「松の葉」があれば異世界でもサイダーが作れるって本当?実際に作ってみた

期待のハードルを下げて作ってみたら…
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異世界に転生した時、サイダーを飲みたくなったら「松の葉」を集めればサイダーを作れる。そんなまとめが注目を集めている。

なんでも、松の葉には天然の酵母が含まれていて、松の葉を砂糖水につけるだけでサイダーっぽい炭酸飲料が作れるというではないか。

しかし、この手の代替系レシピって、実際作ってみると味が微妙だったり、市販品には遠く及ばないみたいな結果になるんじゃ…?

実際に作ってみた人の反応を調べてみると

・さっぱりしていておいしい

・ハーブっぽい柑橘みたいな味

・いやでも味はイマイチ

・市販品のサイダーの美味しさに慣れすぎた

といった、プラスとマイナスもどちらの感想も見受けられた。うーん、どっちなんだい。

気になったので、実際に作って確かめてみた。

松の葉はメルカリで入手

「まず、松の葉なんてどこで売ってるんだろう」と思ったが、メルカリで普通に売られていた。逆に、ネットショッピングなどでは松の葉茶など、すでに加工されたものしか見当たらず、松の葉そのものが売られている場所はメルカリしかなかった。さすが、愛以外なんでも売ってるメルカリ。

今回購入したのは、お値段は400グラムで1000円ほど。安い。

出品者から「今から摘んで送ります」と連絡がきた。とれたて松の葉

数日後、松の葉が届いた。青々とした香りが部屋の中に広がって良い感じ。

松の葉サイダーの作り方

松の葉サイダーの作り方はいたって簡単。松の葉の根元についている茶色い松脂(まつやに)をハサミで取り除き、葉を水でざっと洗う。

先端についてる茶色いやつが松脂。触るとべたべたするので注意
松脂部分をバサッと切り落とそう

熱湯消毒した瓶※の中に、ざっと洗った松の葉を詰める(瓶の半分~7割くらい入れる)。

※今回は、100均で買った、水がちょうど1リットル入るサイズのピッチャーを使用

ペットボトルとかでも作れる。容器のサイズはお好みで。

水と水の量に対して10%の砂糖を入れる(今回は、1リットル、砂糖100グラムで作った)。準備はこれだけ。

砂糖はためらわずに入れよう

あとは、瓶を陽の当たる場所に数日置いておけば完成するらしい。日数の目安は季節や気温、天候によって変わる。夏場は1日日向に置いておくだけでできるが、冬は10日くらいかかるといった感じで、割と幅があるみたいだ。

窓辺に放置する。本当にできるんかいな

今回は4月ということでどれくらい、とりあえず松の葉の色が抜けて茶色になるくらいを目安に漬けることにした。

7日くらいで完成

漬け始めて2日目、瓶を見ると松の葉から気泡がたくさん浮いているのがわかる。発酵が順調に進んでいるようだ。

けっこうな量の泡が出てきている

漬け始めて7日で、松の葉が茶色っぽく変わった。緑色の部分もまだ残っているが、これくらいで一つ仕上がりを確認してみよう。

松の葉の色がくすみ、色が水に溶けだしている感じ

瓶を開けると、ブランデーやウィスキーを嗅いだ時のような香りが鼻をついた。まさしく「発酵系」の香りだ。しかし、炭酸飲料のボトルを開けたときのようなシュワシュワ感は皆無。やや不安がよぎる。

ざるで松の葉を濾すと、薄い琥珀色の液体が姿を現した。松の葉サイダーの完成だ!

いざ実飲

不安をぬぐい切れない香気

いざ実飲。クセの強い薬草系の香りがするので、かなり味が不安だけど…

どうにでもなれーっ!!!
あれま!

おおっ!!!!ちゃんと炭酸になってる!!!!

意外に飲みやすい!!!!

微微微の微炭酸という感じだが、口当たりは間違いなくシュワシュワしている。

心配しかなかったお味は、草系の味が強烈かと思いきや丁度良いさわやかさ。発酵によって酸味が加わり、ちゃんとサイダーっぽい味になっているではないか。

確かにクセはある。薬草系の飲み物が苦手な人とかにはちょっとキツいかもしれないが、個人的な感想としては予想の10倍くらいサイダーだった。

キンキンに冷やしたやつを風呂上りに飲むと、爽快感がある。暑い季節に良いかもしれない。

放置するとアルコール飲料になるので注意

以外に美味しかった味もさることながら、「その気になれば自分で炭酸飲料作れるんだな」と分かったことへの感動が大きい。これで、運よく松の葉生い茂る異世界に転生したときも安心だ。

ちなみにこの松の葉サイダー、長期間放置してそのまま発酵を進めるとアルコールが発生するので注意しよう。国税庁に確認したところ、アルコールが1%以上発生してしまうと酒税法違反になるが、アルコールが発生する前に発酵の源となる松の葉を抜けば、飲む分には問題ないとのことだった。

いずれにせよ、開封後は早めに飲み切ってしまおう!

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書いた人
ふ凡社

Togetterオリジナル記事編集部員。平凡から非凡へ向かう道を探す男。

Twitter:@Hubonsya