空想の街・氷涼祭・2016　期間外

𝚏/療養中 @nowhere72

私は案内人が大好き！だって、迷ってるひとを、閉じてない街や国に導けるお仕事だから。 私は街がすき。こうやって色んなひとを受け入れて、変わっていくのがきれいだから！ 「私はガイド、この街の案内人！」 #ホップ #空想の街

𝚏/療養中 @nowhere72

さあ両手を広げて夜空にとびこむの！私は何も怖くない、私を信じてる！ 「空想の街に、かんぱーい！」 ひゅるる、落下する私の耳で空気が風になる。私はひとり、きらめく街へ、おちてゆくのでした。はっぴーさんきゅーあいらーびゅ、空想の街！ 「また、いつか！」 #ホップ #空想の街

なさわご @nasawago

#空想の街 景色が揺らいだ。あぁ、タイムリミットか…早かったな。娘は更なる諦めが訪れることを知り、呆然とした。しばし、この世界とお別れしなくてはならない。次に会えるのはいつだろうか。一筋の滴が眼から零れた。さすがに堪えられなかった。目の前で、街がだんだんと消えていく。#後れ少女

なさわご @nasawago

#空想の街 「わかったよ…諦めるよ…。もう行くよ…」うなだれて絞り出した声は誰に向けていたのか。でもこの街に来ることは諦めない。何日後、何カ月後、たとえ何年経ったとしても忘れない。だってもう決めてしまったのだから。この街に来る、という目標を。天木さんの話を聞いた時から。#後れ少女

なさわご @nasawago

#空想の街 「ばいばい」ふっと目を閉じた。街ではなくて、娘の存在が消えていく。透けるように、散るように。まるでそこには誰もいなかったかのように。街の明かりも大体が消え、辺りは静まっていた。三日間の夢はそれぞれの胸に。そして今、夢がゆっくりと幕を閉じた。【了】#後れ少女

はなまめ @gp_c_

……おやお前さんこんな遅くに、邦へ帰るの。ちゃんと今年も会えた？……そ、そらよかった。遠いの？あらそんなに…道中風邪引かないでね、あ、切り火してあげよう。後ろ向きなぃ……はい。#空想の街 #オトトイ食堂 そんじゃ、いってらっしゃい。またおいで、ご飯炊いて待ってるよぉ。

れんれん★うちよそ垢 @auoioua

「本当に一緒に行くんですか？」「うん♪」「仕事の時はどうするんですか？」「先に他の街に行ってもらって、仕事が終わったら合流したいなって思ってる♪」「これから相談するんですよね？」「うん♪だって私とジロちゃんの婚前旅行(ハニームーン)だもん♪」 #空想の街 #アティア

れんれん★うちよそ垢 @auoioua

今なら足払いしても気付かないくらい浮かれた師匠の隣で、助手は今までで一番深いため息をついた。 #空想の街 #アティア 氷涼祭の翌朝、時計塔の前である。昨晩から数えて五回目のやりとりなのだが、それでも喋り足りないのかまた師匠が口を開いた。

れんれん★うちよそ垢 @auoioua

「ジロちゃんから『連れてって』なんて言われたらゲレンデだろうが甲子園だろうがどこへだって連れてっちゃうよ♪」 #空想の街 #アティア 笑顔のことを時に『破顔』と呼ぶが、今の師匠はまさにそれだ。助手は、師匠の顔の皮は厚いと思っていただけに、簡単に破ってしまった待ち人が羨ましかった。

れんれん★うちよそ垢 @auoioua

「あまりご迷惑かけないようにしてくださいね」「エヘ、分かってるよー♪」本当に大丈夫だろうか。出立の付き添いと言いつつ、本当は待ち人が来た時に自分から念を押すのが目的なのだから、今だけは安心していいだろう。今だけは。 #空想の街 #アティア 「お帰りもご一緒で？」「……うーん」

れんれん★うちよそ垢 @auoioua

おや。と助手は師匠を見た。先ほどまで饒舌だった師匠は、何かを考えるように顎を掻いている。「そろそろ考える時期だと思うんだよね」「ジロさんとの結婚をですか？」「……」「師匠。師匠。本気にしないでください」 #空想の街 #アティア 腕を組み始めた師匠の、服の袖を掴んで揺する助手。

れんれん★うちよそ垢 @auoioua

「ごめんごめん。助手くんが乗ってくれるとは思わなくて」「師匠がハニームーンだなんだのと浮かれてるから悪いんですよ」「ふふふ」師匠は助手の、ムスッと膨らんだ頬をつついた。 #空想の街 #アティア 「冗談はさておき。そろそろこれからのことを考える時期かなと思ってさ」

れんれん★うちよそ垢 @auoioua

「師匠の『これから』ですか」「うん。そして助手くんの『これから』でもある」 #空想の街 #アティア 「遅かれ早かれ、キミは私の元から巣立つだろう。それからの私は何をするのか。巣立ったキミは、それからどうするのか。どうしたいのか……私はこの旅の中で、少し考えたくなったのだよ」

れんれん★うちよそ垢 @auoioua

「しばらく帰ってこないんですか？」「んー……考えるのに飽きて帰ってくるかも？」「どっちなんですか」「まぁまぁ。未来というのは、それくらい曖昧なものだということだよ」ふふ、と笑う師匠を、助手はじっと見つめた。 #空想の街 #アティア 「今のところ、師匠はどのようにお考えで？」

れんれん★うちよそ垢 @auoioua

「……」師匠は時計塔から街並みを眺めたが、助手の目には、師匠が高い場所から街全体を眺めているように見えた。「私は、私のふるさと( #空想の街 )と、キミがくれた家( #アティア )で暮らしたいと思っている。できれば死ぬまで、この街と、この街の人々と、愛する人の隣で」

れんれん★うちよそ垢 @auoioua

「キミが巣立った後、せっかく開いたお店を畳むのはしのびないし。キミのようにどんなものでも地図にはできないけど、なんとかやってみたいと思うんだ」書類とか伝票とか家計簿とか、そういうのは苦手だけど。と笑う師匠が眩しいのは、澄んだ朝日のせいだろうか。 #空想の街 #アティア

れんれん★うちよそ垢 @auoioua

「私は――」どうしたらいいでしょうか。と言いかけた助手に、師匠な人差し指を突き出した。「焦るな焦るな。キミはじっくり考えたまえ。キミの『いままで』と、旅の経験は、それを考えるためにあるのだから」 #空想の街 #アティア これからのこと。今の自分は、これからどうしたいのか。

れんれん★うちよそ垢 @auoioua

マッパーとして生きるのか。別の道を選ぶのか。今はまだ分からない。師匠の「じっくり考えたまえ」という言葉が、助手の肩に重くのしかかる。惜別の時など、来なければいいのに。 #空想の街 #アティア 「……すみません。私はこれからも、師匠と一緒にいるんじゃないかと思っていました」

れんれん★うちよそ垢 @auoioua

「師匠の代わりにお店を切り盛りしたり、お客さんの依頼で地図を作ったり。そんな毎日がずっと続くって……でもそれって、自分の『これから』を考えることから逃げているんじゃ、ないかと、その、えっと、」俯いて、うまく言葉が出ない助手の頭に、師匠の手がポンと乗った。 #空想の街 #アティア

れんれん★うちよそ垢 @auoioua

「目の前のことに一生懸命取り組む助手くんを『逃げてる』なんて思わないよ。あとは想定外のことが起こっても慌てない、心の余裕があればね」師匠に言われ、助手の頭の中を赤い帽子が過ぎる。「そう、ですね……」 #空想の街 #アティア

れんれん★うちよそ垢 @auoioua

しばらく頭を撫で撫でされていた助手が、「あ」という顔で師匠を見た。「どうかした？」「あの、私が巣立つということは、師匠は一人で暮らすことになるんですよね？」「そうなるね？」「じゃあ、誰が師匠のご飯を作るんですか？」「……」 #空想の街 #アティア

れんれん★うちよそ垢 @auoioua

「調味料の場所覚えられますか？砂糖と塩の違いは分かりますか？」「うん。料理に関してキミが私をどう思っていたかは分かったよ」 #空想の街 #アティア 「キミが巣立つ頃には、私だって包丁の一本や二本ぐらい持てるようになってるよ！」「包丁は特別なことがない限り一本です」

れんれん★うちよそ垢 @auoioua

「お、お手伝いさん雇うとか」「お給料払えません」「お惣菜を買うとか」「手作りより安くつくのは場合によります」「突撃となりの晩ご飯！？」「近所迷惑です」 #空想の街 #アティア あれこれアイデアを出すも、助手からことごとくダメ出しされた師匠はついに＿|￣|○ ←こんな体勢に

れんれん★うちよそ垢 @auoioua

「もうジロちゃんと結婚する以外に道はないのか……」「消去法で選んだみたいな言い方やめてください。あ、せっかく一緒に旅に出るんですから、ジロさんから料理を習えばいいんじゃないですか？」「ハニームーン 兼 花嫁修業ですね分かります」「その話から離れましょうよ」 #空想の街 #アティア

れんれん★うちよそ垢 @auoioua

「よし！今回の旅で花嫁修業するぞ！ジロちゃんと！」「その言い方だとジロさんもお嫁に行く感じが」「ジロちゃんは師匠の嫁(｀・ω・´)ｷﾘｯ」「(∵)ﾀﾞﾏﾚ」「助手くん！？Σ(ﾟдﾟ；)」 #空想の街 #アティア 助手の顔が無我の境地を体現した辺りで待ち人は現れるだろうか。