保育園の面接前日に「夫の転勤辞令」が出て泣いちゃった…Xに見る転勤の苦労あれこれ

今後も「転勤はキツイ」という世帯が増えていきそう
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J-CASTならびにTogetterのnoteに連載中のコラム「3分くらいでわかる週刊X(Twitter)トレンド」をトゥギャッターオリジナルにて掲載します。毎週月曜日、X上で話題になった社会的現象に関するXユーザーならではの反応を解説していきます。

2024年3月から、25年卒の学生を対象とした就職活動が本格的に解禁されました。就職活動で企業を選ぶ際の指標の一つとしてよく挙げられるのが「転勤の有無」です。X(Twitter)では、転勤の苦労話や、その是非を問う投稿がしばしば拡散されます。

ツイートまとめサービスのTogetter(トゥギャッター)が解説する「3分くらいで分かる週刊X(Twitter)トレンド」、今回は「転勤」について掘り下げます。

共働き前提の世帯で転勤はキツい


転勤の辞令が多い会社で、入社5~6年目の人材が退職してしまうケースが大問題になっている。そんな投稿が拡散されたことがあります。


こちらは投稿したユーザーの夫が勤める会社のお話。投稿者は原因について「共働き前提で生活設計をする人が多く、20代後半で結婚を具体的に考え出すタイミングで『(転勤が多い)今の会社じゃキツいな』ということに気付くのでは」と推測しています。


投稿に対し、まったく同じような状況の会社で20代後半~30代前半の人がどんどん退職している、という報告が相次ぎました。また、「世帯年収をいきなり半分にされそうになったら、躊躇無く会社なんて辞めるよ」「パートナーの心的負担、転職マーケットにおけるブランクが発生するリスク、世帯年収の激減等考えると、共働きしている家庭の転勤リスクは半端ない」といった具体的な指摘も出ています。


これはほんの一例で、Xでは「転勤によって人生設計が狂ってしまう」という話がたびたび拡散されています。共働き世帯が増えている現代において「転勤はリスクである」と捉える人が多いことが伝わってきます。

 

数か月かけた「保活」が水の泡に


Xでは、転勤の影響を受ける家族側の視点での情報も発信されています。


刺しゅう作家・イラストレーターのありまさんが「転勤とかいう参勤交代みたいな制度」というコメントとともに投稿したイラストに注目が集まりました。


夫から電話で転勤が決まった話を聞いたありまさん。ありまさんは「でも楽しみだね!うん!はーい」といったんは受け入れて電話を切ります。


しかし、電話を終えたありまさんは「なんで今!?」と涙します。というのも、転勤の報告を受けたのはお子さんの保育園の面接の前日。ありまさんは直前まで保育園の見学や、比較検討、役所への問い合わせなどいわゆる「保活」を数か月かけて行っていたのです。


転勤辞令により保活が水の泡になっただけでなく、転勤先での物件探しや新たな保育園の検討など、新たにふりかかる負担の大きさから「参勤交代かよwwww」という感想が飛び出たようです。


ありまさんは、夫の会社に対して「2歳児の10月に転勤辞令出されるのちょっとしんどい泣いちゃった」と綴っています。


「転勤とかいう参勤交代みたいな制度」全ての準備が水の泡に…「ちょっとしんどい泣いちゃった」 - Togetter


Xユーザーからは「ただでさえ保育園幼稚園で胃を痛めながら手続きしているのに、この時期に辞令とは…」「うちも、長女の時これやられましたwww仕方ないってわかってるけど、やっぱ泣いた」と同情する声が。


特に小さなお子さんがいるXユーザーからは「旦那が1〜2年のスパンで福岡から北海道の間で転勤があり、2週間前に転勤が決まるという鬼のような会社で」「私も9月末に知らされて、私は仕事を、息子は保育園を『あと2日で辞めます』のスピード感だった」など、転勤を知らされるタイミングが急であることに苦労したという実体験も複数寄せられています。


転勤は一緒についていく家族にとっても大きな負担になるケースが多いようです。

 

「転勤を承知で入ったんでしょ?」と言われても


Xで拡散される転勤の話題は「転勤が負担である」とするものが多い傾向にあります。


反応の中には「では、転勤が発生しない会社に入れば良いのでは?」という疑問を投げかける声も見受けられます。この問いに対する投稿が反響を呼んだ例もあります。


あるXユーザーが「転勤を承知で会社に入ったんでしょ?」という声に対して「20代前半の未熟な時期に下した決断をそんなに重要視するかね」と投稿して注目されました。


投稿者は「人生の途中で子育て、マイホーム購入、親の介護などライフイベントが起きる中で転勤に対する考え方なんて変わるのに」と書きつつ、「労働者側は転勤が嫌になった時点でとっととやめればいいと思う」という立場を示しています。一方で、「管理職の立場からすると、金をかけて雇用してきた社員が転勤ごときでぽんぽん出て行かれるとたまったもんじゃないだろうなと思う」とも書いています。

投稿を見た人からは「考え方が変わるのが普通だよな」「就活で思ったけど、将来の選択を20代という社会の右も左も、なんも知らない状態でしろってほうが無理!」と理解を示すコメントが寄せられました。


一方で「就活する際、総合職の転勤の有無や子供を育てる場合の転勤の有無もいろいろ質問して、結果『無理だ』と思って違う会社を受けた」「面接時に『転勤できる?』と聞かれたので、『それはその時にならないと分かりませんし、その時無理ならクビでもかまいません』と言った」など、就活の時点で転勤についてのスタンスを決めていたという人もいます。


転勤に関するXの話題を見ていると、ライフステージの変化や、家族との兼ね合いで揺れ動く声が多数見受けられます。マイナビが2023年に行った大学生の就職意識調査の結果でも、「行きたくない会社」の条件として「転職の多い会社」が第2位にあがるなど、今後も転勤を敬遠する人が増えていくことが予想されます。


就職活動で転勤の有無について気になった人は、Xで話題になった過去の事例をたどるとキャリア選択の参考になるかもしれません。

以上、Togetterがお送りする「3分くらいで分かる週刊X(Twitter)トレンド」でした。

 

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