- tasobussharima1
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マロ氏は次に女性に転生したときはどういうスタイルで過ごすんだろうか。やっぱり平安貴族スタイルになるんだろうか。そもそもまだどうして平安貴族なのかは語られてないけど…… #徳パンク
2016-06-14 21:31:02世界が人のものとなった後。この星に、フロンティアと呼べる場所は既に無く。世界にはただ、人とその被造物だけがあった。 その一つとして、一人の少女は作られた。少女は生まれた時から願いを背負っていた。彼女が人であるのか、そうでないのか。そんな区別に意味は無かった。そういう時代だった。
2016-06-14 21:32:12ただ、世界に生まれてきた意味を知る者と知らぬ者が居る。区別はそれだけで十分だった。 人は星を覆い尽くし、星々の世界を目指し、人の定義もまた、際限無く広がるかに見えた。彼女はその先に立つ者として願われた。
2016-06-14 21:36:02生まれてきた意味を知る者……本当にそうだったのだろうか。生まれてきた意味を確認する手段なんかないから思いこんだもん勝ち、与えられた結論を信じることができれはそれはそれで幸せではあるだろうけど #徳パンク
2016-06-14 21:39:44限りない人の欲を、人の愚かさを彼女は見続けてきた。余りに多くの声を聴き続けてきた。それでも、彼女は決して諦めはしなかった。願いを宿したまま、未来を見据え続けた。 何故。 それは、彼女から遠い言葉だ。栄え、地を満たし、果てを目指す。そうあることが、人たることだと信じていた。
2016-06-14 21:40:06マロはもとは女性の体で生まれた。エミリアは少女の体を持つ存在として作られた……。つまりマロエミで百合展開はあり得る(黙れ) #徳パンク
2016-06-14 21:40:43それでも、願いは、呪いへと変わった。人は滅び始めた。彼女は不可能に近い命題に挑み続けるため、限りなく少ない可能性に縋るため、不滅であることを求めるようになった。 いや、ただ不滅であるだけでは意味が無い。人であるまま、不滅でなければ意味が無いのだ。彼女は、人たれと願われたのだから。
2016-06-14 21:44:03人を踏み外し、捻じ曲がった第二位と。端から違う、何もしようとはしない第一位。滅びを急ぐ『専門家』達。 全てを超えねば、彼女の願いには届かない。彼女に賭けられた願いは叶わない。 それでも。それでも、彼女は立ち止まりはしない。立ち止まれはしない。それが、人たることなのだから。
2016-06-14 21:48:05------- 片や、生の中で願いに至った者。片や、願いから生まれた者。同じ願いを抱くのだとしても、その違いは、僅かでありながら決定的だった。 まして、異なる世界を望むのであれば。埋めようのない溝がその間には存在する。 「……考えは、変わったか」
2016-06-14 21:52:04第二位は得度兵器側かな?第一位は傍観か。「滅びを急ぐ『専門家』達」ってひとまとめにされてるけど、これが徳技術の専門家たちのことを指してるなら滅びを急いでるのは一人だけだぞ! #徳パンク
2016-06-14 21:52:10『マロ』は再び、船団の玉座の前へと引き出されていた。御簾の内側からは、変わらぬ少女の声がする。 『マロ』は考える。もうそろそろ、相手の忍耐の底が見えてくる頃だ、と。一度の謁見で考えが変わるとは相手も思うまい。だが、相手の考える『期限』を推し量ることはできる。
2016-06-14 21:56:04まぁあまりにも方向性が違うというか、マロ氏に具体的に人類全体をどうこうしようという意志はあんまりないよね……集落レベルならともかく #徳パンク
2016-06-14 21:56:36既に、数週間が経過していた。拘束生活では、自分の時間感覚こそが生命線だ。それが保てているうちは、何とでもなる。『マロ』の長い生のうちで、この手の経験は幾らでもあった。 そして……交渉のための『材料』もまた、形となっていた。『マロ』は己の懐に手を入れる。
2016-06-14 22:00:17