@garetisa 息を呑む…兎が喋ったことに? 助けを、求められたことに。 「あの、私…」 『…ふむ、君は未だ人であるか』 首を傾げる様な仕草をして、兎は言う。
2016-08-02 18:06:37@garetisa 『であるなら、すまない、聞かなかったことにしてほしいのであるよ』 4つ脚を地に付けて、とん、と地を蹴ったその兎の姿は、 瞬きをする間にまた、家々の間の暗がりに消えた。
2016-08-02 18:07:543日目
[町]背後から、ふしゅるふしゅる、と奇妙な音。振り返ると2mを越す躯体の怪物が、君を見下ろしている。《力3以上で勝利【魂+1】、力2以下で死亡【魂-1/異形『爪(力+2)』を入手】》 #黄昏町の怪物 shindanmaker.com/541547
2016-07-30 09:52:39@garetisa 俯いたまま、歩き続ける。 ずるずると、重い脚を引き摺って。 此処に来てから、どれだけ時間が立ったか分からない。 変わらない黄昏の空、歩く道すら、赤く、紅く、朱い。 止まってはいけない気がした。 もう二度と立ち上がれなくなってしまうから。
2016-08-02 18:31:44@garetisa そんな風に歩き続けて…いつしか其処は、行き止まり。 高い高い塀のその向こうにも、黄昏の空。 溜息を付いて、振り返ろうとするその背中に、 ふしゅるふしゅると奇妙な音。 生暖かい、風。 振り向いては、いけない。 振り向いては…
2016-08-02 18:31:52@garetisa 言い聞かせても、止まらない、体の動き。 じりじりと、視界が、広がる。 見える、朱色、緑、鱗。 ちろちろと、出し入れされる舌が二股に割れて。 「あ…あ…」 目を見開く、金色の瞳と、目が合った。
2016-08-02 18:32:00@garetisa 『眠りたい?』 ふしゅるふしゅる、口の端から零れる息の音。 『アタシも、眠りたいんだ』 その背の薄青い翅がきらきら、鱗粉が降る。
2016-08-02 18:32:094日目
[ハンドアウト]気が付くと、線路脇のフェンスに凭れている。歪んだ金網の影が、君に絡むように貼り付いている。《開始地点[町]shindanmaker.com/541547》 #黄昏町の怪物 shindanmaker.com/541552
2016-07-31 00:06:16@garetisa ぱち、と、目が覚める。 かーんかーんかーんかーん 鳴り続ける踏切、頬に当たるフェンスの固い感触。 赤錆びた匂い。 かーんかーんかーんかーん 鳴り続ける踏切、黄昏の空、 私の膝の上に黒々と落ちる延々と続く十字の影。
2016-08-02 18:35:58@garetisa …電車は来ないのだと、知っている気がする。 かしゃん、と、フェンスを掴んで立ち上がろうとする。 ちくり、と、掌に走る痛み。 ぱた、ぱた、制服に滴り落ちる、紅。
2016-08-02 18:36:13@garetisa フェンスを掴んだ掌から、紅い、紅い、雫が落ちる。 その手の爪が、薄青く翅の様に、きらきら、輝いて紅に染まる。 …譲られたのだと、不意に理解した。
2016-08-02 18:36:20[町]「グルルルル…」低い呻り声。瞬きの間に、その影は君の目の前に迫った。速い。《力3以上で勝利【魂+1】、力2以下で死亡【魂-1/異形『獣足(探索+1、力+1)』を入手】》 #黄昏町の怪物 shindanmaker.com/541547 割と速攻死んだ
2016-07-31 00:06:44@garetisa 掌を其の侭に歩き出した。 ぱた、ぱたと滴る雫が 自分が生きている事を教えてくれるようで、少しだけ安心した。 だから、其れは必然だった。 滴る赤い雫の匂いに、惹かれて現れた、黒い、獣。
2016-08-02 18:37:14@garetisa 唸り声、たわむ脚、ほら、直ぐ目の前に。 どさりと、押し倒される。 咄嗟に獣を押し返すように、手を伸ばす。 ぱたり、ぱたり、腕を伝い、頬に落ちる赤い雫。 闇雲にもがいても、押しのけられはしない。
2016-08-02 18:37:28@garetisa 首元に、視線。 「い、いやぁ…」 怖い、怖い、ぼろぼろと、涙がこぼれる。 曇る視界で見上げた其の獣の その金色の瞳から、滴り落ちる赤い雫。
2016-08-02 18:37:47@garetisa 死亡二度目、【魂-1/異形『獣足(探索+1、力+1』を入手】 【魂9/力3/探索1】『爪(力+2)』『獣足(探索+1、力+1』
2016-08-02 18:37:045日目
[ハンドアウト]時刻を告げるチャイムが廊下に響き、君は意識を浮上させる。時計はいつまでも、午後6時6分を示したままだ。《開始地点[学校]shindanmaker.com/541542》 #黄昏町の怪物 shindanmaker.com/541552
2016-08-01 08:11:00@garetisa いつもと同じ音がして、ゆるゆると意識が戻る。 授業中に眠ってしまっただろうか。 いつの間にか、机に突っ伏していた顔を上げる。 黄昏に染まる教室…古びた、木の机、見慣れない黒板。 帰れない、還れない。
2016-08-02 21:01:18