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ゲームデザインの備忘録まとめ20190703

その時思索していたゲームデザインの備忘録。 読みたい方はどうぞ。読み難かったら強調とかお好きに。 勘違いしてはいけないのは、どちらか一方で全て作らなければならないわけでは無いし、ハイブリッドなものだ。 デザイナーとして生きるなら両方の知識と創造性がいる。 しかし、これを把握していないとシステムのあしらいを間違えるよって話。
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企画屋@川村(ゲームデザイナー芸人) @yas_kawamura

ゲームの作り方を教えるものを見る時。ひとつの違和感を俺は持つ事がある。 何故その人が「ゲームゲームしたゲームを作りたいのか」それとも「ゲームによる体験する世界を作りたいのか」を尋ねてから作り方を語らないのかだ。 この二つは峻別されるべきなのに、多くの教える側が混同している。

2019-07-02 04:34:49
企画屋@川村(ゲームデザイナー芸人) @yas_kawamura

例えばUnityやアンリアルを使ってゲームを作りたいなら、それはゲームというインタラクション手法を使って何らかの世界を旅したり物語を味わう、体験する事を目指しているんじゃないのか。年々拡張される機能やデモを見ても、道具として何を作らせたいかは明確だろう。

2019-07-02 04:38:06
企画屋@川村(ゲームデザイナー芸人) @yas_kawamura

ゲームゲームしたゲームを楽しませることを目的とするならもっと軽量なミドルウェア、ゲームエンジン、Cocosとかで良いだろう。 それなのにもかかわらず、ゲームの基礎と言えば面白い球遊びを作れとか、パズルを考えようとか、そういうことになる。意味がないとは言わないがそれは目的がずれている。

2019-07-02 04:40:45
企画屋@川村(ゲームデザイナー芸人) @yas_kawamura

両方作れることが勿論ベストだが、ゲームシステム(競技性と言えばわかりやすいか。ゲーム用語でいうルドロジーサイド)で遊ぶゲームと世界を体験する型のゲームではゲームシステムの見方が全く違うため、「教え方」は明らかに変わるはずだ。そこに対しての違いを明確に考えているだろうか。

2019-07-02 04:44:44
企画屋@川村(ゲームデザイナー芸人) @yas_kawamura

たとえば競技的なゲームデザインの最初のゴールは「面白いルールを見つけたり抽出して遊びを創造する事」だ。つまり新しいゲームシステムや既存のゲームシステムの装いやアプローチをいじって競技が面白ければよい。しかし世界体験的なゲームのゴールは「素晴らしい体験をゲームを通じてすること」だ。

2019-07-02 04:48:23
企画屋@川村(ゲームデザイナー芸人) @yas_kawamura

つまり「ゲームシステムの面白さ、競技の面白さ」に軸はない。それらを活用していかに素晴らしい体験をするかが目的だ。ここには大きな差がある。わかるかな……わかってほしい。同じじゃんじゃあ、無い。

2019-07-02 04:49:52
企画屋@川村(ゲームデザイナー芸人) @yas_kawamura

そうそう、最近流れてきたtweetで、新人へのたとえ話で「勇者の目的が魔王を倒すこと」ではないという上司がいて、「勇者の目的は魔王を倒すことによって得られる世界平和だ」と諭す小話があったが、それだ。

2019-07-02 04:52:53
企画屋@川村(ゲームデザイナー芸人) @yas_kawamura

例えば素晴らしいゲームのルール、競技があったとしても、それがスカイリムやグランドセプトオート、アサシンズクリードの世界に実装すればその世界は台無しになるのだ。そしてこれらのゲームシステムを見れば一目瞭然だが、全く目新しさはなく独自競技ではない。快適な古びたゲームの集合体だ。

2019-07-02 04:57:47
企画屋@川村(ゲームデザイナー芸人) @yas_kawamura

たとえば塊魂は遊び主体のゲームが軸のゲームだが、あれが独特な世界観、独特なトゥーングラフィック、音楽なのは何となくではないんだ。 ああいう実際の世界とは乖離した面白いルールをゲーム空間で納得させるには記号化、シュール化が必要だってことだ。

2019-07-02 05:00:35
企画屋@川村(ゲームデザイナー芸人) @yas_kawamura

つまりゲームで何を作りたいデザイナーなのかによって、ゲームシステムのあしらいと観点は大きく変わる。世界体験的なゲームをつくりたいゲームデザイナーにとってゲームシステムは世界体験を「翻訳してくれる道具」として観る。それ自体が面白いかよりも、それが快適か、体験に沿っているか、だ。

2019-07-02 05:03:01
企画屋@川村(ゲームデザイナー芸人) @yas_kawamura

ゲームシステム自体が面白いゲームを考えるタイプのゲームを作りたいゲームデザイナーはそうではない。昔からゲーム業界で言われているタイプの学びがとても重要になる。難易度と快感のバランスとか、操作自体の新しさとか、気持ちよさ。ゲームロジックとしての奥深さなど。

2019-07-02 05:05:49
企画屋@川村(ゲームデザイナー芸人) @yas_kawamura

ゲームシステム主体のゲームはひとつのゲームシステムの面白さを追求し、それを発展させ、プレイヤーがルールをしゃぶりつくせるよう考えを巡らせる。させたい体験、世界は後から考えればよい。

2019-07-02 05:08:51
企画屋@川村(ゲームデザイナー芸人) @yas_kawamura

しかし世界体験的なゲームを作る人間は、素晴らしい体験をさせるために様々なゲームシステムを組み込んで並べてあしらってゆくのだ。だからまずは素晴らしい体験を練らなければならない。それはシナリオとか世界設定とか部分的なことじゃないんだ。そこは勘違いしてはダメだよ。

2019-07-02 05:09:51
企画屋@川村(ゲームデザイナー芸人) @yas_kawamura

世界体験的なゲームは時にFPS、時にアクションゲーム、時に格闘ゲーム、時にドライブゲーム、時に会話アドベンチャーゲームになったりするが、それだけでもデザインの目的は明確だということです。「ゲームシステムを遊ぶゲームじゃない」ってことだよね。

2019-07-02 05:12:44
企画屋@川村(ゲームデザイナー芸人) @yas_kawamura

その時その時の体験の連続体にふさわしいゲームシステムをあてがって並べてゆくのがデザインとしての仕事だ。その意味では全く誰も考えつかないようなルールを産むゲーム発明家としての能力よりも最適で快適なゲームシステムをシーンに合わせて提供できるゲームコンシェルジュとしての腕が問われる。

2019-07-02 05:16:09
企画屋@川村(ゲームデザイナー芸人) @yas_kawamura

という基礎的なことを最初に教えないと、触れていく既存のシステムに対して自分がどうアプローチすべきかわからないと思うんだ。

2019-07-02 05:16:59
企画屋@川村(ゲームデザイナー芸人) @yas_kawamura

なんでゲームをたくさんやらなきゃいけないのという質問に対する答えも変わっちゃうんだ。何をするゲームデザイナーになりたいかによって。まあ仕事だから入った会社でやれと言われた方向のゲームを作ることにはなるが、自分が何を得意として、何を磨いた者なのかは知るべきだし、知った方がいい。

2019-07-02 05:19:23
企画屋@川村(ゲームデザイナー芸人) @yas_kawamura

@kensukeShimoda 俺はPS2でメダルオブオナーをやった時に確信した。 こいつらゲームをさせる気はない。Dデイ体験を全力でさせる気だと。最初のノルマンディー上陸が一番難易度高いとかもうゲームじゃないからね。この時にゲーム以上の価値を提供する世界体験のゲームを考えるようになった。 youtu.be/RBUVj94AgRE

2019-07-02 19:40:16
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企画屋@川村(ゲームデザイナー芸人) @yas_kawamura

世界を体験させる為のゲームにとってのゲームシステムはブルーレイレコーダーのようなもんだと言う事。だから大抵は移動して、狙って、撃つだけの枯れたシステムであるFPSが採用さ.. togetter.com/li/1372981#c65… 「ゲームデザインの備忘録まとめ20190703」togetter.com/li/1372981 にコメントしました。

2019-07-05 02:47:18
企画屋@川村(ゲームデザイナー芸人) @yas_kawamura

ゲームシステムが体験の再生装置ゆえに、新しい体験を再生するたびに再生方法を覚え直すのは非常に面倒。だからシネマティックな洋ゲーはたいてい枯れた体験再生法であるFPSに統一.. togetter.com/li/1372981#c65… 「ゲームデザインの備忘録まとめ20190703」togetter.com/li/1372981 にコメントしました。

2019-07-05 02:51:42
企画屋@川村(ゲームデザイナー芸人) @yas_kawamura

逆に競技が大切なゲームはルールの新奇性が求められるし、ひとつの遊びを段階ごとに発展させる、ルールを応用した発明と、いわゆる古くから伝わる面白いゲームの作り方が重要。その.. togetter.com/li/1372981#c65… 「ゲームデザインの備忘録まとめ20190703」togetter.com/li/1372981 にコメントしました。

2019-07-05 02:58:59
企画屋@川村(ゲームデザイナー芸人) @yas_kawamura

昔と違い、今どきのバイオみたいなゲームでいきなりパズルとか仕掛けが出てきたらヤバイでしょう。あれはもうバイオがゲーム的な記号化をしなくても素晴らしい体験を再現できるだけ.. togetter.com/li/1372981#c65… 「ゲームデザインの備忘録まとめ20190703」togetter.com/li/1372981 にコメントしました。

2019-07-05 02:59:45
企画屋@川村(ゲームデザイナー芸人) @yas_kawamura

ゲームがゲームなのか、それとも道具なのかで全然違うんだよな。 道具の場合はゲームの難易度で楽しませようとかする必要はないんだ。競技じゃないから。(Facebook転載)

2019-07-05 21:13:01
企画屋@川村(ゲームデザイナー芸人) @yas_kawamura

しかし、厳しい体験をさせる場面だ、という時には厳しい体験を再現する為に必要な手段として、味付けが厳しくなる。 これ結果的に似たものなんだけど、アングルが違うことはちゃんと知らないとダメなんだ。(Facebook転載)

2019-07-05 21:13:32
企画屋@川村(ゲームデザイナー芸人) @yas_kawamura

例えばゲーム競技が重要なら1つのルールのテクニックを駆使して遊ぶ難易度調整になるが、体験ゲームならひとつのゲームシステム、ルールにこだわる必要はないし、ゲーム競技としてインチキ、ルール違反なやり方で厳しい体験を味あわせることも手段として乗るんだ。(Facebook転載)

2019-07-05 21:14:39