PBM「蓬莱学園の冒険!」はなぜいまだにスゴいと囁かれ続けるのか
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ほかにも当時出始めのパソコン通信を使う人もいましたが、これは少数派で。「パソコン通信利用者は俺たちの知らない重要情報を取引している!」といった陰謀論も飛び交いましたが、実際はゲームに関係ない世間話ばかりしていたというオチも。
2017-05-19 12:03:17具体的に毎月どれくらいの相手と交流するのか? これは人によります。ゲームを通じて1年間誰とも一切連絡をとらなかったという人もかなりいます。手紙を毎月数通だけという人もいるし、学業仕事そっちのけ、生活の全てをPBMに捧げた「蓬莱学園に住んでる奴」も大勢いました。
2017-05-19 12:07:23『蓬莱学園の冒険!』の場合、会員数は三千人ほど。実はその前作が総数千五百人だったため、会員管理システムが三千人までしか対応してなかったのです。三ヶ月めに満員御礼、新規会員停止の宣言が出ましたが、参加できなくて悔しい思いをした人も多かったようです。
2017-05-19 12:11:29※五千人の説もあり。
PBMは1ヶ月で1ターン、総計で6から12ターン開催されるものが大半です。『蓬莱学園の冒険!』の場合、全12ターンです。その間、ゲーム内ではリアルタイムに時間が流れます。ので、シナリオのスケールはTRPGでいうキャンペーンに近くなります。
2017-05-19 12:16:15ので、毎回の自由行動の内容も「扉の向こうに聞き耳をたてる」といったミニマムなものではなく「新聞部の腕章をつけて、噂の幽霊屋敷を取材と称して仲間と連れだって探検する。危険があっても気にせずバンバン進んじゃうよ!」とかになります。
2017-05-19 12:19:20足りゃしませんよね、時間なんかいくらあっても。 RT @sinnoji2: @sinkurou リアクションが届く、精読する、交流相手を探す、運営に転送を頼む、交流する、行動を考える、清書する、送る。 PBM参加者の二週間は短かった。
2017-05-19 12:43:02まとめるとPBM『蓬莱学園の冒険!』という遊びはとにかく大変でした。毎月専用ハガキを一枚送るだけでゲームは成立するのですが、話について行こうと思ったら、プレイヤー間で交流をしなくてはいけない。さらに活躍しようと思ったら大変です。
2017-05-19 12:48:45よほどセンスの突き抜けた人、マスターに愛される(玩具になった)人をのぞけば、比喩でも何でもなく、生活の全てをPBMに捧げなくてはなりませんでした。 それはゲームというより、若者の熱狂に支えられたイベントであり、お祭り騒ぎでした。
2017-05-19 12:50:52プレイヤーが残した足跡
古老が蓬莱学園を懐かしく語るのはもうひとつ、蓬莱学園の数々の設定を産み出したのは他ならぬプレイヤーの活躍によるところが大だからです。
2017-05-19 12:53:00前述のように、蓬莱学園のシナリオはゆるゆるでした。設定も同様で、クラブ名と部長名だけ決まっているけどあとは空欄、みたいなのもたくさんある状態でスタートしました。
2017-05-19 12:54:54そのかわり外枠というか、「全体にこう」という法則みたいなものは、グランドマスター(世界管理者)である柳川氏の中に確固としてあり、その範囲でならどんどん設定を自作できた。それを投稿して、OKが出たら公認設定。
2017-05-19 12:57:45また、クラブの部長や委員会の局長なんかも、どんどん代替わりしてPCが就任できた。詳しいプレイヤーが軍事設定を拡充し、専門家のプレイヤーが地図を補完した。まだwikiもexelもない時代に膨大な私家版人名辞典を毎月編纂した人もいた。N津という人ですがw
2017-05-19 13:03:52元PCはゲーム終了後にNPC登録ができた。NPCになることで、その後マスターが蓬莱学園の商品を出すときにそこに登場できる可能性があるのです。『蓬莱学園の初恋!』をはじめ、小説にもたくさんの元PCが出ています。香田忍とか紅柄りぼんとか。
2017-05-19 13:11:02自分の考えた設定が、その後も使われ続ける。こういった理由で、蓬莱学園ワールドそのものに愛着をもつ人がたくさんいるのです。「あそこの設定を考えたのはこの俺なんだぞ」というわけです。まあ、その愛着が過ぎて、ちょっと煙たい人がいるのも事実なんて、痛し痒しなんですが。
2017-05-19 13:13:54なにせ「文章で書かれたアクション」を人間のマスターがいちいち全部読んで、センスのいいものを採用するという超アナログ判定システムなので。マスターのツボをいかに突くかみたいな話になっちゃうんですよね。当然「なんでこの俺の卓越したセンスをマスターは認めぬ!」ということにもなるわけで。
2017-05-19 13:17:46行動の判定をめぐっては論争が絶えませんでしたね。マスターも基準を出そうとするんですが、結局はツボをついたもん勝ちなところはあり。
2017-05-19 13:19:24それより問題だったのは「参加者が継続してストーリーを追うのが困難」という点。たとえば美少女委員長に恋して、なんとか振り向かせたいと思っても、来月その委員長がどこでなにをしているか分からないと空振りに終わる。情報を精査して緻密な推測をしても、他の参加者の行動で御破算になることも。
2017-05-19 13:22:13この「継続してストーリーを追うのが困難」というのをシステム的に解消し、シナリオと担当マスターの関係を明確にしてすべて参加者にオープンにして、毎月必ず望みのストーリーを選べるようにする。これがブランチ制の発想なんですが、それはまた別の機会に。
2017-05-19 13:25:09ありましたw ないわけがない。後半に行くに従い、自由行動をとる人も増えますし。リアクションの描写も増えるから紙幅も増すしで。 RT @stein00000: @sinkurou N90時代にはリアクションの遅延ってありましたか?
2017-05-19 13:31:15しかも当時は担当マスターが明確でなく、誰に当たるかプレイヤーでは分からなかったもので RT @sinnoji2: 事前に出していた基準には合わないからと言って、このマスターのツボにはどストライクのセンスあふれるアクションをどうしたものか、ってのも悩ましいですしね。
2017-05-19 13:32:32学園の軍備については、最初は歩兵だけのつもりだったのが、『蓬莱タイムズ』1号の中村画伯の描いた入学式のイラストに戦車が描かれているのをみた軍事担当マスターが「戦車が運用されているならこのくらいの規模はないと」とちょいちょいっと軍備を増したという有名なエピソードが。
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