『恋は盲目』とはまさに…ときメモ「藤崎詩織」を目隠しで攻略したRTAプレイヤーに今後の抱負を聞いた

この世で最も早く藤崎詩織をつかめる男である
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2023年8月10日~15日に開催されたゲームオンラインイベント「RTA in Japan in Summer」にて、8月15日実施の「目隠しときメモRTA」が同時接続10万人に達し、Twitter(X)を中心に話題に。「目隠しRTA」「目隠しときメモ」のワードがトレンド入りするという盛り上がりだった。

「RTA」とはリアルタイムアタックの略で、ゲームの始めからどれだけ最短でクリアできるかを競うもの。プレイされたのは1995年にコナミ(当時)から発売された恋愛シミュレーションゲーム『ときめきメモリアル~forever with you~』(以下「ときメモ)」)のプレイステーション版で、クリアタイムはなんと1時間10分だった。

ペンギンの目隠しをしているのがRTA走者のkazupoonさん

「目隠しときメモRTA」に挑戦したRTA走者(RTAに挑むプレイヤーのこと)はゲーム配信者のKazupoon(@honda_kazupoon)さん。ゲームを目隠し状態で初めからプレイし、攻略難易度が最も高いキャラクター「藤崎詩織」を1時間10分以内に攻略・クリアすることを目指した。

「出走」前のKazupoonさん

自ら実況しながらゲームを進め、見事1時間57秒で「藤崎詩織エンド」を迎えたのだが、プレイ中に多くの観客の目を見張ったのはKazupoonさんによる研究し尽くされたゲーム内のパラメーター調整だ。

スタート時はプレイヤーの誕生日入力(この日付が攻略に影響する)から始まり「好感度を上げすぎない」「ストレスを溜め込んでノイローゼになる」「バレンタインをスキップする」「訪れたヒロインとデートせず初詣で恋愛成就を祈る」など、恋愛ゲームをプレイしているとはおよそ信じられない行動ばかりだった。しかも、この状況を目隠ししたまま詳しく解説しているのだ。

Twitter(X)には「ホラー枠」「目隠しでやっているのに自分が何をやっているのかはっきりと解説できるのがすごすぎる」と、1つのゲームを極めた人物を称賛するコメントが続いた。

この時の様子は配信アーカイブ、ならびにTogetterのまとめも参照してほしい。

どこまでやり込んでこの境地に達したのだろうか。オリジナル記事編集部では、見事目標の1時間で「藤崎詩織エンド」を達成させたKazupoonさんに、今回に至るまでのいきさつなどについて話を聞いてみた。

RTAを始めるなら『ときメモ』だと思った

Kazupoonさんは2020年に「RTA in Japan」を初めて見たことがきっかけで『ときメモ』のRTAに挑むようになり、「RTA in Japan Summer 2021」に参加。目隠し状態でのRTAについては、2022年1月に59分21秒でのゴールを成し遂げている。

RTAを始めた頃の『ときメモ』プレイ経験はどれくらいあったのでしょうか?

RTAを始める前のときメモプレイ経験は、中高生の頃に全ヒロインを一度攻略したり、全ヒロインの同時攻略をしたりする程度でした。

時間にしても定かではないですが、100時間くらいだと思います。

RTAを始める前はときメモからは離れていた記憶があります。ただ、一番好きなゲームであることに間違いはなかったので、RTAを始めるならこのゲームだとすぐに思いつきました。他にRTAをやっている人が少なかったというのも、個人的には魅力でした。

『ときメモRTA』を目隠しで始めようと思った理由は。また、2022年に目隠しで達成したときと戦略は変わりましたか。

「RTA in Japan Winter 2021」でBubziaさん(今回「目隠しブレワイ」を走った方)が『スーパーマリオ64』の目隠しRTAを走っているのを見て、目隠しRTAの存在を知りました。同時に、可能性を感じました。

その時点で「ときメモRTA」はやりこんでいて「目隠しときメモ」ならできそうだと直感的に思ったので、始めました。

戦略としてはあまり当時と変わっていません。練習して精度が上がったこと、リカバリーの選択肢が増えたこと、セーフティーセーブを盛り込むこと、一発通しのための安定チャートを組んだことの4点は変更点かもしれません。

※「目隠しブレワイを走った」…目隠し状態で『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』のRTAに挑戦したということ。

「目隠し」のための練習方法は、通常プレイの場合とどう違うのでしょうか。 

目隠しだとやっている最中に画面は見られないので、合っているかの確認は配信アーカイブを見るしかありません。(視聴者に教えてもらうこともありますが)その点で、自分の配信アーカイブをよく見ていた気がします。

また、目隠しは段階的に挑戦しました。いきなり目隠しをするのではなく、

「チャートとゲーム当時のカレンダーだけ見て挑戦→カレンダーだけ見て挑戦→実際に目隠し」のような感じです。

終盤で、詩織が告白するシーンでセリフを詩織よりも先に話していましたね。

詩織の告白シーンについては、何度も聞くうちに自然と覚えていました。その結果、本番のような茶番が編み出されたと思います。エピローグに関しては、そこまで覚えていたら面白いかなと思って覚えました。

今回の「目隠しときメモRTA」について、ご自身ではどう評価していますか。

100点は付けませんが、ほぼ100点に近い走りだったと思います。

初めてのオフライン環境で練習の成果を発揮できたこと、ノーリセット(最初を除く)でクリアできたことは満足行く結果でした。目標であったTwitter(X)トレンド1位&視聴者数10万人も達成できました。

今後の抱負や次回の参加について教えてください。

私はRTA走者ではありますが、ゲーム配信者でもあります。RTAだけでなく、様々な配信で視聴者を楽しませられる配信者でありたいです。数字に囚われすぎるのも良くないかと思いますが、私自身の楽しさを優先しつつ、フォロワー1万人や安定した同時接続視聴者数を目指しています。

もちろん、これからも「RTA in Japan」への参加を目指しますし、次回に応募するゲームもある程度決めています。また、『ときメモGS』を含めた他のときメモシリーズのRTAにもチャレンジしています。

最短時間で攻略できるようになるまでには、対象のゲームを相当やり込んだのであろうと想像できるが、何よりKazupoonさんが心から楽しんでいる様子が伝わってきているのも、今回注目された要因なのだろう。

Kazupoonさんは今回の「目隠しときメモRTA」について「Twitch」のチャンネルご自身のnoteでも語っているので、そちらも合わせて読んでみて欲しい。

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