アンヴェイル・ザ・トレイル #4

ネオサイタマ電脳IRC空間 http://ninjaheads.hatenablog.jp/ 書籍版公式サイト http://ninjaslayer.jp/ ニンジャスレイヤー「はじめての皆さんへ」 http://togetter.com/li/73867
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「そんな無茶苦茶なジツ……ヒヒヒ、参ったな、笑えてきた」フィルギアは戸口で振り返り、力なく笑った。モジュラーは片腕をかざした。ピュイイイイ!「イヤーッ!」フィルギアは転がって避けた。空気が歪み、部屋の外の廊下が炎に包まれた。「よせ、オーケイ、悪かった」彼はホールドアップした。

2016-05-03 00:02:45
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

モジュラーは片腕をフィルギアに向けたままだ。フィルギアは両手を上げたまま、膝をつく。「勝ち目が無いや……まさか無線でもいけるなんて……離れてても繋がるなんてさ……」「気を引こうとしておるな」モジュラーは看破した。フィルギアの背後、戸口に負傷したエヴリマンが現れた。「其奴を任せる」

2016-05-03 00:07:10
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

フィルギアは薄笑いを残したまま後ろを見た。エヴリマンは奇怪な長刀を水平に振りかぶった。「ハーッ……同志モジュラー=サンの委任を受諾し……徹底総括!」「ウミノ=サン!悪りィ!限界みたいだ!」フィルギアが叫んだ。既にモジュラーはブースに飛び戻ろうとしていた。中にウミノが居る!

2016-05-03 00:10:06
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ナムサン!彼はいつブース内に忍び込んだのか!なんたるヨーカイじみたニンジャ隠密野伏力か!彼は無線機に鉱石を挿し込み、声を限りに呼びかけた。「聞こえるだろう!エーリアス=サン!聞こえる筈だ!」「今はシルバーキー=サンだ!」フィルギアが叫び、ウミノは瞬きした。「シルバーキー=サン!」

2016-05-03 00:13:31
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

モジュラーは反射的に片手をかざしたが、マイクロウェーブ攻撃を留まらざるをえない。ウミノは無線機に覆いかぶさるようにしている。アンテナと無線機はいわばパワーソース。有線接続が必要無いとはいえ、ウミノと共に破壊すれば極度モジュレーション・ジツは使えなくなる。「貴様!」ブース内に突入!

2016-05-03 00:16:42
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「モシモシ!モシモシ!モシモシ!」ウミノが叫ぶ。「イヤーッ!」モジュラーがウミノの横面を蹴りつける。「グワーッ!」「イヤーッ!」エヴリマンがカイシャクの刃を繰り出す。「イヤーッ!」フィルギアは黒髪を振り乱し、振り返り、その姿を消す。エヴリマンは刀身に巻き付く蛇を訝しむ。

2016-05-03 00:21:29
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

モジュラーは壁に叩きつけられたウミノに片手をかざす。これでモジュレーション・ジツが可能だ。「総括!」ピュイイイイ……モシモシ……モシモシ……モジュラーの聴覚にノイズ混じりの声が響いた……モシモシ……こちらニチョーム……「グワーッ!?」モジュラーは頭を押さえる。耳から出血!

2016-05-03 00:24:22
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「アバッ、ゲホッ」ウミノは血を吐き、叫んだ。「ゲホッ!モシモシ!応答せよ!ニチョーム!シルバーキー=サン!私だ!ウミノだ!」『ウミノ=サン!』「グワーッ!」モジュラーが怯んだ。目から出血!「ガボガボガボ」サイバネ声帯がノイズを発する。声が繋がった!『俺だ……シルバーキーだ!』

2016-05-03 00:27:41
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「モシモシ!モシモシ!モシモシ!」ウミノが叫ぶ。「イヤーッ!」モジュラーがウミノの横面を蹴りつける。「グワーッ!」「イヤーッ!」エヴリマンがカイシャクの刃を繰り出す。「イヤーッ!」フィルギアは黒髪を振り乱し、振り返り、その姿を消す。エヴリマンは刀身に巻き付く蛇を訝しむ。

2016-05-04 22:11:29
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

モジュラーは壁に叩きつけられたウミノに片手をかざす。これでモジュレーション・ジツが可能だ。「総括!」ピュイイイイ……モシモシ……モシモシ……モジュラーの聴覚にノイズ混じりの声が響いた……モシモシ……こちらニチョーム……「グワーッ!?」モジュラーは頭を押さえる。耳から出血!

2016-05-04 22:13:21
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「アバッ、ゲホッ」ウミノは血を吐き、叫んだ。「ゲホッ!モシモシ!応答せよ!ニチョーム!シルバーキー=サン!私だ!ウミノだ!」『ウミノ=サン!』「グワーッ!」モジュラーが怯んだ。目から出血!「ガボガボガボ」サイバネ声帯がノイズを発する。声が繋がった!『俺だ……シルバーキーだ!』

2016-05-04 22:16:52
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「シルバーキー=サン!繋がったか!」エヴリマンのカタナと腕をまとめて締め上げながら、蛇のフィルギアが言った。拘束が緩み、エヴリマンは蛇を壁に叩きつけた。「イヤーッ!」「グワーッ!」のたうつ蛇!モジュラーが両腕を振り回し苦悶すると、ブースのガラス窓が飴のように融解した。アブナイ!

2016-05-04 22:19:51
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「シルバーキー=サン!私はウミノ・スドだ。そ、そちらはニチョームなのだね!」『ああそうだ、放送局から繋いでる……どうなってンだ、この状況は』モジュラーのサイバネスピーカーに声が混線する。「ヌウーッ!」モジュラーは抗った。学生寮から数ブロック離れた地点の広告ビルが燃え上がった。

2016-05-04 22:21:45
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「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」エヴリマンがカタナをふるい、フィルギアを追い詰めてゆく。彼は三種の動物に変身することが可能だが、続けざまに攻め立てられれば反撃の機会は作れない。「モシモシ!この通信手段が今非常に危機的状況下にある」『こいつら敵だな?』「見えるかね!」『多少な!』

2016-05-04 22:25:07
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「黙るがいい!」モジュラーは片手をウミノに向けようとした。ナムサン、再びウミノは夢中になって通信機材に取り付いている。モジュラーは舌打ちし、回転ジャンプで窓から外へ退避した。「イヤーッ!」寮の周囲は今やウチコワシ戦闘員と食堂から外へ溢れ出した学生達のカウンター行動のせめぎあいだ!

2016-05-04 22:27:06
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「敗北主義者どもめ!イヤーッ!」「アバババーッ!」3メートル四方の空間に居た争い合う者達……学生7割、ウチコワシ戦士3割が恐るべき高温に呑まれて吹き飛んだ。ナムアミダブツ!「徹底革命の圧倒的進軍!イヤーッ!」ピュイイイイ!遠く、ビル屋上の電飾ダルマが融解!何たる無差別鉄槌行使者!

2016-05-04 22:32:49
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「反動主義勢力の亡霊がよこした声め!」モジュラーは混線者を罵った。「私そのものが純粋革命闘争本能象徴概念だ。この私の圧倒的徹底進歩行為を指を加えて見ているがいい!イヤーッ!」KABOOOM!付近の集合住宅が爆発炎上!「これがイッキ・ウチコワシである!破壊なくして再生無しだ!」

2016-05-04 22:36:35
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

学生寮内ではウチコワシ戦士に対するカウンター攻撃が激化し、徐々に数で勝る学生達が自治支配権を再び取り戻しつつあった。モータルには到底太刀打ちできないカラテでウチコワシの占拠テロを成立させるカギであったエヴリマンとブリックウィルは現在それぞれが別のニンジャとの格闘を強いられていた。

2016-05-04 22:40:58
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」ブリックウィルの硬化パンチは驚くほどに強靭であり、ヤモトにガードの上から衝撃力のダメージを与え続ける。ヤモトはジリー・プアー(徐々に不利)状態で食堂から廊下に後ずさる。「イヤーッ!イヤーッ!」カロウシで身を守るヤモトにパンチを打ち込むたびに、床と壁に亀裂が拡がる。

2016-05-04 22:49:32
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「アマクダリでもない野良ニンジャが我々の徹底正義の足を何故引っ張る!それはもはやアマクダリ以上に許せぬ敗北主義的行動だぞ!」ブリックウィルがパンチを連打する。ヤモトは睨み返した。「何故って?」そして言った。「大学に行って、勉強したり、遊んだり、アタイは憧れるよ」「退廃存在ーッ!」

2016-05-04 22:58:27
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」ヤモトのカロウシがブリックウィルの硬化パンチを弾いた。「イヤーッ!」次の打撃も防いだ。ブリックウィルは訝しんだ。感覚が無くなるほどに硬化させた己の拳に感じた痺れを。それは兆候だ。カロウシの刀身にヤモトのサクラ・エンハンスメント・ジツが満ちた事を知らせる違和感なのだ。

2016-05-04 23:02:14
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

己のニンジャ第六感を通して危機を察知したブリックウィルは拳を引き、通常打撃の三倍のニンジャ膂力を込めた。「イヤーッ!」ハヤイ!音速を超える打撃がヤモトの顔面を襲う!「イヤーッ!」ブリックウィルは切断されて左に飛んだ己の右手首から先を呆然と見つめた。その直後、彼の視界は床に落ちた。

2016-05-04 23:04:50
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

首を刎ね飛ばされたブリックウィルは床で血走った目を見開いた。「同志よ!革命……サヨナラ!」ブリックウィルは爆発四散した。カロウシを鞘に戻したヤモトを、モップを手に上階から駆け下りてきた学生が見た。ヤモトは狼狽え、曖昧に笑みを浮かべた。学生も同様に狼狽え、オジギをして走り去った。

2016-05-04 23:11:49