳するためにOFPを書き換えるだけで良いので、新たなハードを搭載する必要がない。
2011-02-05 15:33:28ところが、AIM-120ではこのFCSレーダー波を使って指令送信するために、相手側のRWRに指令送信波を探知されてしまい,早めの回避行動を取られてしまう事例が続出した。AIM-120が必殺野郎と言われる程当たらない所以だ。
2011-02-05 15:37:24それに対してF-15J/DJからのAAM-4用指令送信波は、APG-63のプレートアンテナ上のAAIインテロゲートアンテナより送信される。周波数は不明なれど、AAIは1GHz帯であるからその辺りの周波数と思う。何れにしろFCSレーダー波は大体がXバンドだから、かなりかけ離ている。
2011-02-05 15:42:34FCSレーダー波は、相手側のRWRの脅威ライブラリに当然入っているだろう。しかし、このAAM-4用指令送信波はどうか。恐らく入ってはいまい、というのはこの特殊な変調方式ゆえ、ESMのような電波収集手段では受信不能だからだ。まぁ、例え受信できても識別・分類不能と言うべきか。
2011-02-05 15:47:59さらにAAM-4では、指令送信機のみならず、アクティブレーダーシーカー、アクティブレーダー近接信管までこの変調方式を採用しているという徹底振り。相手側は指令送信波を探知できなくても、アクティブレーダーシーカーからレーダー波が発信されれば、RWRが反応するのだが、それすらも出ない。
2011-02-05 15:53:03これはまさに完璧なサプライズアタック。妨害、回避どころか自分に当たってから相手側のミサイルの発射に気づくことになる。
2011-02-05 15:56:55さて、この変調方式。聞けばなーんだという類のものだが、メルコによって特許が取られており、AAM-4の随意契約根拠となっていると記憶している。どーしても知りたい人は特許情報から当たっていくか、TRDIのウェブで公開されている資料を丹念に読み解くと良い。
2011-02-05 16:01:32ちなみにAAM-4に関する技術情報は米軍にも渡していない。XAAM-4からAAM-4への変更点の一つとして、機体とのアンビリカルコネクタを変更してAIM-120のものと共用とした。その際、インターフェイス情報を米国側に求めているが、その時には何らかのやりとりはあったかもしれない。
2011-02-05 16:05:41@keenedge1999 そのためにF-2はわざわざAAM-4とは独立して開発したとどこぞで読んだような…。実際のところどうなんでしょう。
2011-02-05 16:08:42さてF-2とAAM-4に関する件だが、残念ながらこれに関して余り情報は持っていない。F-2に合わせて指令送信装置の小型化、省電力化が検討されたと聞くが、結局は指令送信装置は別個に積まないことになったとも聞いたが定かではない。CRLランチャはAIM-7も打てるので問題ないだろう。
2011-02-05 16:14:00AAM-4改で対応したかもしれませんね。AAM-4改の目的の一つは汎用性を高めることがあったから。 RT @Type10TK: @keenedge1999 そのためにF-2はわざわざAAM-4とは独立して開発したとどこぞで読んだような…。実際のところどうなんでしょう。
2011-02-05 16:15:36一つは大きくて重いこと、これにより搭載できる機体と1機に積める数が限られてしまった。F-15J/DJには現状でLAU-106A/Aランチャに4発しか搭載できない。F-2でもCRLランチャに4発が上限だろう。そのため、MのF-15プロではF-15/DJへの搭載数の増大を検討した。
2011-02-05 16:21:24何処に搭載するかと言えば、1発づつ内弦パイロンへ直付けして最大搭載数を6発にしようかと考えたのだ。当然ながら、ドロタン2個は積めなくなるので航続距離は減少する。勿論、この案は却下。個人的にはアウトボードパイロンを新設し、CRLランチャをぶら下げればよいと思うのだが。
2011-02-05 16:26:15将来的にステルス戦闘機が出てきて、機内搭載がmustとなったら、今のサイズ、重さは苦しいかもしれないですな。まぁ、ATD-Xベースの国産機だったらスペースを合わせるかもしれませんが、ミサイルの方を合わせたほうが楽でしょう。AAM-4を小型化した新ミサイルが出てくる可能性は高い。
2011-02-05 16:31:20発展型としてもう一つの方向性は長射程化。空は長射程AAMの構想を持っており、AAM-4の開発段階においても、ダクテッドロケットのようなエアブリーチングエンジンと組み合わせることが将来の目標として掲げられていた。現在、KHIが主体でミサイル用ダクテッドロケットの研究を行ってる。
2011-02-05 16:36:02もう一つの困ったチャンは、大きさ、重量胃以外の要因でもAAM-4の搭載がF-15J/DJ MSIP機に限られてしまったということ。それは、機体とミサイルとのデータバスとしてMIL-STD-1553Bをつかっているため、1553Bを持たないF-15在来機には搭載できないことだ。
2011-02-05 16:47:43また、機体とミサイル間の通信量も多く、機体側のC/Cやバスに負担を掛けるらしい。これは誘導精度をあげるためらしいが、開発元の担当者がぼやいていた。それに対して、AIM-120では、発射寸前に1553Bを通して瞬時に必要な慣性データが送信され、機体への負荷が極めて少ないらしい。
2011-02-05 16:52:18国産4発戦闘機とは何か。それは、P-XのM初期案である。その案ではAAM-4のみならず、M61A1やJ/LAU-3ロケットランチャまで搭載する構想であった。後期の案ではかなり、現行のXP-1に近い案になっていたから、実現可能性は極めて少なかったのだが。。
2011-02-05 16:59:11独力で空中脅威を排除できる能力を持った長距離4発哨戒機が実現していたとしたら、結構愉快だったと思うのだが。。。空母いらんかもしらん。
2011-02-05 17:01:35