とある男のプロポーズの顛末
私には付き合って3年以上になる彼女がいる。私と彼女は来月から同棲することになっている。また、彼女の誕生日は2月上旬である。つまり、どう考えてもプロポーズが期待されるタイミングだったわけであったのだった。
2011-02-08 23:17:54ここで、私と彼女に関するルールを一つ紹介する。私と彼女は、お互いの誕生日は「まる一日のデートをプロデュースする」という暗黙の決まりがある。付き合い出して初めての彼女の誕生日のとき、私がやり始めたのがきっかけだった。
2011-02-08 23:21:39ちなみにそのときは、昼から東京タワー→街歩き→日の出桟橋から水上バスでお台場(この最中にジャストで日没時間がくるよう計算)→夜景を見ながらディナー、というコース。彼女の携帯の待ち受けが機種変を経た今でもそのときの写真(夕焼けを背にしたレインボーブリッジ)なのは小さな誇りである。
2011-02-08 23:27:07今年は彼女の「おしゃれな街を歩きたい」という要望から候補地検索。まず昼は代官山に決定。google先生とぐるなび副担任のおかげでパンケーキの美味しいお店を発見。電話して予約。このときクーポンでバースデー名入りデコをしてもらつサービスを要請することを忘れない。
2011-02-08 23:30:56ランチはいいが、ディナーはどうするか。以前酔った時に「プロポーズは絶対ロマンチックにしてやる!!」とか豪語してしまったせいで、今更さりげなく告げることはできない。それなりのシチュエーションが必要だった。
2011-02-08 23:35:14ベタな展開で行こうと思っていた。星を眺めながら「取ってやるよ」→婚約指輪のパターン。しかし前日の時点で指輪は無い。焦って変なのを買っても銭失いだ。では、指輪なしでどうやってプロポーズしようというのか。
2011-02-08 23:36:59ちなみに、私と彼女は貧乏カップルである。互いに非正規雇用なので。同棲に向けてお金は使わずにおきたかったし、何より私がお金をかけてプロポーズして「嬉しいけど、これにかかったお金で洗濯機買えたよね」みたいに思われたくはなかった。
2011-02-08 23:39:46次に思い出したのは花束である。100本のバラ!とまではいかなくても、誕生日だし歳の数だけ束ねる真実の愛というのもオツだろうと思った。実際、バラの花束宅配サービスを調べたりもしていたので、ほぼその作戦でいく予定だった。
2011-02-08 23:55:01筋書きはこうだ。代官山を散策した後、夕食は家に帰って手作りにする。ささやかなもてなしにややガッカリした彼女の耳にインターホンが聞こえる。対応して戻ってきた私の手にはバラの花束が! 私はメッセージカードの言葉を読み上げプロポーズし、花束を差し出す。OKだったら受け取ってもらう。
2011-02-09 00:01:50しかし、計画は容易く頓挫。翌日に届くのは前日正午までに発注したものまで、との但し書きを見落としていたためであった。バラの宅配業者は数あるが、胡散臭いところも多い。口コミやレビューの調査により信頼できる店で、今から間に合うサービス提供は皆無だった。
2011-02-09 00:05:54花束作戦が頓挫したので、デートコースは夕食から再考。いつものパターンで夜景の綺麗なところを探すが、都庁に台場に丸ビルにサンシャインにと、既に行ったところばかり。残っていたのが、展望台の値段の高さから敬遠していた六本木ヒルズだったのであった。
2011-02-09 00:09:19ここで、以前友人から「六本木ヒルズ最上階でプロポーズしてるカップル見た!」という話を聞いたことを思い出し、その二の舞を踏んでやろうと思った。では、プレゼントは?花束か?駄目元でGoogle先生にお伺いを立てる。「六本木ヒルズ 花屋」
2011-02-09 00:12:05あった。しかも施設内に!店のホームページを見ると、花束のサンプル写真が種々あった。その中に、大きなハートを発見。バラの花びらをハートマークにあしらったプリザーブドフラワー(保存処理した花)のリースだった。
2011-02-09 00:15:40花束の弱点に、思い出の品にならないという点があった。プリザーブドフラワーならそれを克服できる。花束の素敵さもいいが、24センチ四方の大きなハートを渡されるのもインパクトがあるだろう。電話したら取り置きしてくれるという。当日の17時に取りに行く旨を伝え、逆算して予定を立てた。
2011-02-09 00:18:36エターナルプリザーブドフラワー! 思い出は永遠に残る! 永遠に誰もが君の美しさを、かわいさを、哀しさをポップコーン片手に眺めることが出来る! 相手は死ぬ!
2011-02-09 00:21:23当日朝、待ち合わせの1時間前に、彼女の最寄り駅の隣駅のloftに寄る。開店直後に黒コートの男がファンシーなメッセージカードコーナーにいるとか特異。
2011-02-09 01:01:31メッセージカードだけでなく、紙袋も買う。贈答用だとは伝えたが、紙袋がついてない事態も考えたからである。足早にloftを後にし、駅地下のサンマルクカフェで、前日深夜に考えたメッセージをカードへ書き写す。
2011-02-09 01:07:07