- tasobussharima1
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黄昏のブッシャリオン
@tsbsrion
それを、遥か昔の、不死者となるよりも以前の『彼女』もまた持っていたのだろうか。『マロ』にはもう、それは分からない。今の彼にとって、それは呪いの言葉だ。命の限り足掻いたとしても、彼には終わりは訪れない。それは永遠に砂で絵を描き続ける苦行に似る。
2016-05-22 22:15:54
黄昏のブッシャリオン
@tsbsrion
しかし、今。その最後の希望は訪れようとしている。徳エネルギーによる、輪廻からの解放。 「……そうで、おじゃるな」 最期くらいは、全力で足掻いても良いだろう。例え、この先も彼の生が続くとしても。 だから、彼はそう答えた。
2016-05-22 22:20:32
黄昏のブッシャリオン
@tsbsrion
それでも、もう手札はもう残されてはいないのは本当のことだ。 フィールド中和器も、その電源用の徳ジェネレータも全損した。予備のジェネレータは1基あるが、動かせるものは通信機程度しかあるまい。 集落の人々は、様々に解脱の時を受け入れんと試みている。
2016-05-22 22:25:17
黄昏のブッシャリオン
@tsbsrion
もう、猶予は残されていない。 「……それでも、最期まで」 最後の最後まで諦めることだけはすまいと。『マロ』は、そう思った。
2016-05-22 22:27:35