野島徳吉著『ワクチン』(岩波新書 1972年刊) 幼い 子どもを もつ 母親に 向け、からだの 防御の しくみと ワクチンについて 書かれた 解説。 著者は 免疫学者。
2016-07-14 11:15:59このような 異物 (ウイルス等) の 処理、つまり からだの 防御のために、私たちの からだは 特別の 働きをします。 その ひとつが 免疫反応です。(野島徳吉)
2016-07-14 11:21:23ウイルスは 非自己ですが、人間の からだを 構成している 組織や、あるいは 血管内を 流れる 血球や タンパク質は 自己です。(野島徳吉)
2016-07-14 11:24:39生物は 進化の 歴史のなかで、細胞が 異物を 認識する 反応と 抗体を つくったりする 反応とを 結合して、免疫反応を つくりあげてきました。(野島徳吉)
2016-07-14 11:26:46抗体は どういう 作用を するのでしょうか。 体内の リンパ節や 脾などで できた 抗体は 血液中に 出てきて、体内の 組織に しみこんでいきます。 細胞のなかには はいりにくいようです。(野島徳吉)
2016-07-14 11:32:48動員された 抗体は、多数の 微生物と 結合し、その 増殖を 阻止します。 微生物は 抗体と 結合して、組織内の 食細胞に 運ばれて、そこで 分解されます。(野島徳吉)
2016-07-14 11:40:34分泌抗体は、粘膜の 細胞で つくられた IgA が 上皮細胞で つくられる 分泌ピースという タンパク質と 結合して 独特の 構造を つくります。(野島徳吉)
2016-07-14 11:44:11正常の 人の、血清中の IgE は 1〜5 x 10^-3 mg% ですから、ほかの IgM、IgG、IgA などに くらべると 数桁 低いのですが、アレルギー性ぜんそくの 人は、数倍も 高い IgE を もっています。(野島徳吉)
2016-07-14 11:50:52IgE の 特徴は、血管や 筋肉を 収縮させる 作用物質の ヒスタミンや セロトニンをもつ 細胞に、非常に 付着しやすいことです。(野島徳吉)
2016-07-14 11:52:45IgE が このような 物質を もっている 細胞 (マスト細胞) に 付着しているとき、アレルゲン (この種の 過敏反応の 抗原のこと) が その 抗体と 結合すると、細胞の 膜が 変化して 前記の 作用物質が 放出されます。(野島徳吉)
2016-07-14 11:55:52現在では、医薬、ワクチン、抗生物質などが、体内に はいる 機会が たれでも 多いので、この 反応には、注意しなければなりません。(野島徳吉)
2016-07-14 12:00:13どういうものが 抗原として 作用するのか、また どういう 人が 反応を おこすのか、こまかいことは わかっていません。(野島徳吉)
2016-07-14 12:01:38とくに 注意を 要することは、現在の 生活では、私たちの 知らないうちに、各種の 物質に たいして「過敏」になっています。 つまり、かなりの 数の 物質に たいし IgE を つくっていることです。(野島徳吉)
2016-07-14 12:04:35ワクチン接種というのは、からだの 防御の しくみの 全体の 一部である 免疫反応を、人為的に、特定の 微生物の 感染防御に たいして 一定期間 動員することです。(野島徳吉)
2016-07-14 12:07:31