【Lancer】Beginning of Rebellion -前編-

これは仮面ランサーがシンキというハンターだった頃の記録。覚醒への道程、運命を変えたその事象をしかと見届けよ。
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仮面ランサー @MaskedLancer

「手短に頼む」  シンキは尚も敵への注意を怠らなかったが、多少は相棒の話に耳を傾ける余裕が生まれていた。それに今更になって唐突にペア狩りに誘うという事は最初からその話をするのが目的だったのだろう。-49

2016-07-04 23:50:05
仮面ランサー @MaskedLancer

「知ってるか? ギルド軍は『兵器』を作っている」 「『兵器』?」  そのワードから真っ先に思い浮かべたのはギルド軍装甲部隊の運用する撃龍船のようなものだった。-50

2016-07-04 23:51:02
仮面ランサー @MaskedLancer

バリスタに大砲、そして撃龍槍といった武装を備え砂海を航行する船であり、砂漠の宴とも言われるジエン・モーランの撃退及び討伐等に用途が限られるが非常に強力な戦力である。-51

2016-07-04 23:52:06
仮面ランサー @MaskedLancer

「そうだ。どこからもたらされた技術かは分からないけど強大な火力を持った装甲車で、ハンターに取って代わるギルド軍の主力になるって話だ。そいつが量産されて普及されればギルド軍以外のハンターはお役御免になるかもしれない」-52

2016-07-04 23:53:03
仮面ランサー @MaskedLancer

なるほど、ヘリックらしい懸念だ。他人に関わる事に敏感というべきか、とにかく自分以外の人間の事をやたらと心配するのだ。だが、俺にはそこまで心を動かすほどの関心は得られなかった。 「そうか」-53

2016-07-04 23:54:06
仮面ランサー @MaskedLancer

「……シンキは何とも思わないのか? もしギルド軍の権力がこれ以上高まることになれば次の世代を担うハンター達が路頭に迷うことになりかねない。そしたら今の現役ハンターが引退する頃にはモンスターに対抗できなくなっていって最悪人類が滅亡する可能性だってあるんだぞ?」-54

2016-07-04 23:55:06
仮面ランサー @MaskedLancer

「さあな。さすがにギルド軍だってそこまでバカじゃないだろう」  そこで跳びかかってるベリオロスの一薙ぎをシンキは油断なく防ぐ。スパイクを失ったことで姿勢を崩した敵の頭部をヘリックの大剣の一撃が捉えた。-55

2016-07-04 23:56:04
仮面ランサー @MaskedLancer

「それにそんな兵器だけで全てのモンスターに敵うとは到底思えないし生身のハンターが不要になる事はないんじゃないか?」  断末魔を上げた後沈黙するベリオロスの姿を横目に見て、確信に近い自信を持ってヘリックに言い放つ。-56

2016-07-04 23:57:07
仮面ランサー @MaskedLancer

「なるほどなぁ。単なる俺の杞憂に過ぎなかったか……」  ヘリックは震えた声で呟く。気付けばちょうどホットドリンクの効果が切れる頃合だった。 「さて、凍える前にさっさと帰ろうぜ」 「……ああ、そうだな」-57

2016-07-04 23:58:04
仮面ランサー @MaskedLancer

普段気さくに振る舞っているように見えても内心では色んな事に頭を悩ませ、不安を抱えている。それでもどうすれば多くの人を幸せにして楽しく過ごせるかを考えて実行に移す。それを知ってるからこそシンキはヘリックを信頼できるのであった。-58

2016-07-04 23:59:02