ベルギー外科学会誌掲載論文抜粋和訳【1986年4月に15歳以下だったベルギーの子どもたちにおけるチェルノブイリ事故後の甲状腺乳頭がんの発生率】(2016.7.9作成)

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Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

続)だが、相関性があるから因果関係があるというわけではなく、線量評価という重要な問題を考慮しなければいけない。実際、甲状腺乳頭がんを含む放射線の晩発影響のリスクの線量反応関係は原爆被爆者のデータがベースとなっているが、

2016-07-09 19:23:54
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

続)極度な高線量率で中ほどから高線量の被爆を受けた原爆被爆者の疫学データから得られたリスク推定を、原子力発電所事故後に低線量・低線量率での被ばくを受けた集団に当てはめるのは適切でないかもしれない。

2016-07-09 19:24:17
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

続)そのような欠点に加え、チェルノブイリ事故当時に子どもだった人たちの甲状腺乳頭がんの原因が放射性ヨウ素だとほのめかす前に、統計的パワーを得るために必要な長い観察期間や、個人の甲状腺被ばく線量の不確かさなどを克服しないといけない。

2016-07-09 19:24:26
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

続)われわれは、有益な情報、すなわち、関連性があり、妥当で、かつ簡単にアクセスできるような情報を得るために、チェルノブイリ事故後30年の間に均一な外科的経験から得られたデータを前向きに記録することにより、それらの欠点を中和することをまさに試みたのである。

2016-07-09 19:24:47
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

続)われわれの研究結果により、甲状腺に問題がある患者を診る医師は、まず患者の誕生日を確認することを勧める。もしも1986年4月に15歳以下、ましてや10歳や5歳以下だったなら、甲状腺の問題を矮小化するのを考え直すべきである。

2016-07-09 19:25:14
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

続)チェルノブイリ事故後、まだ鉄のカーテンにより分断されていた欧州で、全土レベルで基本的な防護措置が取られたのではないため、事故後30年の間、事故当時15歳以下だった人たちにおける甲状腺病変に対する反応の敷居を下げることが効果的かつ効率的な公衆衛生の勧告だったと思われる。

2016-07-09 19:25:49
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

続)これが過去30年間のわれわれの方針だったが、そのおかげで多分、ほとんどのケースがT1かT2でリンパ節転移なしだった。 (以下、考察が色々と続くのだけど、山下氏や長瀧氏の論文を引用して、福島事故後の研究に過度な期待を寄せられてる感じもあったり)

2016-07-09 19:27:52
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

事故前にはなかった小児甲状腺がんが出だして、なんかおかしいと思った現場の医師がずっと30年間集め続けたデータを発表した、というのはとても興味深いのだけど、ベルギーの他の病院でも甲状腺手術が行われてるのかな?

2016-07-09 19:33:43
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

ちなみに、論文リンクはこれ tandfonline.com/doi/full/10.10… 掲載誌は外科学会の学術誌で、一応査読はあるみたいだけど、ぶっちゃけ英語校正してないんじゃないかという感じで、読みにくい部分もあった。

2016-07-09 19:36:23
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

この研究デザインが良いのか悪いのかとかは、もっとそういうことに詳しい人におまかせ。私にはそこまで分からないけど、読みながら「?」が何度か頭をよぎった。

2016-07-09 19:37:55