【ヴァルプルギスの華燭】一日目昼――第二の間

昼フェイズ、戦闘
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ジタ・トリウィア @walp_zi

それは牙を伝い、彼女の中へ。周囲に広がる血溜まりは幾多もの槍を成し、体内へ向かった血も同様に形を変えようとするだろう。それは内外から、マリアを貫かんとするだろう。 ——その、血槍が出来上がるのが先か、ジタが事切れるのが先か。 ジタは最期まで、笑っていた。微笑んでいた。

2016-08-03 00:36:49
ジタ・トリウィア @walp_zi

その笑みが、何を意味するか。何を思って彼が微笑んでいたのか。 ——果たして、それは。

2016-08-03 00:39:24
マリア・ガルシア @ro_akiyui

——気が付くと、マリアの身体は、血槍によって貫かれていた。数え切れないほどの血の槍。数えようとも思わないほどの数。流れ出す血の感触。微かに、痛い、と思った。思えた。

2016-08-03 01:18:03
マリア・ガルシア @ro_akiyui

——気が付くと、マリアの牙は、ジタの身体に喰らい付いていた。肉の感触。失われていく生の感触。力を込めれば骨が折れ、血の味が舌の上を滑っていく。マリアは確かに、この命の終わりを感じた。

2016-08-03 01:18:29
マリア・ガルシア @ro_akiyui

マリアと言う名の大蛇は、戯れに顎を開き、支えを失ったジタという男の身体が倒れるのをなんとはなしに眺めた。破れた腹から血が流れている。痛い。意識が靄がかったように遠退く。それをどうにか繋ぎ止め、大蛇は再び顎を開く。 ジタの身体を食み、その肉を飲み込んだ。跡形もなく、一飲みにした。

2016-08-03 01:19:20
マリア・ガルシア @ro_akiyui

そうして大蛇はのろのろと頭を下げ、ゆっくりと地に伏した。 「その、眠りに、」 銀色の目を閉ざす。もはや白い身体は影形もないほど赤く染まり、弱りきっていた。 意識が遠退く。 「どうか、安らぎの、あらん、ことを……」

2016-08-03 01:19:32
マリア・ガルシア @ro_akiyui

祈りの言葉は、一つの癖のようなもの。本当に祈る神もいないのに、自身が齎す死であるのに、死にゆく者らのその誰しもが、どうかそうあれば良いと、マリアはいつも願ったのだった。 ——そうしてマリアは知るだろう。死の眠りの、真実穏やかなることを。

2016-08-03 01:19:56
《ヴァルプルギスの華燭》管理アカウント @walpurgis_marry

鐘が鳴る。 それは祝福であり凱歌である。 眠りはひととき。 その魂に休息を。 #ヴァル華

2016-08-05 01:59:17