55年以上前に製造された「味の素」の未開封缶を開けてみたら…中身の意外な状態に驚きの声

クルクル巻いて開けるタイプのレトロな缶
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祖母が遺した未開封の「味の素」を開封したという報告がX(Twitter)で話題になっている。

約55年前に生産終了した巻取り缶入り「味の素」
裏面の商品情報はアルファベットで書かれている

投稿したのは、一般社団法人日本モダンガール協會の代表として、大正時代末期から昭和初期にかけての文化について調査・研究・発信を行っている、淺井カヨ(@weeklymoga)さん。

淺井さんのお祖母様が遺したという未開封の「味の素」は、缶のパッケージに入ったもの。赤色がベースの缶に、中央に大きく書かれた「味の素」のフォントや、あしらわれた女性のイラストなど、なんともレトロな味わいだ。

こちらのパッケージは、今ではあまり見かけない「ヘリングボーン式巻取缶(※)」というもので、味の素株式会社が1926年(昭和元年)から1968年にかけて製造・販売していたもの。缶に製造年月日の記載はないが、少なくとも製造から55年以上は経っていることになる。

※底に付属している巻取り鍵を外し、缶側面にある巻取り爪にひっかけ回転させながら巻き取り開ける方式の缶。

長い時を経てついに開封

淺井さんは缶の外観だけでなく、中に入っていた「味の素」の粉末もの写真も投稿している。透明な袋に入った55年以上前の味の素は、経年劣化を感じさせないまっさらな白色の見た目で、現在流通しているものとあまり変わりないように見える。

中には、透明の袋入りの粉末が

この投稿にXユーザーからは「この缶、センス良い!」「デザインがとても好き」という声や、「ピンをクルクル巻いて開けるタイプだったの!?」と開封方法に驚く声が上がっている。

この歴史的価値を感じる缶は、どのように淺井さんの手に渡り開封されることになったのか? くわしい話を聞いた。

7年越しに「中身が氣になった」

※回答は、淺井さんにいただいたものをそのまま掲載しています

「味の素」缶はどのような経緯で手元に渡ったのでしょうか

祖父母が暮らした家の台所を整理した際に見つけました。


祖父母の家は、昭和30年代に建てられたものです。

今回開封しようと思い立った理由は?

畫像の缶は私が持つてからは既に7年が經過してゐまして、中身が氣になつてゐたので開けました。

未開封の缶は他にもありまして、私の姉も持つてゐます。

満を持して開封した結果、気になるのはやはり中身の状態だ。

缶に入った状態の様子

実際に開封してみた感想は?

匂ひはありましたが、あまり強い「刺激臭」ではありませんでした。

腐敗臭といふよりは、鼻につく不快な感じがしました。表現は非常に難しいです。 べとつかず、サラサラとしてゐました。

今でも各家庭の台所でなじみのある調味料の、貴重な過去の姿を教えてくれた淺井さん。我々の身近なところにも、このような「日用品のタイムカプセル」はまだ眠っているのかもしれない。

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