雪をください

【雪をください】(yellow)と続編三本
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レオナ @leo_msk_tdys

【雪をください】※同タイトルの曲と関連はありません。 2015年12月31日23時37分。間もなく年が明けようという頃、亮を呼び出した。 「…大倉は?」 「………。」 「言えんかったんや」 この男はなんで、こうも鋭いのか。 いや、私がわかりやすいのか。 #エイトで妄想

2016-01-30 01:09:45
レオナ @leo_msk_tdys

【2】 亮の言うとおり、意気地のない私は、大倉くんを初詣に誘えなかった。 同じ会社の、同じ部署。 だけど、キラキラした笑顔に近づこうとすると、それは眩しすぎて。 話したことはほとんどない。 所謂、片想い。 「で、なんでオレやねん」 ……なんでだろう。

2016-01-30 01:11:04
レオナ @leo_msk_tdys

【3】 亮だって確実にイケメンのはずで、会社の女の子たちの中にもファンがいるほどだ。 ただし、人見知りの仏頂面のせいで、近寄るコはいないけど。

2016-01-30 01:13:16
レオナ @leo_msk_tdys

【4】 だけどなぜか私は、口が悪くて愛想も悪い、そんな亮とウマが合って、同期入社してからずっと、お互いに悪態をつきながらも親友のように付き合っている。 そしてその親友は、私が大倉くんを好きなことを知っている。

2016-01-30 01:14:40
レオナ @leo_msk_tdys

【5】 「……あ、」 亮と神社へ向かう視線の先に、大倉くんと彼女の笑顔が見えた。 親友はたぶん、大倉くんに彼女がいることも知っていた。

2016-01-30 01:16:19
レオナ @leo_msk_tdys

【6】 「ほら、はぐれるで」 私が二人を見てフリーズしていると、ぶっきらぼうな言葉とは裏腹に、優しく包み込むように亮に手を引かれ、私の視線は二人から逸らされた。 何も話さず、ゆっくりと歩く参道。 つながれたままの手。 いつしか舞い降りてきた雪が、辺りを静かに白く染めていく。

2016-01-30 01:18:01
レオナ @leo_msk_tdys

【7】 「……いいかげん、気づけや」 前を向いたまま、かすれた亮の声が聞こえた。 うん、亮。気づいてるよ。 たった今、気づいちゃったよ。

2016-01-30 01:20:45
レオナ @leo_msk_tdys

【8】 私に失恋の事実を言えなかった、亮のつらさも。 私が傷つかないようにしてくれてた、亮の優しさも。 このあったかい手の理由も。 そして、私の胸が小さく音をたてたことも。 2016年1月1日0時8分。冷たい雪も、冬の空も、冷えていた私の心も、ゆっくりと溶け始めた。

2016-01-30 01:23:05
レオナ @leo_msk_tdys

【ハートに火をつけて・1】 初詣から一週間。亮の気持ちを知って、自分の気持ちが日に日に変化していくのを感じていた。 あれから亮は、LINEでも電話でも、会っている時も、ストレートに私への愛を口にするようになり、そのたびに私はドキドキさせられた。 #エイトで妄想

2016-01-30 21:52:00
レオナ @leo_msk_tdys

【2】 今日は仕事初め&新年会。 年の初めとあって、同僚たちはみんな元気で、かなりテンションも上がっている。 会場は会社近くの居酒屋。 開始から一時間も経たないうちに、お座敷のあっちこっちで、すでに酔っ払いが多発している。

2016-01-30 21:53:54
レオナ @leo_msk_tdys

【3】 「里美ちゃ〜ん、飲んでる〜?もぉ〜もっと飲もうや〜〜。 はい、オレが注(つ)いだげるからね〜」 そう言って、かつての私の片想いの相手・大倉くんが私の肩に腕を回し、グラスにビールを注ぐ。 もうほとんど、のしかかるように。

2016-01-30 21:54:50
レオナ @leo_msk_tdys

【4】 お、大倉くんて、こんな感じなんだ…。 豪快でちょっとめんどくさそうで、見た目とのギャップに驚いたけど、こんなキレイな、しかも好きだった人の顔が自分の肩に乗っているなんて、いやでもドキドキしてしまう。 突然声のトーンを落とした彼の、低音の色っぽい声に、神経がくすぐられる。

2016-01-30 21:58:23
レオナ @leo_msk_tdys

【5】 「……里美ちゃんて、めっちゃカワイイよなぁ。オレ、ずっと気になっててんけど、いっつも亮ちゃんが睨みきかしてたから、近づかれへんかってん」 「……え?」 「亮ちゃん、里美ちゃんに近づこうとするヤツ、みんな威嚇して追い払ってたんやで」

2016-01-30 21:59:34
レオナ @leo_msk_tdys

【6】 初めて聞かされた事実に、一気に顔に熱が集まった。 このままじゃ心臓がもたない。 私は、大倉くんから逃れるためと酔い覚ましに、トイレに立った。

2016-01-30 22:00:20
レオナ @leo_msk_tdys

【7】 少し気持ちを落ち着かせてトイレから出ると、通路の壁にもたれ、腕を組んで立っている亮がいた。 その姿に、さっきの大倉くんの言葉を思い出して、また顔が熱くなる。 亮はなんだか不機嫌そうな顔をしていて、壁から背を離すと、私に向き合った。

2016-01-30 22:01:48
レオナ @leo_msk_tdys

【8】 「お前、なに他の男に触られてんの?」 そう言うと、私を壁に押し付け、顔を近づけた。 「あんな顔赤くして。大倉に何言われたんか知らんけど」 「……な、なんでもないよ」 「……ふーん」

2016-01-30 22:02:57
レオナ @leo_msk_tdys

【9】 「帰ったら、おしおきやな」 ニヤリと笑って戻って行った亮に、私は背筋が冷たくなるのを感じた。 【ハートに火をつけて・終】 pic.twitter.com/zasvF0bFsZ

2016-01-30 22:09:55
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レオナ @leo_msk_tdys

【ハートに火をつけて〜a jealous lover・1】 「…んっ、ふ、…っ亮、」 会社の新年会終わりで、俺の部屋に里美を連れ帰り、玄関の扉を閉めたところで、その唇を塞いだ。 壁に背中を押し付け、掌で頬を撫で、舌を絡め、呼吸を奪うように深く口づける。 #エイトで妄想

2016-02-01 00:26:49
レオナ @leo_msk_tdys

【2】 酒の席で、大倉がこいつの肩に腕を回し、耳元で何やら囁いているのを見て、正直こんなに嫉妬させられると思わなかった。 「ん、ゃっ……待って」 白い首筋に舌を這わせ、指はシャツの胸元を開ける。

2016-02-01 00:29:08
レオナ @leo_msk_tdys

【3】 「っ亮、ここじゃ」 「アホ。お前がイヤがらんかったら、お仕置きにならんやろ」 里美の声は聞かず、耳元でそう囁くように言った後、露わになった白い胸を舐める。 その先端を口に含め、舌先で転がすと、彼女の口から高く甘い声が漏れた。

2016-02-01 00:30:20
レオナ @leo_msk_tdys

【4】 「あっ、んっ…」 眉間にシワを寄せて、それでも声をガマンしている里美が色っぽくて、俺にまた欲情の火をつける。 俺の右手は里美の細い腰をなぞり、スカートの裾から太腿を撫で、そのまま内側へ侵入する。 もう充分に濡れているソコに、気を良くした俺は、さらに指を奥へ進めた。

2016-02-01 00:31:00
レオナ @leo_msk_tdys

【5】 里美は一度ビクンと体を震わせると、俺の服を掴み、押し寄せる快感の波に耐える。 「あっ!亮っ、んっ、あ、ぁあっ!」 上り詰め、一際高く声を上げた後、崩れ落ちた里美をそのまま抱き上げ、ベッドへ運んだ。

2016-02-01 00:34:18
レオナ @leo_msk_tdys

【6】 まだ肩で息をし、余韻で小刻みに震える里美の頬にキスをして、その脚を開き、入口に俺自身をあてがうと、一瞬ビクンとして彼女がうっすらと目を開けた。 「っ…亮、ダメ……まだっ…」 その声が、表情が、艶かしくて。

2016-02-01 00:36:56
レオナ @leo_msk_tdys

【7】 「……っ、お仕置きや、言うたやろ」 とてつもなく愛おしくて、そんな気持ちをぶつけるように、一気に奥まで挿し込んだ。 「んあっ、ぃやぁ!あっ、はっ、ぁっ……」

2016-02-01 00:37:44