「短編の森」米田淳一の著者による自著解説。

米田淳一:JAM国際鉄道模型コンベンションDM10自由環状線 @YONEDEN

「短編の森2008-2015」米田淳一著 #BCCKS bccks.jp/bcck/138110/in… なにげにこれの話でもするかー。原稿止まっちゃったし。アイディア詰まると自作解説しちゃうという。でもこれ、すごく自作の中でおすすめなので。私のいろんなのなのが全部詰まってる。

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実はこれでぴったり2万ツイートめだったりする。震災の後でもういやんなってツイッター放置してたからねえ。ごめんよう。といいつつ、うちの作品「短編の森」の話をするよー。今年の1月に発売したの。米田淳一ビギナーにお勧め。いろいろ出してるからどれから読んだらいいかわかんない人向け。

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まず目次。 ４丁目の海戦 エスカレーション・エア ああっ、香椎２尉！ 優しさの推論 Ctrl＋C:2015　権利狂時代 192.168. 織田邪弓隊 信長の身代金　－異説本能寺の変－ 強制力と禁則事項についての考察 16時の鍵 夢二夜 鉄研でいず（番外）

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私としてはプリンセスプラスティックが一番書きたかった話なので、冒頭4作品、「4丁目…」から「優しさの推論」まではその話。女性形女性サイズ戦艦シファの話。4丁目は特にシファが建造された後ＡＩ育てるために学校通ってた頃。戦闘ロボットでもあるシファでもいじめには直接反撃できないって話。

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14歳の心の戦艦シファが、学校の中でいじめられる。学校終わった後には戦艦としてバッツンバッツンに核兵器なみの出力で砲撃訓練すんのに、学校に行くと友達のいじめに憤慨して、そのためにいじめられる。匿名ＳＮＳやられたり、性的ないじめすら受けそうになる。思わぬことで窮地に陥るのね。

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実は時系列で言えば、シファの初めて陥る窮地かもしれない。そしてシファのサポートチーム、整備士たちも手出せないのね。みんなすごく悔しがる。みんなモンペならぬモンスター整備士になって学校行ってやりたいってぐらい。そりゃみんな、シファの実用化に尽力してきて、彼女愛してるからね。

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ただ、どうやっても事態を打開できるのはシファ自身だけなんだよね。14歳の心のシファがいじめをどう解決するか。それが冒頭の「4丁目の海戦」って話。

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次の「エスカレーション・エア」ってのはそのシファが大学に進んでからの話。大学で授業受けるシファと、その恋人鳴門くんが大学サークルおｎ合同夏合宿にみんなで行く話。新淡路から藤沢まで各駅停車の旅をするの。東京や秋葉原にもよって「のぞみ」のさよなら運転も見る。未来の鉄道旅行。

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ごめん少し誤字した。すまぬ。「大学サークルの合同夏合宿」ね。ATOKと相性が私悪いみたい。すまぬ。

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で、その次の「ああっ、香椎２尉！」ってのは、その戦艦シファの双子の妹、姉妹艦ミスフィの彼女・香椎２尉の活躍。いや女性型戦艦と女性で恋人なの。ちょっと危ないかもだけど、未来だから全然普通なのよ。ただ、朝っぱらから刺激強いことするんで、作戦参謀がとがめちゃって口論になる。

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話はそういうシーンの後。連合艦隊の総合指揮システムに妨害が行われる。香椎さんはシステム担当じゃないから、みんなを支援できない。輻輳したシステムの処理をシファとミスフィに応急的に割り当てる作業も手伝えない。香椎さんはそれで無力感を味わうんだけど、そこは彼女なりに解決の方法を探すの。

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「優しさの推論」もシファの整備クルーの話。新年度を迎えたシファの母艦の食堂で繰り広げられる、なくなったプリンを探す判断推理。でもこれ、陸戦のプロの香椎２尉が好物のプリン奪われたんで暴れる寸前なの。香椎さん異能系に近いほど近接戦闘強いからね。それが暴走したら…その惨劇をどう防ぐか。

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「Ctrl+C」はスラップスティックな話。いろんな権利を巡る大騒動。Ctrl+C下とたんに警察著作権保護課に摘発されるんだけど、その警察を使ってるプログラムライセンス踏んだってことで、文科省の特殊部隊が拘束しようとするの。だけどそれを経産省の特殊部隊も来て…。なかなかヒドイ話。

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「１９２．１６８」ってのは、実はスティーブンキングへのオマージュ。「神々のワードプロセッサー」に対して、こっちは「神々のルーター」なのね。ＳＦ的なバックボーンはいつものうちの世界観なのね。結構短いけど、個人的に好きな短編。

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で、「織田邪弓隊」からは歴史短編。この「邪弓隊」は織田信長がまだ有名じゃない頃に出会って育てた狙撃弓の話。いや、あの頃の弓兵ってのは矢を量多く投射して制圧するんで、狙撃はやらないはずなんだけどね、これは至近距離まで接近して狙撃する要人暗殺的な任務の弓兵の話。狩人の技術の応用なの。

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「信長の身代金」は、その邪弓隊の続編。いきなり本能寺になる。でも本能寺の変の「敵は本能寺にあり！」ってのがちょっと違ってるし、なおかつこれ、戦国時代の経済学の話なのね。なんで比叡山が焼かれたかとか、そういうのを戦国の金融経済的に解き明かすの。信玄と信長の違いも金融で語る。

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「強制力と禁則事項…」ってのは、すごくそそらないタイトルだけど、これも歴史物。「売れない作家が幕末黒船以前にタイムスリップしたら予言瓦版発行してバカ売れしてくそワロタ」みたいな話。もちろんそんなの上手くいくわけがない。歴史が変わっちゃって大政奉還なくなっちゃってさあ大変。

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大政奉還しないで幕府と新政府作りたかった連中が攘夷で一致しちゃって統合幕府軍作って４カ国艦隊とガチで戦っちゃう。一旦統合幕府艦隊は負けるけど、日本海の幕府艦隊を待って海堡やお台場が傲然と反撃して江戸を守る。その間に新撰組と薩長の剣士が欧米艦隊に艦上白兵戦を挑む。なかなか胸アツ。

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「16時の鍵」からは現代物短編。16時に鍵を開けることになった役場の職員。開けてもらうことになった女の子。でも開けるのはなぜか機械室。女の子はその市中エーションに「不審に思わないの？」と聞くけど、職員はアンチヒーローな話をまくしたてちゃう。でも、女の子はやっぱりそれで…って話。

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「夢二夜」は大晦日から初夢の後までの「芝浜」トリビュート。地下に作られた「ヒッグス場微弱真空崩壊検出器施設」（長いっ）で観測の仕事してる研究者の初夢の話。このヒッグス場真空崩壊は後でＳＦ的にプリプラにつながるけど、夢ってもんを多面的に書いてる。短いけど密度高く書いてて楽しかった。

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で、締めは「鉄研でいず・6人の出張」。女子だけの鉄研・エビコー鉄道研究部（彼女たちは鉄道研究公団を自称）のみんなが鉄道模型の出張展示運転に行って出会う、いわゆる指摘厨との対決の話。密度高すぎだけどね。鉄建公団ならぬ「鉄研公団」なところが彼女たちのテツ趣味の質が出てるという話。

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わあ、結構誤字ってる…なんだ「市中エーション」って。シチュエーションの誤変換。ATOKはなんか変換感覚がおかしいんだよね。正しい変換するんだろうけど、すごくリズムが狂う。ATOKからの押しつけが強い。少し嫌なんだよね…。

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「短編の森2008-2015」米田淳一著 #BCCKS bccks.jp/bcck/138110/in… の各話解説、ここまで。自著だけどこれは特におすすめできるので、よろしくなり。夜分失礼しました。Amazonだけじゃなくいろんな電子書店で売ってます。Amazon依存は怖い。

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これがその「短編の森」の書影。電子書籍は表紙が5割だと思う。あんまヒドイ表紙だと悪目立ちするもんねえ。なんとかしたいもんである。 pic.twitter.com/NYxWdv9gFM

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