ARC-Vの不評の所以「あまりに遊矢が不幸だから」
アークファイブの不評を買っているのは遊矢がシンクロ次元でちんたらやっていたことだけど、これに関しては(もちろん脚本の問題ではあるけど)遊矢が不幸であったという点が非常に大きい
2016-06-06 12:55:17遊矢の思想は「デュエルは戦いの道具でない、みんなを笑顔にしてくれる。俺は父さんがそうであったように、自分もデュエルで周りの人を笑顔にする」というわかりやすいものであるが、これを大きく邪魔する存在がいくつかある。 まず一つは思想の方向性が不運だったこと
2016-06-06 12:56:56過去シリーズの主人公の思想なり行動理念は「仲間との絆」であったり、「かっとビング、すなわち自分で一歩さらに進むこと」、「デュエルを楽しむこと」であったのだが、これはすべて自分、あるいは自分の身内だけで完結できるものであった。
2016-06-06 12:58:16これに対し、遊矢は相手も笑顔にする。すなわち思想が自分とは異なる相手にも笑顔であるように仕向ける、シナリオを書く上で非常に難しいテーマを与えられた点が一つ目の不幸。 これが平和な話ならまだしも、次の二つ目の不幸もあってこれがなかなかまかりとおらない
2016-06-06 12:59:37二つ目の不幸は「話が重すぎること」 遊矢の世界ではデュエルで侵略戦争をしたり、人間をカードにするような過去シリーズでもなかなか無いエグいテーマを持ってきている。その切迫感や緊張感は十分にあるものだが、そんな戦争屋さん相手に戦争の道具で笑顔にするのは難しい
2016-06-06 13:01:12かなり極端な言い回しをするが、遊矢がやろうとしていることは銃火器飛び交う戦場で、遊矢自身も銃火器をぶっ放しながら「これは争いの道具じゃ無い、みんなを笑顔にするものだ!」と主張しているようなもので、いかに彼の主張が難しいことか。これが二つ目の不幸
2016-06-06 13:02:27そして三つ目の不幸は「遊矢を叱責するものがいないこと」 遊矢が父親の言うことを盲信し、独り善がりなセリフを吐き散らすことは視聴者はかねてから疑問を持っていたにもかかわらず、その姿勢を疑うもの、叱責するものがほとんどいなかったのが彼の最大の不幸である
2016-06-06 13:03:54放送から一年少し経ち、ようやくジャックという彼を叱責する者が現れたが、一度突き放されて再び彼と戦い、彼の真意を汲み取り遊矢が成長するのがさらに一年後。 つまりこの主人公は放送開始から二年経って、ようやく「ちょびっと」人間として成長をしたのだ
2016-06-06 13:05:20遊矢の周りの人間は、比較的彼の思想に共感的であり、序盤に戦った相手もそこまで戦争屋ではないため、戦って彼の思想に同調していた。そのため彼の根本を咎める者が長い間現れず、長い間解決されなかったことが視聴者の不満を買ったのだ
2016-06-06 13:06:37遊矢自身の思想は非常に立派なことだが、あまりにもそれを成し遂げるには土台も展開もありとあらゆるものが不足し過ぎている。つまり、何が言いたいかというと結局脚本が悪い。 カタルシスを得るためには時間が必要だが、アークファイブはその「旬の時間」を通り越してしまったのだ
2016-06-06 13:08:17もちろん、アークファイブは他のキャラクターが(ネタとしてだけではなく)面白く、良いキャラクターもいるし、過去作のオマージュやデュエル自身も良い。(少なくともゼアルより) アクションカードに関してはまあ頑張って受け入れる必要はあるが、過去のキャラやカードが出て楽しいのは事実
2016-06-06 13:10:03ただ、今のままでは過去の何かにすがった面白さだけになってしまうので、「アークファイブで良かった!」と思えるような面白さを今後の放送で期待したいと思う。 以上、アークファイブがなんで叩かれてるのかでした。
2016-06-06 13:11:05