@sanojun21先生のお薦め図書①

若いうちに読んでおきたい基本図書のご紹介。本の読み方(順序など)でも示唆に富んでおります。
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sj @sanojun53

たくさんあるけど、本人の嗜好次第だよねー☆まずは司馬遼太郎『菜の花の沖』の一読をお勧めします☆ RT @ujikenorio: あのぉ~。高校生にお勧めの良書って何か……ありますか??? ジャンルは問いません。

2011-02-08 17:42:02
sj @sanojun53

司馬遼太郎は「エライ人とはどんな人かと問われたら、私は真っ先に高田屋嘉兵衛を挙げます」と語っていた。その高田屋嘉兵衛の一代記。 RT @ujikenorio: RT @sanojun21: たくさんあるけど、本人の嗜好次第だよねー☆まずは司馬遼太郎『菜の花の沖』の一読を

2011-02-08 18:27:43
sj @sanojun53

更に「国際人というのは、こういう人だろう」と。 RT @50yan0k0uji: 東北蝦夷北方開拓 RT @sanojun21: 高田屋嘉兵衛の一代記。 RT @ujikenorio: RT @sanojun21:司馬遼太郎『菜の花の沖』

2011-02-08 19:31:31
sj @sanojun53

高田屋嘉兵衛は函館の町の基礎を作った淡路島出身の商人。ごく当たり前の人が努力次第で北前船の一大商人になったという前半生。歴史の数奇な運命に巻き込まれてロシア帝都まで連れて行かれるという後半生、そして鍛え上げた人間性がいかに国際的に通用するか。学ぶ可きところ多し。『菜の花の沖』

2011-02-08 19:43:22
sj @sanojun53

ちなみに、函館海岸町の名酒屋「竹林酒店」には、`『菜の花の沖』という日本酒があります。

2011-02-08 19:44:18
sj @sanojun53

「青年よ、読書と思索の暇(いとま)を持て」。という明訓がある。決してヒマではないので、念の為(笑)。読書について、少し連投しようかと思ったが、仕事の合間にちょっと呟く程度にしておきます。

2011-02-08 20:25:00
sj @sanojun53

文体という点でも、読むべき名著は多い。たとえば、開高健。この人の文章は、とても真似できない。『輝ける闇』は何度も読み返す愛読書のひとつだが、開高の人間観が一番良く出ている。ここで使われている文体は、エッセイにより濃く出ているのだが、開高健のエッセイを読む前に、まずこちら。

2011-02-08 20:39:47
sj @sanojun53

新田次郎の『火の島』。極限状態におかれた人間の心理を、気象現象を通して、描いていく。噴火が差し迫った島の測候所の人間模様。人間は自然現象と不可分。むしろ、人間は自然に抗いながらも、自然の一部であることから逃れられない。近頃の小説では、こうした視点がなかなか見られない。

2011-02-08 20:45:22
sj @sanojun53

やはり戦争を経験した作家を、まず読むべきだと思う。柳田邦男『空白の天気図』。原爆という極限状態におかれた気象台員の目を通して見た広島。生命の危機をと虚しさを感じながら、それでも、任務を遂行しようとするのが、人間。仕事に対する責任感を強く学んだ。

2011-02-08 20:48:55
sj @sanojun53

大学院の修士時代まで、「文筆修練」と題する読書ノートを付けていた。乱読でもかまわないから読んだら書くこと。自律神経失調症を発症した1989年で私のノートは終わっているがその時点で読書冊数は7500。いまは一万を軽く超えているはず。

2011-02-08 20:53:47
sj @sanojun53

歴史モノで、いわゆる武将関係を読むのは、好き好きだろうが、ぜひ、ご当地に行って、その人物が成した功罪を、民衆の視点から確かめて欲しい。行政に関わる人間に、実際のところ、英雄などいない。行政には常に「切り捨て」がつきまとう。その苦しみを知り、謙虚であろうとした人間を探してほしい。

2011-02-08 21:02:13
sj @sanojun53

日本の歴史関連の本を読む以上、ぜひ見ておいてほしい資料館がふたつある。岩手県田野畑村の民俗資料館と、愛媛県愛南町の一本松資料館だ。このふたつの資料館で学ばすして、明治期以前の歴史モノを読むと、大きな間違いをおかす。本当に学ぶ可き視点は、このニ館の展示にこそある。

2011-02-08 21:07:10
sj @sanojun53

再び、本に戻る。太宰治『津軽』。私にとってはバイブルに等しい。太宰の感じた津軽人の含羞は、私の育った北海道南部の精神文化にも色濃く出ている。自分を見つめなおすとき、私は太宰の『津軽』に立ち戻る。こうした本を一冊、多読の中で見つけてほしい。

2011-02-08 21:14:32
sj @sanojun53

池波正太郎『食卓の情景』。ここには失われた昭和の東京人の、暖かな文化風土が滲み出ている。上質の江戸落語を聞くのと同様、そこに身を浸すだけで、安らぎを感じる。決して、食いしん坊だから薦めるわけではない。あ、それもある(笑)

2011-02-08 21:17:24
sj @sanojun53

鎌田慧『自動車絶望工場』。日本の産業界は、こうした犠牲を払って伸張してきた。いま、ここまでヒドイ事例は、おそらく無いだろうが、労働環境の悪化は、いつかあの悪夢に戻る可能性もある。他山の石として。そして、ルポルタージュの原点として。

2011-02-08 21:20:36
sj @sanojun53

猪瀬直樹『ミカドの肖像』。現在、東京都副知事の猪瀬氏が、こうした極めて政治的に際どい書を著していたと知る人は、いったいどれくらいいるだろう。それはともかく、この列島に住む人達の精神構造の基底にあるナニモノかを、これほど掘り下げた本はなかなかない。

2011-02-08 21:23:17
sj @sanojun53

遠藤周作『イエスの生涯』。イエスという人間(神の子でも良いが)を学ぶということではない。むしろ遠藤のイエス観から、どうしてもこの列島の文化につきまとう、偉大なものをそのままでは理解できず、一旦貶めてしまおうとする矮小さを読み取ってほしい。誤解のないように、私は遠藤の大ファン。

2011-02-08 21:29:00
sj @sanojun53

阿川弘之『南蛮阿房列車』。ユーモアというものは、強い信念と、鍛えられた知性と、発想の柔軟さの根底となる深い人間性があって、はじめて成立するものだというのを学んでほしい。これを読んだあとで、阿川の『米内光政』『山本五十六』『井上成美』を読むべき。逆は絶対にいけない。

2011-02-08 21:33:22
sj @sanojun53

山本周五郎『青べか物語』。じつは、周五郎の精神こそ、いまから一時間ほど前だったかで触れた二つの地方資料館の提示する歴史の視点に、相通じるものだ。民衆史を無視して政治史や軍事史や経済史を学んでも、偏頗な虚像に眩惑されるだけだ。周五郎には、それを打ち破る、民衆の視点がある。

2011-02-08 21:36:48
sj @sanojun53

マーク・トウェイン『自伝』。できれば勝浦吉雄センセイの訳で読んで頂きたい。私のトウェインについての師匠でもある。その訳の風韻から、ユーモアの本質の幾分かがわかると思う。そして、トウェインが決して児童文学者ではなく、硬骨の政治監視者、宗教批判者、人間性の擁護者であることも。

2011-02-08 21:40:59
sj @sanojun53

田中芳樹『銀河英雄伝説』。これを単なるSFと読んではいけない。ここで語られているのは、地球人類が歴史の中で対峙してきた、様々な懸念であり、問題点であり、希望である。ヤン提督のおとぼけ話でもなければ、戦争の陣立てを学ぶものでもない。文体的にも翻訳調を逆手に取った秀逸なもの。

2011-02-08 21:44:03
sj @sanojun53

あ、九時半をまわりましたね。本について語り始めたら数千冊をどんどんあげてしまいますのでキリがありません。ここで今日は一旦終わります。では、ロータス歌会 #lotusutakai に、いざ参戦(笑)

2011-02-08 21:45:10