【巡航ミサイル】 @keenedge1999 さんによるAAM-4語り(続き)と幻の空中巡洋艦【絶対殺すミサイル】

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まとめ @keenedge1999氏による、深夜のAAM-4語り @keenedge1999 氏による、航空自衛隊の中射程空対空ミサイル、99式空対空誘導弾(AAM-4)に秘められた恐るべき能力とその欠点についての語りと、ユーザーの反応についてまとめました。 42923 pv 78 6 users
keenedge1999 @keenedge1999

さて、昨日のAAM-4の語りの続きだが、この特殊な変調方式を採用したことで、機体には別個に指令送信装置を搭載する破目になった。これがJ/ARG-1。AIM-120では、指令送信波はFCSレーダー波に重畳するためにOFPを書き換えるだけで良いので、新たなハードを搭載する必要がない。

2011-02-05 15:33:28
keenedge1999 @keenedge1999

ところが、AIM-120ではこのFCSレーダー波を使って指令送信するために、相手側のRWRに指令送信波を探知されてしまい,早めの回避行動を取られてしまう事例が続出した。AIM-120が必殺野郎と言われる程当たらない所以だ。

2011-02-05 15:37:24
keenedge1999 @keenedge1999

それに対してF-15J/DJからのAAM-4用指令送信波は、APG-63のプレートアンテナ上のAAIインテロゲートアンテナより送信される。周波数は不明なれど、AAIは1GHz帯であるからその辺りの周波数と思う。何れにしろFCSレーダー波は大体がXバンドだから、かなりかけ離ている。

2011-02-05 15:42:34
keenedge1999 @keenedge1999

FCSレーダー波は、相手側のRWRの脅威ライブラリに当然入っているだろう。しかし、このAAM-4用指令送信波はどうか。恐らく入ってはいまい、というのはこの特殊な変調方式ゆえ、ESMのような電波収集手段では受信不能だからだ。まぁ、例え受信できても識別・分類不能と言うべきか。

2011-02-05 15:47:59
keenedge1999 @keenedge1999

さらにAAM-4では、指令送信機のみならず、アクティブレーダーシーカー、アクティブレーダー近接信管までこの変調方式を採用しているという徹底振り。相手側は指令送信波を探知できなくても、アクティブレーダーシーカーからレーダー波が発信されれば、RWRが反応するのだが、それすらも出ない。

2011-02-05 15:53:03
keenedge1999 @keenedge1999

これはまさに完璧なサプライズアタック。妨害、回避どころか自分に当たってから相手側のミサイルの発射に気づくことになる。

2011-02-05 15:56:55
dragoner@C99金曜東マ12a @dragoner_JP

@keenedge1999 しかし、AAM-4積めるのがまだ少ないのが悲しいところ……

2011-02-05 15:59:00
keenedge1999 @keenedge1999

さて、この変調方式。聞けばなーんだという類のものだが、メルコによって特許が取られており、AAM-4の随意契約根拠となっていると記憶している。どーしても知りたい人は特許情報から当たっていくか、TRDIのウェブで公開されている資料を丹念に読み解くと良い。

2011-02-05 16:01:32
keenedge1999 @keenedge1999

ちなみにAAM-4に関する技術情報は米軍にも渡していない。XAAM-4からAAM-4への変更点の一つとして、機体とのアンビリカルコネクタを変更してAIM-120のものと共用とした。その際、インターフェイス情報を米国側に求めているが、その時には何らかのやりとりはあったかもしれない。

2011-02-05 16:05:41
壕野一廻 @Type10TK

@keenedge1999 そのためにF-2はわざわざAAM-4とは独立して開発したとどこぞで読んだような…。実際のところどうなんでしょう。

2011-02-05 16:08:42
keenedge1999 @keenedge1999

さてF-2とAAM-4に関する件だが、残念ながらこれに関して余り情報は持っていない。F-2に合わせて指令送信装置の小型化、省電力化が検討されたと聞くが、結局は指令送信装置は別個に積まないことになったとも聞いたが定かではない。CRLランチャはAIM-7も打てるので問題ないだろう。

2011-02-05 16:14:00
keenedge1999 @keenedge1999

AAM-4改で対応したかもしれませんね。AAM-4改の目的の一つは汎用性を高めることがあったから。 RT @Type10TK: @keenedge1999 そのためにF-2はわざわざAAM-4とは独立して開発したとどこぞで読んだような…。実際のところどうなんでしょう。

2011-02-05 16:15:36
keenedge1999 @keenedge1999

ここまで聞いていると、もはや完全無欠のAAM-4だが、勿論困ったちゃんな面が無いこともない。

2011-02-05 16:17:04
keenedge1999 @keenedge1999

一つは大きくて重いこと、これにより搭載できる機体と1機に積める数が限られてしまった。F-15J/DJには現状でLAU-106A/Aランチャに4発しか搭載できない。F-2でもCRLランチャに4発が上限だろう。そのため、MのF-15プロではF-15/DJへの搭載数の増大を検討した。

2011-02-05 16:21:24
keenedge1999 @keenedge1999

何処に搭載するかと言えば、1発づつ内弦パイロンへ直付けして最大搭載数を6発にしようかと考えたのだ。当然ながら、ドロタン2個は積めなくなるので航続距離は減少する。勿論、この案は却下。個人的にはアウトボードパイロンを新設し、CRLランチャをぶら下げればよいと思うのだが。

2011-02-05 16:26:15
keenedge1999 @keenedge1999

将来的にステルス戦闘機が出てきて、機内搭載がmustとなったら、今のサイズ、重さは苦しいかもしれないですな。まぁ、ATD-Xベースの国産機だったらスペースを合わせるかもしれませんが、ミサイルの方を合わせたほうが楽でしょう。AAM-4を小型化した新ミサイルが出てくる可能性は高い。

2011-02-05 16:31:20
keenedge1999 @keenedge1999

発展型としてもう一つの方向性は長射程化。空は長射程AAMの構想を持っており、AAM-4の開発段階においても、ダクテッドロケットのようなエアブリーチングエンジンと組み合わせることが将来の目標として掲げられていた。現在、KHIが主体でミサイル用ダクテッドロケットの研究を行ってる。

2011-02-05 16:36:02
keenedge1999 @keenedge1999

もう一つの困ったチャンは、大きさ、重量胃以外の要因でもAAM-4の搭載がF-15J/DJ MSIP機に限られてしまったということ。それは、機体とミサイルとのデータバスとしてMIL-STD-1553Bをつかっているため、1553Bを持たないF-15在来機には搭載できないことだ。

2011-02-05 16:47:43
keenedge1999 @keenedge1999

また、機体とミサイル間の通信量も多く、機体側のC/Cやバスに負担を掛けるらしい。これは誘導精度をあげるためらしいが、開発元の担当者がぼやいていた。それに対して、AIM-120では、発射寸前に1553Bを通して瞬時に必要な慣性データが送信され、機体への負荷が極めて少ないらしい。

2011-02-05 16:52:18
keenedge1999 @keenedge1999

勿論、この点はAAM-4改にて何がしらの改善が為されていると思う。そうでなければ、改の意味がない。

2011-02-05 16:54:17
keenedge1999 @keenedge1999

AAM-4と言えば、面白い話がある。それは、国産4発戦闘機へ搭載する構想があったことだ。

2011-02-05 16:55:22
壕野一廻 @Type10TK

@keenedge1999 まさか、噂の空中巡洋艦…。

2011-02-05 16:56:41
keenedge1999 @keenedge1999

国産4発戦闘機とは何か。それは、P-XのM初期案である。その案ではAAM-4のみならず、M61A1やJ/LAU-3ロケットランチャまで搭載する構想であった。後期の案ではかなり、現行のXP-1に近い案になっていたから、実現可能性は極めて少なかったのだが。。

2011-02-05 16:59:11
keenedge1999 @keenedge1999

独力で空中脅威を排除できる能力を持った長距離4発哨戒機が実現していたとしたら、結構愉快だったと思うのだが。。。空母いらんかもしらん。

2011-02-05 17:01:35