【一次創作ログ】墓守とショタ嫁【BL】

陰気な墓守の男のもとに鳥人の少年が嫁入りしてきてなんやかんや。ゆるふわ会話文BLのツイッターログ。 随時更新。(最終更新:2017.6.8)
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佐藤91号🍡 @sato91_gone

「……」 「照れているのか?」 「違う!」 「だって首がまっかだ、あつい?」 「……俺は悪くない」 「うん?」 「こんな風に離れがたいと思ってしまったり、体温が上がったりするのは、全部お前のせいだから、俺は悪くない」 「……」 「……何だ、お前も真っ赤じゃないか」 「だっ、て」

2016-06-25 01:33:46
佐藤91号🍡 @sato91_gone

貴方は墓守とショタ嫁で『これだから酔っ払いは!』をお題にして140文字SSを書いてください。 shindanmaker.com/587150

2016-06-27 01:32:03
佐藤91号🍡 @sato91_gone

「これだから酔っぱらいは!」 「……」 「身体にわるいしおふとんで寝てほしい、おれではお前を運べない」 「……」 「だからおれはしかたなく身体であたためるんだぞ、合法だぞ」 「……」 「よく寝ている」 「……」 「おれはこんなに心臓がはたらくのに、お前は安らかで何だかずるい……」

2016-06-27 01:48:06

その4 墓守と雨の日のほんとうの巻

佐藤91号🍡 @sato91_gone

「あめがふると足の古傷がうずくな」 「家に帰ってればいいだろ」 「せっかく相合傘をしているんだし、おまえが帰る時間までここにいるぞ」 「……じゃあせめてもう少しこっちに寄れ、羽根が雨水吸ってる」 「心配してくれるのか」 「してない、帰った時床が水浸しになるのが嫌なんだ」 「ふふ」

2016-06-28 01:21:39
佐藤91号🍡 @sato91_gone

「おまえとはじめてあった日も、こんなふうにたくさんあめがふっていたな」 「……」 「おれはとってもこわかった。どしゃぶりのせいで血がとまらず身体が冷たくかたくなっていくのに、罠にはさまれたみぎあしだけは燃えるようにあつくて、必死に兄さんたちを呼んだのにいなづまが邪魔をして」

2016-06-28 01:34:59
佐藤91号🍡 @sato91_gone

「やがておれの声もかれたころには辺りはまっくらで、さむくて、あつくて、かなしくて、こころぼそくて、おれはここで死ぬんだ、とおもっていた」 「……」 「そんな夜にあらわれたおまえのランタンの光が、小屋に連れ帰って手当してくれた優しい手が、どれほどおれの心臓をうばうのに充分だったか」

2016-06-28 01:48:28
佐藤91号🍡 @sato91_gone

「うん、ちょっと言葉では表現しきれないな!今日も好きだぞ!」 「……そうかよ」 「今日も好きだから、仕事場にカサを届けるけなげなつがいをえんしゅつしつつ、自分のカサはわざと忘れてきて、相合傘をしているというわけだ」 「計画的犯行だと」 「おまえは優しいからいれてくれると思った!」

2016-06-28 02:02:33
佐藤91号🍡 @sato91_gone

「そんな下らないことの為に外に出てくるな」 「相合傘はくだらなくないぞ?」 「下らない。雨の日は痛みで利き足を引き摺ってろくに飛べもしない癖に一人で出歩きやがって、野犬にでも襲われたらどうする気なんだ……二度とするな」 「んん」 「何故擦り寄る」 「おまえはやっぱり優しいな、と」

2016-06-28 02:28:37
佐藤91号🍡 @sato91_gone

「……(俺は優しくなどない)」 「……(今までこれ以外の誰にも言われたことは無いし)」 「……(これからも言われる必要が無い)」 「……(優しく、など)」 「……(第一)」 「……(第一、俺、は、あの日)」 「お前の人を見る目は腐っている……」 「ええー、はじめて言われたぞ」

2016-06-28 02:39:04
佐藤91号🍡 @sato91_gone

「(第一、俺はあの日、仕事のついでに様子を見に行っただけなのだ。このこどもが未だに憎み恐れているもの、俺を慕うきっかけ、そしてこの小さな足から自由を奪った凶器の様子を、 俺は)」 「(あの罠を仕掛けたのは、他でもない、俺、なのに)」

2016-06-28 02:52:19

その5 嫁ちゃんと止められない愛の巻

佐藤91号🍡 @sato91_gone

「ぐぐぐ」 「……」 「んぐぐ」 「……さっきから腰のあたりがくすぐったいんだが何してるんだ。今俺は火を使ってるんだが」 「お前を羽根でだきよせて、つつみこんで、愛をささやこうとしている!このおもいは焼き鳥になってもとめられない」 「まず身長が足りてないと突っ込んでもいいか」

2016-07-03 16:57:49
佐藤91号🍡 @sato91_gone

「ふふふ、だーれだ」 「おい、目を塞ぐんじゃない手元が狂う!本当に焼き鳥にしてやろうか!」 「ん、ごめんなさい。いすに乗ったら同じくらいの身長になれたことが嬉しくてつい調子に乗ってしまったぞ、よいしょ」 「……」 「料理がおわったら愛をささやくから、それまでいいこでまってるぞ」

2016-07-03 17:18:01

その6 嫁ちゃんとその生態まるにの巻

佐藤91号🍡 @sato91_gone

ところでショタ嫁ちゃんの一族は卵で産まれるけど母乳で育つカモノハシ方式なので ここまで言えばきっと私が言いたいことをみんな理解してくれると思う

2016-07-18 00:55:01
佐藤91号🍡 @sato91_gone

鳥に近かった大昔は単純に卵生だったのだけれど、人間との混血がすすみ嘴が衰え無くなったり歯が生えたり、人間に近くなったことで母体から分泌されはじめた乳を摂取させる方法で雛を育てるようになっていったとか 冬は餌が少なくて雛を優先した親が飢えがちだけどこれならフォローもしやすいみたいな

2016-07-18 01:03:52
佐藤91号🍡 @sato91_gone

あと攫って来て嫁にした人間の女性たちがいつも雛に母乳を与えようとしてて、それを見て学んでいたのもあるだろうか 嘴があった頃は危ないからやめさせてたけど、それが無くなったからちょっとあげてみるか……みたいな そして鳥人たちも母体から乳が分泌される身体へ…………(鳥人は雄しかいない)

2016-07-18 01:11:15
佐藤91号🍡 @sato91_gone

「おれたちはオスしか生まれないけど、あいがあればたまごはできるって父さんも言ってたから安心してほしい」 「その話まだ諦めてなかったのか」 「つがいの片方が『メス』になってたまごを産むんだって、ちなみにおれの母さんは人間のオスだ 」 「…………」 「なんでそこで顔が青くなるんだ?」

2016-07-18 01:27:35
佐藤91号🍡 @sato91_gone

「人間の男も卵を産める身体にされる……?ということは俺が産まされる側に無理矢理されるということもありえ……?」 「口にでてるぞ?」 「ッ」 「そんなことはしないぞ、おれはお前にこれ以上痛いおもいをさせたくないからな!」 「……それ、は」 「ん? なに?」 「……何でもない」

2016-07-18 02:50:32
佐藤91号🍡 @sato91_gone

「それは俺も同じだ」と口から出かけて止めた

2016-07-18 02:51:22

その7 墓守と知らない名前の巻

佐藤91号🍡 @sato91_gone

「ただいまー実家で肉をたくさんもらってきたぞ、婿殿となかよく食べてと母さんが」 「まだそんな呼ばれ方をしているのか俺は」 「おれたちはいつでもなかよしだと答えておいたぞ」 「俺が突っ込みたいのはそこじゃない……それにしても生肉はこの季節腐敗が怖いな、燻すか」 「けむいやつだな!」

2016-07-21 23:57:05
佐藤91号🍡 @sato91_gone

「……なあ」 「血抜きの作業は出来たのか?なら、そのまま一晩寝かせるからもう今日は終わりだぞ」 「それは終わったけどちがう」 「じゃあ何だ」 「おれも好きなあいてに名前で呼ばれてみたい」 「は」 「実家にかえって、父さんと母さんは名前で呼びあってるのをみて、らぶらぶでいいなって」

2016-07-22 00:13:36
佐藤91号🍡 @sato91_gone

「『おい』とか『お前』とかじゃなくて、いや呼んでくれるならなんだってうれしいけど、たまには、たまにはお前の声で名前を呼ばれてみたい」 「おい、抱きつくのをやめ」 「だめか?だめなのか?」 「う」 「だめ?」 「あの、な」 「うん」 「そもそも俺は、お前の名前を知らない」 「あ」

2016-07-22 00:20:39
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