【Medicine2】

りえこ @eighter_rieko83

【Medicine2】 1 身体の不調が続いてるってことよりも、精神的に参ってるってことの方が心配。 喘息は精神的なことも関係してるらしいし……。 愚痴なんて、聞かされるのイヤでしょって俺の心配までして……甘えてくれるようになっただけマシなんかな……。

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2 今日も日付変わってもーた……もぉ寝とるやろか……。 そんなこと考えながら玄関をくぐった途端、かけて来る足音が聞こえた。 「ただいまぁ、まだ起きと…」 言い終わる前にキスされる。 その唇が離れた思ったら、ぎゅうっと抱きついてくる。 今日もなんかあったんやろか……。

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3 「もぉ～(笑)おかえりって言うてくれんのぉ？」 『…おかえり……。』 「ふふ、ただぁいま。」 抱きしめて頭を撫でる。 彼女の呼吸が少しだけ荒い気がする。 走ったとしても、リビングからそう遠くはないのに。 「呼吸、まだしんどいん？」 『…ううん、大丈夫…。』

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4 ほんまかなぁ……。 「とりあえず、部屋入ろっか？」 『…ん……。』 でも抱きついたまま動こうとしない。 「ふはは……ほんなら強制的に行くで？」 抱きしめたカッコのまま彼女を抱え上げ、歩く。 前見づらいから、ゆっくりと。 そのままソファーに倒れ込む。

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5 彼女の手は俺の首に回したまんま。 俺の手は彼女の腰に回したまんま。 その状態で下から俺を見つめる彼女に、チュッとキスをする。 何も言わないでじっと見つめてくる。 「しんどい時はしんどい言うてえぇし、愚痴もちゃんと聞くで？」 『愚痴はいい……考えたくないし……。』

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6 「思い出したくもないくらいイヤなことあったってこと？」 『……しょーちゃんと居る時に、思い出したくないの。』 ちょっと涙目。 泣きたいなら泣いた方がえぇと思うけどなぁ……。 「そう言うてくれるんは嬉しいけどさぁ……。」 『思い出すより、今は忘れさせて欲しい……。』

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7 「んー……どぉしたらえぇの？」 『……ちゅう……。』 「ふふ……こーお……？」 優しく唇を合わせる。 『んっ…………、もっと……。』 何度もキスをして……自然と深く長くなっていく。 そういえば…しばらく…してへんかったな……キス止まりで…。

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8 このまま…えぇんかな……？ 「は、ぁっ……、なぁ…大丈夫なん……？」 『ん、大丈夫……。』 「ほんまに？苦しゅーないの？」 『呼吸は…苦しくないよ…。でも……安田章大が好きすぎて苦しい……。』 「そんなん、ズルイってぇ……。」 再びキスをして、身体を撫でた。

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9 シャツの釦を上から外してって、彼女が弱い耳や首筋にもキスをする。 呼吸が早くなったのが聴こえるけど、発作の時に聴こえた変な呼吸音は聴こえない。 ほんまに大丈夫かな……？ 首筋から下りてって、開いた胸元へキス……あっ……。 ブラの少し上……なんとかテープ……。

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10 気管支を広げる為の貼るお薬やって言うてた……。 思わず動きを止めて、その小さな四角いテープを見つめた。 『……しょーちゃ……？』 「……やっぱり今日はヤメとこ？」 『えっ……なん、でっ……？』 また目に涙が溜まる。 「ちゃあんと治ってからにしよ？」

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11 『……大丈夫だってばぁ……っ。』 涙が大きくなる。 「大丈夫ちゃうよ。もしこれでまた発作出たら、俺イヤや。苦しむのはおまえやん。俺はそれ、見たないねん。」 『…………っ、』 もうちょいで溢れる……。 そのまま零してまえ……。

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12 「そりゃ俺やってしたいで？おまえのこと好きやもん。でもだからこそさぁ……今日は我慢する。好きやから、早よ治って欲しい。そんでちゃあんと治ったら、いーっぱい愛し合お、なっ？」 あ、零れた……。 ギュッと抱きしめる。

りえこ @eighter_rieko83

13 「しんどいなぁ…泣いたらスッキリするで？何もでけへんけど…一晩中ずーっと抱きしめといたるから…な？安心してや？」 でも泣いたらまた呼吸苦しくなるんかなぁ……？ でもこのまま溜め込んでるの、もっとツライもんな？ どうか早く…彼女がラクになりますように……。 Fin.