らばそー

はち公。 @funkastic_8er

26 「うん。それが人間のルール。 こうして、手を合わせて･･･ 食べられる事に感謝しながら」 そう言い手を合わせる 彼女の真似をして 「いただきます」 『･･･いただきます』 同じ風にすると 彼女は満足そうに笑って 「さ、食べようw」 って #らばそー

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27 それから食べ始めたハンバーグは だいぶ前になんかで食べたのより ちょっと固かったけどうまくて 『んまい！！』 「やったねw」 『もいっこ！食べたい！』 「はいはいw」 もうひとつ 皿の上へ ワクワクしながら また食べようとしたら #らばそー

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28 「ユウってば･･･ソースついてるw」 『へ？ん？』 慌てて口元を拭うんだけど 「違う違う･･･ここw」 すっと伸びた 彼女の白い手が それを拭った ･･･瞬間、ドキッとして 『ん？』 なんやこれ？ 「？どうしたの？」 『や、何でもない』 #らばそー

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29 なんか胸がチクチクしたけど それは無視して残りを食べた 『ふわぁ･･･腹いっぱい』 いっぱい過ぎて なんか･･･ 『う･･･』 急に眠くなる 「ユウ？眠いの？」 『ん･･･腹いっぱいで よぉ考えたら今日ずっと アンタ監視してて･･･疲れた』 #らばそー

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30 すると彼女は俺の手をとって 「しょうがないなぁ･･･」 寝室のベッドへ 「ここ、使っていいよ」 『ん･･･アンタは？』 「私はもうしばらく 起きてるから･･･」 『う･･･でも』 起きてなきゃって思うのに ふわっとかけられた 布団が気持ちよくて #らばそー

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31 『逃げても･･･ムダやで？』 なんとか手を掴む ･･･のだけど 俺は力尽きて夢の中 そんな俺の寝顔を見つめ 「･･･逃げないよ」 彼女は優しく笑うと そっと俺の手を 布団の中にしまって 「おやすみなさい･･･ユウ」 って呟いた #らばそー

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32 人間の前で寝るなんて こんな事初めてで ･･･だけどなんでやろう 旨いもの食べたからかな？ 布団が柔らかかったからかな？ その夜俺は ひどく温かい 眠りについた #らばそー pic.twitter.com/eeByowzfBo

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33 ────2日目 『ん･･･』 目を覚ますと彼女はいなくて 『あ･･･』 咄嗟に逃げたと思った まぁでも それが普通やろ だって 悪魔が寝てる家に おりたくないわな 『めんどくさ･･･』 探すの体力いるんやけどなぁ･･･ #らばそー

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34 そう思いつつ 寝室を出ると 「あ、おはよう！」 いつものように 出社の用意をしている彼女がいた 「起こしちゃったかな ･･･ごめんね？」 『え、それは全然大丈夫です』 ん？ 俺、なんで敬語？ なんかほんま 調子狂うなぁ･･･ #らばそー

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35 「あ、そうだ 私今日帰るの遅くなると思うから お腹空いたらこれ食べてて？」 そこには･･･お弁当ってやつ 『これ･･･俺に？』 「うん！あ、あと ほんと逃げないから 疲れたらここで休んでていいよ？」 『･･･はい っつーか、遅くなるってなんで？』 #らばそー

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36 いよいよ豪遊！？ と思いきや やはり彼女は真面目で 「ううん。 ほら、急に死んだら 迷惑かけるでしょ？ だから会社の書類とか色々 整理してくるー。」 『･･･はぁ？』 「ん？」 『そんなんどーでもええやん？』 呆れる俺の胸に 彼女は指を指して #らばそー

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37 「立つ鳥跡を濁さず。 終わり良ければすべて良し。 それが私のモットーなの！ 貫かせていただきます！」 は？ どっちも意味わからん 「じゃ、行ってくるねー！」 『え、あ･･･俺も行く』 「やだ。せっかく朝ごはん 用意したから食べてからおいで？」 #らばそー

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38 そう言うと彼女は 昨日同様俺に手を振って 笑って出かけていった 『はぁ･･･』 もう、参るわ そう思いつつ テーブルの上のうまそうな 食べ物に視線を落とすと ･･･ぐぅ お腹が鳴って （ん？俺ってこんな お腹鳴るんか？） ちょっと新鮮 #らばそー

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39 鼻で笑いつつ 椅子に座って それを食べようとした瞬間 【いただきますって言わなきゃ】 彼女の声が頭をかすめて 『ふん･･･』 呟きつつ 昨日みたいに ゆっくり手を合わせて 『いただきます』 って #らばそー

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40 それはなんか 甘くて、ふわふわの 彼女みたいなパン 『これ、なんて名前かなぁ･･･』 食べつつ思う 『あとでアイツに聞いてみよ』 そのシーンを想像すると なんか･･･ ワクワクした #らばそー pic.twitter.com/Wf34Tg5VOE

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41 食べ終えて それから 彼女の会社へ 宣言どおり仕事の合間に 片付けをしてる どうしたの？と聞かれれば 「あ、気分転換にw」 と笑って誤魔化した （ほんまに･･･何考えてんのやろ） 遠くから見つめつつ 不思議に思う ･･･とそこへ ひとりの男が #らばそー

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42 《何してんの？》 「あ･･･丸山さん･･･ ちょうど良かった･･･ 今、話できます？」 《え、あ･･･うん》 そんなやりとりのあと 2人は会社の屋上へ （･･･ん？なんやなんや？） 慌てて俺は姿を消して 2人に近づいた #らばそー

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43 2人は向き合って･･･ しばらくの沈黙の後 「こないだの･･･お返事なんですが」 彼女から切り出した 「私は･･･やっぱり丸山さんとは お付き合いできません」 （ん！？） 《そんな･･･もっとゆっくり考えてや･･･俺にチャンスちょーだいよ･･･》 #らばそー

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44 「･･･こーゆうことは 直感を信じるタイプなんです。 私、丸山さんを尊敬してるけど 恋人になりたいとは思わない･･･」 （おお･･･！！） はっきりした物言いに興奮していると 《そんな･･･冷たい事言わんで･･･》 そいつはいきなり 彼女を抱きしめた #らばそー

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45 それを見た瞬間 ･･･ズキン って 今まで聞いたことのない音を 心臓がたてた 「･･･やめてください ほんとに･･･ごめんなさい」 彼女が そいつを押し離してなかったら ･･･俺、何かしてたかも 《でも･･･》 そいつがまだ 何か言いかけた時 #らばそー

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46 ［丸山さん！電話です！］ 別の女の人の声がして 《あ･･･うん、今行く･･･》 渋々そいつはまた 建物のなかへ ［ちょっと貴方も･･･ 勤務時間中でしょ？戻りなさい？］ 「あ、はい、すみません」 彼女が頭を下げると その女も消えていった #らばそー

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47 だかど彼女は 少しぼんやりとしてて （？） 話しかけようとした時 「ユウ･･･いるの？」 向こうから声をかけてきた 『･･･おるよ なんでわかったん？』 「うーん？なんとなく？」 『へぇw』 返事しながら 姿を現すと 彼女はまたニコッと笑った #らばそー

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48 「こっそり見てたの？やらしーなぁ」 『しゃーないやん。仕事やねん』 「悪趣味www」 確かに･･･そうやな 『でも、わざわざ振らんでも･･･』 「･･･どうせ死ぬから？」 『え･･･うん』 思ってる事を 見抜かれるのは不慣れで 俺は慌てた #らばそー

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49 「あのね？ユウ 私が死んでも他の人の命は続くの もし、続く命の人の中に 私が中途半端に残ってたら･･･その人が苦しむかもしれないでしょ？」 ･･･だから、ちゃんと振ったんか 『･･･ふーん』 自分が危機やってのに まだ人を大切にする余裕あるんか #らばそー

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50 『お前･･･ほんま変わりもんやな』 「ぶっ･･･よく言われるw」 自覚ありかいw 「よし！じゃあ最後のお仕事してきます！帰ったらお酒付き合ってね！」 ────あ、そうか 明日から休日 彼女がこの会社に来るのも 今日が最後 #らばそー