ぶただけど、ぶたじゃなかった!~日本脳炎~
@Butayama3 個人的にはすごく知りたいので質問をお願いしたいです…少し離れますが、「炎」とつく病気、腸炎とか炎症とかよく聞くけれど、その「炎」ってなんなんだろう、とか…。
2016-07-23 09:09:36炎は「炎症」の炎なんでしょうけれど、じゃあ「炎症」ってどういうこと?という話ですね。
@Butayama3 いやまて、必ずしも「消防」としての機能があるわけではないな。基本としては「組織がダメージ受けて破壊される」のがベースなんだけど、これがしばしば、感染なんかのときに病原体をやっつけるときにも起こるので、この場合が「破壊消防」みたいになる。
2016-07-23 09:39:20@y_tambe えっ、基本、病原体をやっつける機能なのではないの? 「たまたま」ってどういうことですか?
2016-07-23 09:44:19@Butayama3 体内に病原菌が侵入してくるじゃろ? で、そいつらの中には、ヒトの組織を消化分解(プロテアーゼとかの酵素で)して自分のエサにしようとするヤツとかがおったりする。すると、それで組織が壊されて「炎症」が起きる。その一方、じゃあそいつらをやっつけようと(続
2016-07-23 09:44:35@Butayama3 承前)「免疫」が働き、白血球とかがやってきて病原菌との戦いが起きると、菌を殺すために作られる活性酸素とかが、本来の組織にもダメージ与えたりする…流れ弾みたいなもんやね。そうすると、またそれが「炎症」になったりする。
2016-07-23 09:47:27@y_tambe あれ、二段階になってる。 他人にやられて壊れる、自分で壊す、の二段構え。
2016-07-23 09:50:00@Butayama3 あと、実際のところ、病原体の中には、そういう派手な「戦い」を避けるため、組織の破壊とか変化とかを最小限に留めることで、免疫の目を逃れようとするヤツも結構多いのね。だけど、免疫はそれを上手く見つけて攻撃する。この場合は「自分で壊す」が炎症の主因になるのね。
2016-07-23 09:55:47@Butayama3 まぁいずれにせよ、破壊は破壊、なんだけど、ヒトのからだは元々、そういう「破壊」とその「修復」が折り込み済みのシステムなわけで。ただ、あまりに大規模な破壊(=炎症)は不都合が多いので問題になるわけ。
2016-07-23 10:00:24@Butayama3 んで、炎症の中でも、脳炎とか髄膜炎とかの中枢神経系のは特殊だったりする。神経細胞って元々、他の組織と違って、そうそう「修復/再生」が行われない(神経可塑性とかの仕組みが見つかってはいるけど)。そのかわりに感染がめったにおきないようバリア(血液脳関門)がある。
2016-07-23 10:04:09炎症には熱がつきものですよね。
@Butayama3 あー、その喩えでどっちかと言われると説明しずらいな。熱を持つのは、主に、炎症部位に集まってきた白血球とかが分泌する、炎症性サイトカインっていうタンパク質の働きの一つ。その部分の温度を上げることも、病原体を弱らせる効果があるので、破壊の一部といえなくはないか。
2016-07-23 10:09:32@Butayama3 やや専門的な話になるけど、「炎症が起きてるかどうか」を判断するのって病理医の担当分野で、その判断基準の一つが「その組織に白血球が集まったり、まわりに浸潤してたりするか」ってのがあるわけね。脳炎も同様。ところが、実は脳は本来、関門のため白血球が巡回してない(続
2016-07-23 10:16:55@Butayama3 承前)なので脳炎は、病気の進行に伴って脳血液関門が破綻、白血球が集まると考えられてた……のだけど、実は「別ルート」がこないだ見つかって話題になった | リンパ管:巧妙に隠されていた脳の秘密 | サイエンス誌 - sciencemag.jp/breakthrough/2…
2016-07-23 10:22:11@Butayama3 まぁもちろん、正常な組織も弱るんだがな。背に腹は代えられんので、仕方ないから両方弱らせて、病原体をやっつけたあとで「修復」。
2016-07-23 10:33:34@y_tambe そうねえ、多少の破壊は仕方ないわねえ。 あ、だから抗体があるとすごくいいのね。 ピンポイントで効くから。
2016-07-23 10:35:37やったー!