朝は毎日、主の祈りを唱える……われらに罪を犯すものをわれらが赦す如く、われらの罪をも赦したまえ……でも、最後のアーメンだけは言わない……クリスチャンではないから……
2010-03-17 09:05:44ミッションスクールで、教員はほとんどクリスチャンだったけれど、ろくな教員がいなかった。その中で、物理の木田博彦先生だけが、教員会議でわたしの退学処分を反対して下さった。
2010-03-17 09:18:08イエスの「迷える子羊」のたとえをお話しになり、一歩も引かなかったという。「ある人が100ぴき羊を持っていて、その1ぴきが迷い出たとすれば、99ひきを山に残しておいて、迷い出た1ぴきを捜しに行かないだろうか」と。
2010-03-17 09:24:48わたし、中2の期末試験で全ての答案を白紙で出したんだけど、木田博彦先生は、わたしが答案用紙の裏にびっしり書いた「ヨハネの黙示録」についての考察に40点をつけて下さり、返ってきた答案用紙を見て仰天した記憶がある。
2010-03-17 09:30:16おかげで物理は赤点を免れた。あと、これはちょっと自慢なんだけど、美術と書道は10だった。「本来、書道に10はない、と思うけれど、あなたの字には10をあげる。お手本とか関係ない、自分の書を書いているから」と言って下さった。
2010-03-17 09:42:51木田博彦先生は、定年退職後、癌を患い、闘病されていたのですが、わたしの芝居を毎回必ず観にきてくださった。そして、毎回必ず丁寧な感想のお手紙をくださった。
2010-03-17 09:49:37観劇の数日後の訃報。ご自宅に駆け付けると、奥様から癌闘病のことを知らされた。教会のお葬式で、賛美歌もうたえないほど号泣した。木田先生は「迷える子羊」のたとえを、命をかけてわたしに教えてくださったんだと思う。
2010-03-17 09:54:12わたしは誰かを「先生」と呼ぶことも、誰かに「先生」と呼ばれることも、可能な限り避けているが、木田博彦先生だけは今も迷わず「先生」と呼んでいる。
2010-03-17 10:04:02横浜共立学園の生徒手帳の最初の頁には「心を尽くし精神を尽くし思いを尽くして、主なるあなたの神に仕えよ」という聖句がありました。わたしは、心を尽くし精神を尽くし思いを尽くして、小説を書いています。登場人物と、そして読者のために。
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