- tasobussharima1
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水上歩行で艦隊へ近付く得度兵器。その数は僅かに一。 だが、海賊達は手を出しあぐねている。艦載レールガンは既に大半がエネルギー切れ。再び使用を可能とするためには、ボンズ・カートリッジの換装作業が必要だ。そして『水の上』を歩く相手には、敷設した機雷も効力を発揮し難い。
2016-05-05 21:04:06何より……その得度兵器は、瀬戸内海で幾度となく小競り合いを繰り広げてきた海賊達にとってすら、全くの未知の型式のものであった。 この局面での投入を思えば、何らかの新型だろう。そして今後、あの型式の得度兵器と交戦する機会が発生することを考えれば、この機に少しでも情報を得る必要がある。
2016-05-05 21:08:03いや、そもそも迂闊に逃げようとすれば、何をされるか知れたものではない。相手の手の内が割れぬ限りは、逃げることすらままならない恐れすらあるのだ。 加えて、先の戦闘で僅かなりとも得度兵器に手傷を負わせた、という高揚が手助けをする。そのまま逃げ帰るという選択肢は、海賊達の中から消えた。
2016-05-05 21:12:09「船ごとぶつけて、そのまま離脱するぞ!」 セミマルⅢ世の艦橋で、船長が叫ぶ。衝角戦。戦闘艦が生まれた当初から存在する、体当たり戦法。火器が使用不能であろうと、まだ船を動かす程度のエネルギーは残っている。船体も、衝突で致命的損傷を負うほど柔ではない。
2016-05-05 21:16:03得度兵器の重量は2000トンを越えることは殆ど無い。それが今の彼等の限界だ。対して、セミマルⅢ世の排水量は1万トン近い。多少の抵抗は、重量差で跳ね飛ばせる。 海賊達の目論見には、ある程度の勝算もあった。そして実際、成功もしたのだろう。 相手が、その機体でさえなければ。
2016-05-05 21:20:04得度兵器。タイプ・シャカニョライ。釈尊の名を冠した機体。仮に、得度兵器を月に例えるならば。他の全ては水面に映る月であり、この一体だけが真の月である。そう称しうる程に、あらゆる面で隔絶した機体。 そして……この勢力圏における、得度兵器達のネットワーク中枢(ハブ)。
2016-05-05 21:24:02相手がこの機体でなければ。水上を歩いて両手フリーな機体相手に衝角戦を挑んでなんとかなるのか…… #徳パンク
2016-05-05 21:24:50