財務省の嘘:「債務残高の国際比較(対GDP比)」

日本の経済と財政を良くするためには財務省の嘘に騙されてはいけません。 ※ 『データが示す、「消費増税は家計の消費を減らす」という事実』を追記しました。
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広夢 @scidreamer

今から連続ツイートを始めます。テーマは日本の経済と財政についてです。

2016-05-22 13:09:57
広夢 @scidreamer

(1)財務省が出しているこのグラフ、「債務残高の国際比較(対GDP比)」(mof.go.jp/tax_policy/sum… )。このグラフを見ると、日本だけが突出して政府債務が増え続けている「ように見える」。しかしこれは誤誘導だ。

2016-05-22 13:11:04
広夢 @scidreamer

(2)マネーガイドJPの「名目GDPが成長すれば、財政破綻など起きない!」(rh-guide.com/tokusyu/syohiz… )のグラフを見れば分かる通り、他の先進国の政府債務残高も増え続けているのであって、日本の債務残高の伸び率がむしろ少ない方なのである。

2016-05-22 13:12:20
広夢 @scidreamer

(3)財務省の嘘のカラクリは括弧の中の「対GDP比」の部分にある。マネーガイドJPのもう一つのグラフを見ると、他の先進各国の名目GDPが成長を続ける中で、日本の名目GDPだけがマイナス成長に陥っていることが分かる。

2016-05-22 13:13:03
広夢 @scidreamer

(4)財務省は「政府債務残高/名目GDP」が各国と比較して増大していることだけを示して「政府債務を減らさなければならない」と国民に思い込ませようとしている。しかし、真の問題は政府債務残高(分子)が増えていることではなく、名目GDP(分母)が増えていないことにあるのである。

2016-05-22 13:14:05
広夢 @scidreamer

(5)ところで、『名目GDP成長率=実質GDP成長率+物価上昇率』である。日本の名目GDPが増えていないことの一つの大きな原因として日本では物価が上昇していないこと、すなわち日本経済がデフレに陥っていることが挙げられる。

2016-05-22 13:15:03
広夢 @scidreamer

(6)実際、日本の物価上昇率は他の先進国よりずっと低く、特に97年の消費税増税以降は0%を切ってマイナス基調に陥っている。(内閣府「日本と世界の消費者物価上昇率の長期推移」www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je13… )この20年近く先進国の中で日本だけがデフレだったのだ。

2016-05-22 13:16:04
広夢 @scidreamer

(7)日本だけがデフレ経済が続いたために名目GDPがマイナス成長し、「政府債務残高(対GDP)」が先進国の中で突出して増加していった。したがって、日本がやらなければならないのは政府債務を減らすことではなく、名目GDPを増やすこと、つまりはデフレ脱却である。

2016-05-22 13:17:04
広夢 @scidreamer

(8)デフレは財・サービスの供給能力に対して購買力が不足すると起こる。デフレ脱却のためには購買力を増やさなければならない。特に需要のスタート地点となる家計を助ける必要がある。逆に言えば、97年の消費増税が家計の購買力を削ぎ、日本経済をデフレ化した。日本に必要なのは消費減税である。

2016-05-22 13:18:03
広夢 @scidreamer

(9)財務省は「政府債務残高(対GDP比)」のグラフを出して「消費増税が必要」と吹聴する。しかし実際にはGDPを増やすために消費減税が必要なのだ。彼らは単に組織として徴税権という権限を拡大したいだけに過ぎない。そんな矮小な目的のために日本の経済と財政を悪化させるわけにはいかない。

2016-05-22 13:19:04
広夢 @scidreamer

以上、連続ツイート『財務省の嘘:「債務残高の国際比較(対GDP比)」』でした。後でTogetterにまとめます。

2016-05-22 13:20:06

追記:『データが示す、「消費増税は家計の消費を減らす」という事実』

広夢 @scidreamer

以下は私の連続ツイート『財務省の嘘:「債務残高の国際比較(対GDP比)」』(Togetterのまとめ:togetter.com/li/978164 )の追記です。

2016-06-19 17:03:55
広夢 @scidreamer

まとめにコメントした「二人以上の世帯の消費支出」について@hadoron1203さんから「実際は2000年以降ずっと家計の消費支出は下がり続けている。」(togetter.com/li/978164#c279… )というご指摘を頂いた。

2016-06-19 17:07:27
広夢 @scidreamer

そこで、総務省HPの『家計消費指数 結果表(平成22年基準)』の「二人以上の世帯」の「家計消費指数」のデータをグラフ化してみよう。( stat.go.jp/data/gousei/so… :2016年6月12日)

2016-06-19 17:08:59
広夢 @scidreamer

以下が日本の「家計消費指数(二人以上世帯、実質指数、平成22年基準)」の2002年から2015年までの推移を表すグラフだ。 pic.twitter.com/rHhpTACN0d

2016-06-19 17:10:43
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広夢 @scidreamer

2002年以降、二人以上世帯で確かに@hadoron1203さんの仰る通り「ずっと家計の消費支出は下がり続けている」。しかし、「その原因は明確で、世帯内の構成人員が一貫して減り続けているからだ。世帯主の年齢も上がり続けている。こんな統計数値に意味はないよ。」と判断するのは早計だ。

2016-06-19 17:15:05
広夢 @scidreamer

2002年から駆け込み需要の影響が出る前の2012年までの間、消費指数は右肩下がりだが、2015年までこの傾向が続くと仮定した場合の期待値(96.2)を実際の消費指数(92.8)はさらに下回っている(-3.4)。 pic.twitter.com/wNKQwPwuD5

2016-06-19 17:17:02
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広夢 @scidreamer

つまり、2014年の消費増税の影響で二人以上世帯の実質消費は3%以上余分に減ったことが推測される。 @hadoron1203さんが仰るような「世帯内の構成人員」の減少や「世帯主の年齢」の上昇が原因ならば、このように傾向が急に変わることはないだろう。これは消費増税の影響だ。

2016-06-19 17:18:50
広夢 @scidreamer

ついでに、GDPの(支出面の)構成要素である「家計最終消費支出」についても調べてみた。

2016-06-19 17:19:36
広夢 @scidreamer

「家計最終消費支出」のデータは内閣府HP『統計表一覧(2016年1-3月期 2次速報値)』「Ⅱ. 形態別国内家計最終消費支出、形態別総固定資本形成及び財貨・サービス別の輸出入」「実額」「実質年度」( esri.cao.go.jp/jp/sna/data/da… :2016年6月12日)からだ。

2016-06-19 17:21:05
広夢 @scidreamer

以下が日本の「家計最終消費支出(実質)」の1994年から2015年までの推移を表すグラフである。 pic.twitter.com/eJBG2DVNND

2016-06-19 17:21:45
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広夢 @scidreamer

「家計最終消費支出」は実質では増え続けている。しかし、ここでもやはり2000年から2012年までの傾向が続くと仮定した場合の2015年の期待値(306.1兆円)を実際の家計の消費(298.7兆円)は下回っている(-7.4兆円)。 pic.twitter.com/tpVUiM4RAx

2016-06-19 17:23:18
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広夢 @scidreamer

つまり、2014年の消費増税は家計の消費を7.4兆円減らしたと推測できる。率にして大体マイナス2.4%だ。5%から8%への3%の消費増税による負担増に対処するために家計が消費を2.4%減らしたことが見て取れる。やはり消費増税が家計の消費を減らしたのだ。

2016-06-19 17:25:11
広夢 @scidreamer

『消費税を増税すると、家計は消費を減らす』。 当たり前と言えば当たり前のことなのだが、それを分かっていない人もいるようなので、敢えてデータを示した。このように需要のスタート地点である家計が消費を減らすと、企業も国内の投資需要を減らし、デフレが悪化することは以前から指摘している。

2016-06-19 17:26:41