@gottos 氏によるラブプラス増田記事自己解説
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これは完全勝利でしたw RT @SinjowKazma: "いつの日か、人間とキャラクターは本当に出会えるのだろうか。" - 僕が凛子を売った日 http://tumblr.com/x3t3w1lgh
2009-11-07 17:56:38読んでくださったみなさんはもう気づいたかもしれませんが、「凛子打ってきますた」の増田は僕の作でした。みなさんコメント・トラバ等ありがとうございました。 http://anond.hatelabo.jp/20091105140528
2009-11-07 22:19:51増田なので一応「読み物」ということになるわけですが、「実は本当に彼女が……」のくだりは少々イロをつけすぎたとはいえ、それ以外あんまり大きな嘘はつけませんでした。「屋上で昼食」「3500円」とか小さな嘘はたくさんいれてみたんですが
2009-11-07 22:21:57(実際にはうちの屋上には容易に上がれないし、売価は7000まで上がった。それでも原価割れですが。三日目の競り台では普通のひだまりスケッチコミケセットが20000とか当たり前なのです)
2009-11-07 22:23:20ありむーにoneネタはわからんとか言われたけど、僕は高校生です。いやー、近頃の高校ときたらみんな独自の折原浩平論を持ってないとクラスの会話にもろくについていけなくって困っちゃいますよ
2009-11-07 22:25:41質の低さも「バカなセカイ系高校生を演じてみただけ」とかいくらでも言い訳はできるのですが、実際その通りですし、書きたいから書いてるわけで、意味ないよなあと思います。読者も必ずしもフィクションとして読んでくれてはいないし(当たり前か)。まぁそこは「偽史」ということでひとつw
2009-11-07 22:27:45様々な作品との類似性を指摘するコメントをいただきましたが、やはりここは『順列都市』がベストアンサーなのだろうかw ただ僕の考えていることはより盤石な強度を持つキャラクターを設計するにはどうすべきかということなので、精神の電子化という問題とはかなり趣が異なってきます
2009-11-07 22:31:16この手のものに自分で賛を書くのはあまりよくないのだろうが、coohくんにはなにも訴えてない文章とか言われてしまったので少し解説を加えよう
2009-11-07 22:32:20最近、キャラクターは本当にデータベースから生成されるシミュラークルなのだろうか、ということをよく考えます。いや、無論そのことについて何ら疑いは持っていない。そしてだからこそ、背後にそれとは別の、ブラックボックスを有したキャラクターの存在を妄想してしまうのです
2009-11-07 22:34:13いくら膨大なデータベースを参照しながらキャラクターの姿は象られるとはいえ、結局その強度は作品の完結性・有限性によって支えられています。ラブプラスに入力されているイベント量も膨大ですが、それに対して想定されているユーザー時間が「消費」で済む長さではない、というのが今回の問題でした
2009-11-07 22:36:35つまり、キャラクターは人間が知覚できる「変化(=場合の数)」を常に生成し続ける程度の複雑性を有さなくてはいけない。社会をシステマティックに処理するために複雑性を縮減しなくてはいけませんが、逆に人工物を「リアル」に見せるためには複雑性を増幅させなくてはいけないという問題です
2009-11-07 22:38:52長期間に渡りキャラクターに強度を維持させ続けるにはどうしたらいいのかという話であるわけですが、管見の限り現在これについてコンテンツのレベルとコミュニティーのレベルで二つの試みに注目しています。前者が人工無能、後者がキャラクターの「ゆらぎ」です
2009-11-07 22:41:05Twitterのbotを始めとする人工無能の発言は、ある程度人間にとって予想不可能であり、またある程度は人間と意志疎通が取れているかのように動きます。発言のみによって構成されるキャラクターであれば、将来的に人工無能は今以上の強度を持つようになるでしょう
2009-11-07 22:44:58人工無能的なアプローチはネット上に転がる「人間っぽい」発言データベースというカオスを、一定のアルゴリズムのもとに縮減するという意味で従来のシステム論的なアプローチを取るといえます(ちゃんと学んだことがないのでおっかなびっくり用法ですが)
2009-11-07 22:46:57しかし人工無能は今のところ①辞書データベースが有限であること②発言生成アルゴリズムが認知可能であること③今のところコミュニケーションを偽装するほどには精度が高くないこと の三点で真のブラックボックスであるとは言い難いです。人間が人工無能に抱く愛着は「テクノ」的なものにすぎない
2009-11-07 22:49:20後者の「ゆらぎ」。東・新城・桜坂の鼎談の中に「みくる乳輪問題」というヘンな喩えがあります笑。朝比奈みくるの乳輪はデカいと言う某作家に対して谷川流が「いやそんなことはない」と答えた、みたいな話なのですが、ここで起きているのは個々の脳内データベース差を通じたキャラの読み換えです
2009-11-07 22:52:30確か同鼎談で、長門有希が最初はかけていた眼鏡を途中からかけなくなることについて触れられていたはず。つまり、谷川は「このキャラはこうだろう」と考える読者のデータベースと対話しながら、意図的にその予想を裏切り続けることのできる作家なのだ、という話だったと記憶しています
2009-11-07 22:54:37このようなデータベースの「ゆらぎ」を意図的に導入することも、キャラクターをブラックボックス化させ、強度を確保するための一つの手段です。福嶋さんが触れているZUN絵のゆらぎもこのように解釈できますし、そもそも二次創作という行為そのものすべてがこういった試みですよね
2009-11-07 22:56:37(これを伊藤剛語による「キャラ」の横断性と置き換えて問題ない、はずです。なお福嶋論文が扱っているのはそのさらに先にある微妙な問題で、ここでの話はそこまでは届かない)
2009-11-07 22:58:20みくる乳輪もZUN絵も二次創作も、このようにキャラクターを「確率の雲」にすることによって、横断性を付与する。この横断性を一作品内で利用するためにはどうすればいいのだろう。と考えるわけです
2009-11-07 23:00:18しかし、これは結局「作品の有限性」という前提を崩してキャラクターの寿命を延ばすだけ。作品のレベルに落としこめば単に「死ぬまでシリーズ続ければいいじゃん」という話で、二次創作なら「一生SS書いてればいいじゃん」という話ですよね。やはり最終目標はキャラクターの自走性です
2009-11-07 23:02:42これを名付けてヘンリー・ダーガータイプ。本当に永遠にキャラクターと一緒にいたければ、ずっとSSを書き続けられればいいのです。皿洗いなどしつつ。そしてそんな作品はそれはそれで読みたい。よってやはりベーシックインカムが重要です笑)
2009-11-07 23:05:15ブラックボックスを有するキャラクターの設計計画はここで行き詰まります。トップダウン的な人工無能の方法論とボトムアップ的な「キャラ」の方法論をどう融合させるかが問題な気がするのですが……道のりは遠そうです
2009-11-07 23:07:15それでも飽かず「架空人」を求めて続けてしまう、その人間のサガの方にむしろ面白さはあるよねー、というのが件の増田のメッセージだったりもします。ラブプラスから遠く離れてしまいましたが、みなさんはできるだけ長く自分の凛子をかわいがってあげてください。それが一番です
2009-11-07 23:09:14