過去長まとめシリーズ6 「良いデフレは死んだデフレだけ」

過去の連続長文ツイートをひたすらまとめていくシリーズその6 デフレにまつわる「誤解」についてひたすら説明してます。メンションついてますが、それは気にしないで下さい。意味は概ね通ると思います。 (2010/08)
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Nurekaeru @Nurekaeru

@hokusyu82 まず、一般にインフレ下においても銀行預金にはそれ相応の利子がつきます。http://j.mp/d7PWIX

2010-08-18 08:26:28
Nurekaeru @Nurekaeru

@hokusyu82 概ねごらんの通りで、予想を超える「急激な」インフレが起こった時のみ、預金金利は物価上昇率を下回っていることが見て取れると思います。 つまり「インフレはわずかな貯蓄に頼って暮らすものにとって害悪」という理論は、そもそも現実と少々乖離しているのです。

2010-08-18 08:27:14
Nurekaeru @Nurekaeru

@hokusyu82 端的に言って、銀行が金主に提供することの出来る実質利子率というのは、どれだけ市中に資金需要があって、そこにどれだけ資金を回して利息を取ることが出来るか、平たく言い換えれば景況に依存しているのであって、それはインフレデフレとは直接的には別の話です。

2010-08-18 08:28:02
Nurekaeru @Nurekaeru

@hokusyu82 ついでに「わずかな貯蓄に頼って暮らす人」論のもう一つの問題点を指摘しておきますが、「わずかな貯蓄」の原資となったのは恐らくはその人の過去の労働の対価ですよね?

2010-08-18 08:29:19
Nurekaeru @Nurekaeru

@hokusyu82 つまりある人の現役世代には労働者を助ける経済情勢で、いざ引退したら(敢えて言いますが)資産家を助ける経済情勢になったとして、そりゃその人にとっては結構な話ですが、当然タイミングが悪くて逆の目に遭う人もいるでしょう。

2010-08-18 08:29:49
Nurekaeru @Nurekaeru

@hokusyu82 そう言う人に己の生まれの不幸を呪って諦めろと言うわけにはいきません。つまり貴方が味方している「労働できない人」というのは今この時点でのそう言う人だけなのです。過去の人にも未来の人にも与えない恩恵を、何故今の人だけに与える必要があるのでしょうか。

2010-08-18 08:30:43
Nurekaeru @Nurekaeru

@hokusyu82 …とここまで書いてきて、どうも、デフレが絶対悪である理由が一般にきちんと認識されてないような気がするので、蛇足ながらここを明確にしておきます。

2010-08-18 08:31:47
Nurekaeru @Nurekaeru

@hokusyu82 まず、先ほども言いましたが、ある一定の額の資金を融通してもらった時に支払うことの出来るお礼(=実質金利)の多寡というのは、その時の経済状況に依存するものであることはおわかり頂けると思います。

2010-08-18 08:32:23
Nurekaeru @Nurekaeru

@hokusyu82 また一般に 名目(額面)金利[A]ー物価上昇率[B]=実質金利[C]。 これは言葉で言うと、実質金利に物価上昇率を上乗せした額が適切な名目金利であることを表しています。

2010-08-18 08:33:48
Nurekaeru @Nurekaeru

@hokusyu82 さて、BとCは主に金融政策と景気状況によって決まるのが正しいはずですが、この式が引き算であり、Aは0以下に出来ない、という2つの条件から、Bがマイナスに陥った時に困った事態が起こります。

2010-08-18 08:34:36
Nurekaeru @Nurekaeru

@hokusyu82 別々の要因で決まっていたはずのBとCが強制的にリンクされ、Cには何をどうやってもB以上の値を代入しないと式が成り立たなくなってしまうのです。。

2010-08-18 08:35:06
Nurekaeru @Nurekaeru

@hokusyu82 ここでAが0だとしましょう。この状態は一般的に金融が緩和されている状態、つまり当局は景気を良くしようと最大限努めているのですから、論理として只今の景気は停滞中なはずです。なのにBの下落分に相応するだけの実質金利を「強制的に」支払わされることになるのです。

2010-08-18 08:35:57
Nurekaeru @Nurekaeru

@hokusyu82 皆が皆、本当なら懐事情的に払えないような額のお礼を無理矢理支払わされるのですから、当然経済全体は萎縮しますし、また何もしなくても(タンスにしまっておいても)自動的に実質金利が付くわけですから、お金を持ってる人はそれを貸し付ける必要すらないことになります。

2010-08-18 08:36:46
Nurekaeru @Nurekaeru

@hokusyu82 かくしてデフレ下においては資産家に対する巨大な所得移転が「自動的に」進むことになります。これは一見資産家にとって夢のような状況に見えるかもしれませんが、言うまでもなくこんなものはまやかしです。

2010-08-18 08:37:18
Nurekaeru @Nurekaeru

@hokusyu82 一方インフレの場合に、逆方向への所得移転が「自動的に」進むとは、この面からは言えません。なぜならインフレ下においては計算式上の制約がないので、経済成長に相応しい実質利子率を確保する名目利子率をセット出来るからです(だいぶいい加減な説明ですが)。

2010-08-18 08:38:51
Nurekaeru @Nurekaeru

@hokusyu82 確かにインフレは貨幣価値の下落ですから「何もしないでタンスに寝かせていれば」次第に減価しますが、それを食い止める方法はいくらでもあります。端的に言えば定期預金を組むだけで最低限の防衛は可能なのですから。それすらしないならそれこそ「自己責任」と。

2010-08-18 08:39:27
Nurekaeru @Nurekaeru

@hokusyu82 で、もう一点。恐らくこれはウケが悪いポイントだと思いますが、現代資本主義経済においてはマイルドなインフレこそが政経の常道なのです。何故かと言えば「叩いたり搾ったり」しなくても技術革新等によって生産性は毎年ほぼ一定のペースで次第にイヤでも向上するからです。

2010-08-18 08:40:08
Nurekaeru @Nurekaeru

@hokusyu82 つまり去年の労働より今年の労働の方が価値が高い社会においては、過去の生産労働の成果たる溜め込んだ財貨の価値は、「何もしなければ」減価していくようにしたほうが収まりが良い。…自分で言ってて、これは納得得られそうにないなと我ながら思いました。

2010-08-18 08:43:05
Nurekaeru @Nurekaeru

@hokusyu82 まあ、気を取り直して、煎じ詰めて言えば、インフレとデフレというのは鏡の両面みたいに対称的な存在なのではなく、インフレ時なら適切にコントロールできるものが、デフレ時にはコントロールできなくなる、と言う意味で正常と異常、巡航と失速として捉えるべきなのです。

2010-08-18 08:43:43
Nurekaeru @Nurekaeru

@hokusyu82 …えー、長々と呟き続けて参りましたが、デフレとインフレについてはこんなところでしょう。以下、分配の問題について様々おっしゃられていることにはうなずける点も多いのですが、基本的にそれはインフレデフレの話とは切り分けて考えるべきだと思います。

2010-08-18 08:45:07
Nurekaeru @Nurekaeru

@hokusyu82 あとは…、そうですね。インフレターゲッティング、量的緩和、そしていわゆるリフレ政策。その辺がなんか時としてかなりごっちゃになっちゃってるような気がするんですよね。これは北守さんがどうこうと言う話ではなく。

2010-08-18 08:46:40
Nurekaeru @Nurekaeru

@hokusyu82 お陰でお互いがお互いに、微妙に曖昧なターゲットと格闘を繰り広げつつ、結果としていまいち噛み合わないという隔靴掻痒な議論になってる感じがなきにしもあらずで。

2010-08-18 08:47:55
Nurekaeru @Nurekaeru

@hokusyu82 ちなみに個人的にはとにかくまずは総需要を刺激せよ、(インタゲの)話はそれからだ。今インタゲだけ唱えたって無駄だぞというスタンスですが、こういうのだって広義のリフレ派に入るんでしょうね。多分。

2010-08-18 08:48:46
Nurekaeru @Nurekaeru

@hokusyu82 あ、ちなみに、経済学プロパーの人が見たら失笑モノの誤謬とか用語誤りとかあるかもしれませんが、もうその辺については知りません。批判を頂ければ幸いです。てなところで長々と失礼いたしました。

2010-08-18 08:49:35