金属色の君主/終

七廻のRPまとめ。
0
前へ 1 ・・ 25 26
アリス@中影SGO【HP39】 @BB_GCsenyo

「私ね、スーにまた会えたら、今の流れでからかってやろうと思ってたの!」 笑う彼女の顔は、まるで活発でいたずら好きの少女のよう。その少女のイタズラに引っかかったクラークは豆鉄砲を食らったように間抜けな表情をしながら固まる。 それを見て、一際愉快そうに笑うネリネ。

2016-07-26 01:15:35
アリス@中影SGO【HP39】 @BB_GCsenyo

「あのね、私、怒ってないから」 笑いすぎて零れそうになる涙を拭いながらネリネは言う。 「逆に安心してるのよ?スーはずっと私のこと大事に想ってくれたのも知ってる。もちろん、私たちの坊やのこともね。」 優しく微笑む。 「でも、私たちのせいであなたが幸せになるのを拒むのは辛かったの」

2016-07-26 01:20:10
アリス@中影SGO【HP39】 @BB_GCsenyo

「全部お見通しだからね?心配でずっと見てたんだもの」 あなたは少なくともそういう人だってことは知ってたもの。と愛おしそうにクラークを見上げる。 言葉も上げられず、静かに自分を見守っていた女性の顔を見つめる。女性の顔はどの表情より美しく、母親の色を見せた妻の顔だった。

2016-07-26 01:25:59
アリス@中影SGO【HP39】 @BB_GCsenyo

「…まるで子供だな、俺は」 自嘲する様にクラークは顔を反らす。ネリネの顔を見ていられなかった。 するとクラークの両頬に手が触れる。そして強引に目線を合わせられるように顔を動かされる。 「どうしてあなたは!そればっかり!」 額をつけ、お互いの睫毛が触れあいそうな距離で見つめあう。

2016-07-26 01:30:00
アリス@中影SGO【HP39】 @BB_GCsenyo

「そろそろ認めたらどうなの。あなたは一人で上手く立ち回れるほど器用じゃないの。言ってしまうとその逆だわ!スーは不器用なの!」 なぜかネリネは怒っている。それに戸惑いながらクラークは困ったように眉を顰める。 「不器用なのは知ってる。それをなんとかするか、隠さなければならないことも」

2016-07-26 01:34:25
アリス@中影SGO【HP39】 @BB_GCsenyo

ネリネの琴線に触れる。ネリネは「ちがうちがう!私が言いたいのはそういうのじゃないの!」と大声で訴えるように言いながら、クラークの額に自分の額を勢いよく叩き付ける。 これには声を上げながら、額を抑え、涙目になりながら激怒したネリネを「いったいどうしたんだ」という目で見つめた。

2016-07-26 01:37:49
アリス@中影SGO【HP39】 @BB_GCsenyo

「もっと人に頼れば良いじゃない!どうして一人でなんでも出来てしまおうとするの!あなたがなんでも出来ちゃうと周りの人はいらなくなっちゃうでしょ!」 その言葉に反論する。 「違う!俺がもっといろんなことが出来れば皆が苦労しないだろ!」 それに首を大きく横に振る。

2016-07-26 01:41:00
アリス@中影SGO【HP39】 @BB_GCsenyo

「それが周りの人がいらなくなる理由だって言ってるの!」 ネリネは続けた。 「もしあなたが子供を一人で産める体になったら、私はいらないでしょ?そういうことなの!適材適所って知ってる?」 絶句した後に小声で 「俺は子供を産もうなんて思ってないぞ」 と口を開いた。

2016-07-26 01:45:51
アリス@中影SGO【HP39】 @BB_GCsenyo

思い通りの反応をくれないクラークに「例えだってば!!」と枕で攻撃する。クラークの「痛い痛い」という言葉を聞きながら、 「私が子供産めない体だったら子孫を残すために新しい奥さんなり、子供を産むだけの女の人を雇うでしょ?そういう人が居てこそ、成り立つこともあるの」 と口を開いた。

2016-07-26 01:53:11
アリス@中影SGO【HP39】 @BB_GCsenyo

「何が言いたいかって、一人で抱えないでもっと人に頼ってってこと」 勢いをなくした枕がクラークの体の上に置かれる。ネリネの顔は悲しそうに見える。 「私ね、一つ心残りがあなたにあるんだとしたら、悩みとか愚痴とか何一つ零さなかったことなの。ちょっと寂しかった」 ほろりと涙が零れた。

2016-07-26 01:58:48
アリス@中影SGO【HP39】 @BB_GCsenyo

「私じゃ、支えてあげられないのかなって」 クラークは目を見開いて、驚く。ネリネの頬を伝う涙に触れようと、拭ってやろうと腕を伸ばすが、ネリネの両の手に捕まれて、口元に引き寄せられる。 「…今の彼女に私と同じ思いさせちゃだめだよ」 一つ、また一つ流れる涙に後悔する。

2016-07-26 02:03:37
アリス@中影SGO【HP39】 @BB_GCsenyo

「そんな、俺はただ君に、要らぬ苦労をかけてさせたくなくて。ただそれだけだったのに…すまない」 片方の手で涙を拭き取る。閉じていた新緑の瞳が、朝露を孕んだように揺れながら見上げる。そして首を横にゆっくり振る。 「いいよ。分かってたことだもん。でも、やっぱり、寂しかった」

2016-07-26 02:07:20
アリス@中影SGO【HP39】 @BB_GCsenyo

「だから次は気を付けてね」 ネリネは微笑む。 それにどうしようもなく、申し訳なくなって抱きしめる。「すまない」と言い続けた。謝罪し続けるクラークに少し笑う。 「…やめてよ、怒ってないんだってば」 それに、と言って口を閉じる。これは言っては駄目だと自分に言い聞かせる。

2016-07-26 02:11:36
アリス@中影SGO【HP39】 @BB_GCsenyo

あんまり謝れると成仏できないよ。やっと精神的に頼れる人が傍にいる状態になったんだから、私はこれで最後だって決めたんだから。 そう自分に言い聞かせれば言い聞かせるほどずっとクラークの隣に居たいと、どうしようもなく願ってしまう。 ボロボロと止まらなくなった涙を拭うこともせず口を開く。

2016-07-26 02:15:53
アリス@中影SGO【HP39】 @BB_GCsenyo

「ねぇ、最後に一度だけ愛してるって言って」 これから自分の夫は幸せになる。そのためには自分は遠くに行くべきなのだ。最後のわがままだ。きっと夫が死んでも、会うことはないだろう。 「最後だなんて、一度だけだなんて言うな。ずっとこれからも」 強く抱きしめられる。 「それじゃあダメなの」

2016-07-26 02:18:45
アリス@中影SGO【HP39】 @BB_GCsenyo

「これからは私を幸せな思い出だと思って。思い出なの。」 不器用に笑いながら、涙を流しながらクラークを見つめる。クラークの顔は戸惑いながらも、自分を一番だと愛してくれた夫の顔であった。 「私を抱きしめているこの腕も、愛の言葉も、唇も、もう私の物じゃない。彼女さんの物」

2016-07-26 02:22:34
アリス@中影SGO【HP39】 @BB_GCsenyo

「だから私には最後。あとは全部、彼女にあげて」 しばらく見つめた後、クラークは「分かった」と告げる。満足したようにネリネは頷く。 「たくさん苦労をかけてしまったな。ありがとう、愛してる。愛しのネリネ。どうか安らかに」 本当に最後だと認めてしまったようでクラークの頬にも涙が落ちる。

2016-07-26 02:27:45
アリス@中影SGO【HP39】 @BB_GCsenyo

「あー!」とネリネは声を上げる。 「一度だけって言ったのにぃ」 嘘つき、と大泣きしながら笑う。その声は上ずり、不安定だ。 「すまない」 と謝れば、「謝るぐらいなら言わないでよ」と返事が返ってきた。これには返す言葉もない。 そして抱きしめている感覚がなっていく。

2016-07-26 02:32:15
アリス@中影SGO【HP39】 @BB_GCsenyo

「…また、会えるなら会いましょうね。今度はちゃんと彼女を紹介してね。坊やと待ってるから」 存在が消えるような、なくなるような腕の違和感に悲しみが湧き出る。それでも、それを押し殺して、 「あぁ、また会おう。必ず」 そう強く伝える。クラークの背中にかすかにネリネの腕が回される。

2016-07-26 02:36:19
アリス@中影SGO【HP39】 @BB_GCsenyo

「大好き」 目が覚める。窓からは地平線から顔を出し始めた太陽に色づけられた赤と青の空が見える。夢か?と思ったが、手の中に何かがあると感じる。顔の前に手を持ってきて開く。 するとゆっくりと落ちる一つのネリネの花。胸の上にふわりと落ちる。すると魔法にかかったかのように体が軽くなる。

2016-07-26 02:41:38
アリス@中影SGO【HP39】 @BB_GCsenyo

驚いて、包帯を雑に解き、傷を見るが何もない。 立ち上がり、全身を見てみるが、ボロボロだった体にあるはずの傷はなかった。 「…持って行ってくれたんだな、ネリネ」 良い思い出になった妻。自分が幸せになることを許してくれた女性の顔が浮かぶ。 「ごめんよ、ありがとう」

2016-07-26 02:46:12

おまけ

シュリヒト・ディア@邪紋 @schlicht_nen

#絶対に笑ってはいけない幻想詩連合24時 オリオンさんが「ステラァァァァ!!!」と叫ぶとクラークさんの服が弾け飛んでクラークさんが倒れる

2016-07-12 00:46:47
前へ 1 ・・ 25 26