らばそー

はち公。 @funkastic_8er

51 自分がその事を告げたのに うっかり忘れるなんて 『しっかりせぇ･･･俺』 俺は･･･何もんや？ 『俺は･･･人間の不幸を手伝う者』 そして 彼女の命を奪う者 『あかん』 彼女二、ココロヲ、許スナ #らばそー pic.twitter.com/xTev2RWncm

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52 ･･･最終日の朝を迎えた 『ん･･･』 朝日が差し込む刺激で 俺は目を覚ます 『ふぁ･･･』 前の晩 彼女に付き合ってお酒を飲んで また、ベッドを借りた 前の夜と違うのは 彼女が 隣で一緒に寝ていた事 『･･･よぉ寝てるなぁ･･･』 #らばそー

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53 すやすや寝てるその顔に 気づくと手が伸びて 頬を･･･なぞる 「今夜はなんか楽しいや！」 昨日の夜も この顔は終始笑ってた 「誰かとこうやって家飲みするの 実は初めてなんだよね！」 彼女はたっぷりお酒を飲んで なんならいつもより はしゃいでる感じ #らばそー

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54 『そろそろ止めたら？ 飲みすぎやで？』 さすがに止めたら 「うー･･･でももっと話したいなぁ」 って不貞腐れて。 でもすぐに思いついたように手を叩く 「あ！じゃあさ！ 今夜は一緒に寝よ？」 『はぁ！？』 「で、ギリギリまで おしゃべりしよ！」 #らばそー

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55 『はぁ！？嫌やで！？』 そう言ったのに･･･ その日の彼女は お酒のせいか強引で 「ねぇねぇ！ユウの世界を教えて？」 俺を無理やりベッドに連れ込んで 隣に自身が寝転ぶと 目をキラキラさせながら 俺を質問攻めにした #らばそー

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56 そして･･･ 『げ･･･』 聞くだけ聞いて 俺が話すのに夢中になったら そのまま 『寝た！！』 （ほんま！信じられへん！） その寝顔にイラッとする反面 ･･･とくんとくん （･･･またや） 心臓が早くなるのが分かって 『これ･･･何？』 #らばそー

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57 思わず呟いたら 《それ。恋･･･ちゃうで。》 って 別の声がした 『なっ･･･』 慌てて体を起こした視線の先には 『スバル･･･』 同僚悪魔の スバルがいた 《おい、ユウ 何ぬるい事しとんねん》 #らばそー pic.twitter.com/6FqOAUM2GG

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58 『ぬるくなんか･･･』 スバルはベッドの傍らに立つと 俺にまた書類を見せつけた 《お前は、明日こいつの魂奪うんやで？せやのに何いちゃついとんねん》 『いちゃついてへんて･･･ こいつが、なんか、おかしいんよ！』 《俺からしたら どっちもどっちやわ》 #らばそー

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59 《監視するだけなら 飯食う必要も 一緒に寝る必要もないやんか》 スバルの言葉が ずきずきと刺さる 《お前、情がわいて 契約通りせんかったら･･･ こいつはお前以外にやられるだけで 結末は変わらへん》 『わかってる･･･』 #らばそー

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60 《守れへんついでに お前はペナルティ受けんねん そんな効率悪い事すなよ？》 『･･･わかってるって！！！』 思わず俺は声を荒らげて （やば･･･） チラッと彼女を見て 寝てるのを確認した （寝てる･･･良かった） #らばそー

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61 《わかってるならええけど もう一つ忠告しとくわ》 『･･･なんやねん』 《人間の女抱いた悪魔は ･･･最も苦しい業を 受けるんやってよ？ その事･･･肝にめいじとき》 そう告げて 鼻で笑うと スバルはスッと姿を消した･･･ #らばそー

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62 俺は･･･堪らんくなってうずくまる 『わかってるよ･･･』 俺が何をしても 彼女を守る事は出来ない だから 感情移入するのは無駄やし 自分を辛くするだけ 『そんなことわかってる』 そうやって 今までやってきたんやから でも･･･今回は #らばそー

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63 『どうしたらええか ･･･正直、わからへん』 そんな事を考えながら いつの間にか疲れて寝てて･･･ ────そして迎えた今 昨日のやり取りを思い出して ぼんやりしていたら 「ユウ･･･？起きてたの？」 彼女が目を覚ました 『あ、うん･･･』 #らばそー

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64 「そう･･･おはよう」 『･･･おはよ』 俺が返事すると 彼女は笑ってゆっくり体を起こす 「うーん、意外とお酒残ってない！ 楽しいお酒だったからかなw」 無邪気な顔を 見てるのがキツい だけど彼女はおかまいなし 「これなら･･･行けるかも」 #らばそー

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65 「ねぇ、ユウ？ 私の好きなこと･･･ 叶えてくれるんだよね？」 『え、うん？』 「じゃあ！決まり♡」 俺には 何を言いたいのか分からなくて ポカーンとしてたら 「今日1日、私とデートしよ！ 人間として！！！」 ･･･ますます ポッカーンとなる提案 #らばそー

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66 『お前･･･何言うてるん？』 「いいじゃん！しよ？ 行きたい所とかあるの！」 『それなら･･･ 一瞬で飛んでったらええやん？』 「だめー！歩く！電車！ これが私のリクエストでっす！」 その目は 本気で 『･･･まじか』 俺は肩を落とした #らばそー

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67 そんな俺の肩を叩いて 彼女は一言 「じゃあ･･･まず朝ごはん！ お腹空いてたら楽しめないからね♡」 そう告げて パタパタとキッチンへ その背中を見てたら なんか笑えてきて 『もう･･･どうにでもせぇw』 #らばそー pic.twitter.com/afpj8loZa7

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68 朝ごはんを食べて いざお出かけ 「ユウ･･･なんか もーちょっとラフな 格好にならない？」 それもそのはず 真っ黒のスーツ姿 『んー出来るけど どんなんがええの？』 すると彼女は近くのチラシから パラパラと探して 「あ！こんな感じ！」 って #らばそー

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69 『んー･･･』 目を伏せて 指を鳴らせば 「わぁ･･･」 あっという間に早変わり 『こんなんでええ？』 「あ･･･うん」 ぽかんとした彼女の反応に 『ん？どないしたん？』 堪らず聞くと 「や･･･ほんとに ･･･悪魔なんだなぁとwww」 #らばそー

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70 感心したように 彼女は笑った 瞬間 胸が傷んだ 俺達は 違うんや 「よし！行こう！」 彼女の声で部屋を出たけど なんだか ･･･気持ちは晴れなかった #らばそー

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71 てくてく歩いて 最寄りの駅まで 途中飲み物買って 切符2枚買って 電車に乗る 『どこまで行くん？』 「ないしょーw」 行き先は 彼女だけの秘密 『ちっ』 まぁ、聞いても分からへんけど 「あ！ねぇ、ユウ見て！ほら！」 窓からの景色を指さす彼女 #らばそー

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72 「あれ、私の小学校！」 『へ？どれ？』 「あれだよぉー！」 『あー。 ちっこくてわからへんかったw』 「もぉ！ちゃんと見て！」 彼女は 色んな建物を指さして それが自分のどんな思い出の場所か 俺に教えてくれる #らばそー

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73 だから 生まれ育った街に 向かってる事はわかった 久々なのか すごくはしゃいでて 『このまま･･･』 時間が止まればいいのにと ･･･言いかけて口をつぐんだ 「ユウ？どうした？」 『･･･や、別に』 「そう？じゃあ 次で降りるから用意して！」 #らばそー

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74 降り立った街は なんかのどかな感じ 駅前には商店街があって あちらこちらでオバチャンが立ち話 『今住んでるとことは 全然ちゃうなぁ･･･』 「･･･そうだね 働かなきゃいけなかったから･･･」 ふっと･･･ 初めて彼女の顔が曇った気がした #らばそー

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75 （え･･･） 一瞬ひるんで言葉を飲んだら あっという間に元に戻って 「さぁ！行こう！」 そう言うと 俺の腕を笑顔で引いた ────彼女は 思い出のパン屋や駄菓子屋 学校の帰りに寄り道した公園 たくさんおしゃべりしながら 楽しそうに歩いた #らばそー