【横山光輝「三国志」講座95「避客牌」】

横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座95「避客牌」01】 袁紹との戦いが膠着状態に陥ったため、都に引き揚げた曹操は、玄徳が生きているという情報を聞きます。曹操方の間者によれば、玄徳は袁紹に手厚いもてなしを受けているとか。今回は間者の登場が多い回ですが、普段から諜報活動は盛んだったんでしょう。

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【横山光輝「三国志」講座95「避客牌」02】 それを聞いた曹操は、そばにいた張遼に相談します。関羽の耳に、玄徳健在が知れると、約束通り関羽は去っていってしまうでしょう。関羽は、袁紹軍の顔良・文醜を討ったことで手柄は立てたわけですので、引き止める口実がありません。

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【横山光輝「三国志」講座95「避客牌」03】 しかし、曹操はまだ関羽を手元に置いておきたいと考えています。ならば、と張遼は曹操に策を授けます。関羽が暇乞いに来ても会わないようにと。 一方、関羽と、玄徳夫人がいる館です。

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【横山光輝「三国志」講座95「避客牌」04】 玄徳夫人は、未だ夫の消息が不明なため、すでに討死しているのではないかと言い出します。関羽はそんなことはない、きっとどこかで生きていると励まします。なんとかしてあげたい気持ちはありますが、玄徳が見つからぬことにはいかんともしがたい。

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【横山光輝「三国志」講座95「避客牌」05】 そんな関羽に近づく一人の男。何者か、と警戒する関羽に対し、男はこれを後で読んでくれと、手紙を渡します。明日返事を伺いに参ると、ひらりと塀を飛び越えていきます。塀が低いのか、男の身体能力が高いのか。難なく飛び越えていきます。

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【横山光輝「三国志」講座95「避客牌」06】 さて、手紙を見た関羽。それは玄徳からの手紙でした。玄徳の無事を確認した関羽は涙を流します。そしてあたりを見回し、このことを誰にも知られていないことを確認。その日はそのまま何くわぬ顔で過ごしたようです。

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【横山光輝「三国志」講座95「避客牌」07】 翌日、関羽の前に再び現れた男。登場の仕方が、忍びのアレです。男は関羽に返事を聞きます。関羽は返事はできているが、ところでお主は何者だ？と尋ねます。男は袁紹の臣で陳震と名乗ります。陳震は袁紹方の優秀な間者と見えます。

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【横山光輝「三国志」講座95「避客牌」08】 陳震は、一日も早く河北に来るようにという袁紹の言葉を伝えます。関羽は自分一人なら陳震と一緒に行くが、ここには玄徳夫人もいるのでそう簡単には動けないと答えます。ならばいつ？と尋ねる陳震に、曹操に話をつけてから立ち去ると言います。

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【横山光輝「三国志」講座95「避客牌」09】 もし、曹操が許さなかったとしたら、血路を切り開いてでも立ち去る、という関羽の言葉を聞いた陳震は、そのように伝えると言って再び塀を飛び越えて帰ります。別に普通に門から帰ってもよさそうですが、忍びとしての習性なんでしょうね。

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【横山光輝「三国志」講座95「避客牌」10】 関羽は、曹操に会ってくるかと、赤兎馬にまたがって曹操の屋敷を尋ねます。まるまる1ページを費やして威風堂々と移動するシーンに、関羽の固い意志が見て取れます。 ところが、曹操の屋敷の門は閉じられており、「避客牌」がかかっていたのです。

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【横山光輝「三国志」講座95「避客牌」11】 「避客牌」というのは、その屋敷の主がすべての客を断る時、門を閉じてかけておくものです。客は、この避客牌がかかっている時はどんな用事があっても帰っていくのが礼儀とされていました。つまり、公式な引きこもりグッズというわけです。

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【横山光輝「三国志」講座95「避客牌」12】 曹操は、いずれ関羽が自分のもとを立ち去るのを予感し、礼儀正しい関羽に会わない作戦をとったのです。会えば別れを告げられてしまうと。そばに置いておきたいのに会えないという矛盾した状況に曹操は満足していたのでしょうか。

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【横山光輝「三国志」講座95「避客牌」13】 避客牌を見た関羽は引き返さざるを得ませんでした。その後も毎日のように曹操のもとを訪ねますが、門は固く閉ざされ、避客牌はかかったままでした。曹操、ホントに引きこもりに。

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【横山光輝「三国志」講座95「避客牌」14】 とうとう関羽は、曹操に会って別れを告げるのをあきらめたようです。屋敷をくまなく掃除させ、曹操からもらったものをすべて並べさせ返却する準備を行います。その様子を見た玄徳夫人はどうしたことかと尋ねます。

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【横山光輝「三国志」講座95「避客牌」15】 もしや、という玄徳夫人の言葉に、関羽が玄徳の居所がわかりましたと答えます。誰にも気取られぬように今まで伏せていたという関羽の言葉に、オオオと泣く玄徳夫人。玄徳の無事を聞いて安心したのでしょう。それで、いつここを発つのかと言います。

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【横山光輝「三国志」講座95「避客牌」16】 玄徳が生きている以上、玄徳夫人もここにとどまる理由はありません。関羽は、もう一度だけ曹操に会いにいき、もし会えなければ置き手紙をして立ち去りましょうと言います。なるべくなら、礼を失しない形をとりたい関羽の思いが見て取れます。

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【横山光輝「三国志」講座95「避客牌」17】 赤兎馬に乗って曹操の屋敷に行きますが、やはり避客牌は門にかかったまま。関羽は門の前で、曹操に届けとばかり門に向かって挨拶をします。長い間お世話になり申した、と深々と頭を下げ、屋敷を後にします。

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【横山光輝「三国志」講座95「避客牌」18】 関羽は、曹操からの贈り物を一箇所にまとめ、掃除が全て終わったことを確認すると、玄徳夫人を伴って屋敷を出ます。玄徳夫人は、子どもを連れ馬車に乗り込みます。貴婦人用のカーテンがついた馬車です。乗り心地がいいかどうかは、知りません。

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【横山光輝「三国志」講座95「避客牌」19】 玄徳夫人を警護するように関羽は青龍偃月刀を持ち、赤兎馬に乗って闊歩。都の門につきますと、当然のように城兵に止められます。許可無く門は明けられないという兵に対し、ならば力づくでも明けて通るという関羽。

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【横山光輝「三国志」講座95「避客牌」20】 関羽の恐ろしさを知っている兵は、開けい！という一喝ですぐに城門を開けちゃいます。あたりはすでに月夜。明るい時間にいけばよかったのですが、夜明けとともに追っ手がかかるかもしれないと関羽は警戒。夜の討ちに先に進むことを選んだ模様です。

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【横山光輝「三国志」講座95「避客牌」21】 関羽がいなくなったことを聞いた曹操。屋敷を片付け、曹操からもらったものはすべて置いてあり、さらには曹操への礼状も置かれていたとあって、曹操は関羽の去り際の見事さに感心してしまいます。

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【横山光輝「三国志」講座95「避客牌」22】 曹操の部下たちは、関羽を国外に出してはまずい、追っ手を出すべきだと言い出しますが、曹操はならぬ、と一喝。約束を破れば自分が世間の物笑いになると。さらに、関羽は無断で立ち去ったわけではない。自分が避客牌で会わなかっただけだと。

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【横山光輝「三国志」講座95「避客牌」23】 曹操は、会って気持よく立ち去らせてやればよかった、と後悔します。しかし、追えばまだ間に合いそうです。張遼に、路用の金銀と着物を持って自分についてくるように命じます。関羽の旅立ちの餞別を渡そうというのです。

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【横山光輝「三国志」講座95「避客牌」24】 あとあとまで、思いでのよい信義の別れをしたいのだ、という曹操。結果的に、ここで信義を通すことで、後に曹操の命を救うことにつながるのですが…、それはまた先の話になります。

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【横山光輝「三国志」講座95「避客牌」25】 道をゆく関羽一行。それをおーいおーいと追いかけてくる一人の男。追手にしては少し変だと思いつつ、ワナの可能性も考え、関羽だけが残り、他のものを先行させます。誰かと思えば張遼でした。自分を捉えに来たのか？と尋ねる関羽に、いや違うと。