【ヴァルプルギスの華燭】一日目夜

晩餐、交流フェイズ
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マリア・ガルシア @ro_akiyui

途中、顔の無い人形たちからワインの注がれたグラスを受け取りつつ、既に食事を摂り始めているらしい彼女の隣に腰を下ろした。 「きっと彼らもそうなのでしょうね」 そうして大広間の扉へと顔を向け、見え始めた幾つかの人影に、マリアは黒布の下で微笑んだ。

2016-08-06 23:16:05
アルティメット @ultbeelz

半身たる蜘蛛にも似た大食たる女がいた。楽しげに談笑する者らをフードの奥に隠された眼がしかと見据える。 他の女性陣は始めようとしていた、あるいは始めていたらしい。食事の行為に喉を鳴らしつつ、女人もまた会場へと入り込んだ。

2016-08-06 23:50:24
アルティメット @ultbeelz

「然り。妾(わたし)もまた参加者である。最もお相手らはゆっくりとしているらしい」 見合い相手の男性もまたぽつぽつと現れているが。それまではゆっくり構えて食事でもしていようと考え、サラダを物色し始める。とれるものだけ取って逡巡した先に、声を掛けられる。

2016-08-06 23:51:47
アルティメット @ultbeelz

「リーズヴォルプか。久しい気もする」 あるいはさっき振りかもしれない。個体名アルティメットは人の身のみでサラダを頬張る。 無論、あの巨体はこの場にはいなかったが。どこかで食事でもしているに違いない。

2016-08-06 23:51:57
ヤマナ @akumayamana

豚肉を炙ったような匂いがした。 「ほお、ここが好敵手ほ集う広間かへ」 豚肉を串刺したものを、しゃぶるように食べている男。 それが、扉をくぐって来た。 「……ほおん」 串をコップに立てて、日本刀の柄に手を添える。 じっと、一人ひとりの二の腕や首元を眺めた。

2016-08-07 00:53:20
ヤマナ @akumayamana

「……いや、認めたくはないがね……ここの全員を一度に相手するのは、すこし、無理がありそうだ」 スーツ姿の男は、指で頬をかき、柄から手を離した。

2016-08-07 00:53:33
ヤマナ @akumayamana

「昼にがっつりと、だな  まあ、俺はそういう戦い狂いなところがある。だから大目に見ろとは言わんが、許せ。いまのは戯れだ」 両手を腹につけて、頭を下げた。 冷や汗が滴る。……いや、脂汗か。

2016-08-07 00:53:36
リーズヴォルプ @varp_m_rizvolp

ゆらゆら揺らしながら持っていた角を適当に立て掛けて、彼もこの催しの参加者らの集まっている方へ寄る。白い女、アルティメット以外は、黒い装いの女と、近づくにつれあたりにかすかに漂う匂いで分かったが酒を水のごとく飲み干している黒髪の女。近寄る途中受け取った器には果実酒が注がれていた。

2016-08-07 07:53:56
リーズヴォルプ @varp_m_rizvolp

「はて、久しいか?然程経っているとは思わぬが。まあ気にするな、顔見知りが居るなら名の一つは呼んでみるものぞ」 こちらのことは特に気にする必要はない、というのは遠回しに。 蜘蛛と二人で揃いだという彼女の、その片割れはどこにいるのかとは思ったが、どこぞに控えているのだろう、と

2016-08-07 07:55:15
リーズヴォルプ @varp_m_rizvolp

彼は勝手に思っておくことにした。顔を見たら先程の顛末もなんとなくだが思い出してきた、とも思っている。 それから新たに大広間に現れた窮屈そうな印象の装いの男に呵々と笑った。 「なんと戦好きな者もいたものぞ、第一声がそれとは!しかし許しをなどと言う必要もないと思うがのう?」

2016-08-07 07:55:59
リーズヴォルプ @varp_m_rizvolp

そう思ったのは己だけかもしれないが。構えていたのは細身の剣だろうか、思いながらこちらへ寄れば良いと男を呼ぶ。 …これで己を入れて五、あとひとりはいるはずだが。自己紹介なりをするなら、全員揃ってからが良かろうな、と彼はひとりごちる。

2016-08-07 07:56:51
ヤマナ @akumayamana

「ほっ……感謝する、鹿のお方  ときに、あなたの半身は鹿で合っているかな?」 油めいた髪の男は首を傾げるようにして、確認をする。間違ったら失礼だろうから、と。

2016-08-07 11:37:49
ジタ・トリウィア @walp_zi

隣を誰かが歩き抜けていく。ジタはちらっとそれを見やり、息を吐いた。不躾な視線は慣れたものだ。慣れてはいるがストレスにならないとは言ってない。黒衣となった血以外の、蠢めくそれを体内に戻しながら、彼は大広間に繋がる扉を開けた。 「……あー、遅れた?」 第一声は何とも情けなく響いた。

2016-08-07 10:07:22
くちなわ @cuchinawa

「己縛るもの、己のみなれば」 椅子の下に瓶を置きながら、くちなわは静かに言った。 「遅れ来るも来るに同じ」 微かに漂って来た血の匂いは、朱の酒に新たな風味をもたらした。あはれなり。 「席数見れば、これで一同揃い踏みか。―――乾杯」 そうしてまた瓶が置かれた。

2016-08-07 10:34:38
アルティメット @ultbeelz

最後の相手を見留め、女人は頬張っていたサラダの皿を人形に預けた。かわりとして蒸留酒を求め、グラスを手に取った。さほど中身を見ずに手にしたものは確かに求め市酒であり、このパーティのシステムについては慣れてきた。 「乾杯」 杯を交わす始まりの合図に、初の試みに同調した。

2016-08-07 15:03:51
ヤマナ @akumayamana

くちなわに応える格好で、 「乾杯だ」 葡萄酒を口に付け、唇を湿らせる。 ふと、ジタに言葉を掛けた。 「俺もいま来たところよ  どの酒が好みだ。ちょうど、色々と持たせている」 盆を構えたメイドを見やる

2016-08-07 11:38:06
リーズヴォルプ @varp_m_rizvolp

零してすぐ顔を見せた最後のひとりに、悩むのは早計だったと思いながらほれ寄れ寄れと呼びかける。 剣持つ男の確認には呵々と笑って、 「おうとも。我が半身は鹿よ、ほれ、角もこの通り」 己の角を指しながら答える。 「鹿のお方、では面倒じゃろ。朽ちた森の捻れた大樹、リーズヴォルプと申す」

2016-08-07 14:02:50
リーズヴォルプ @varp_m_rizvolp

名乗りは彼ひとりだけにではなく、この場の五人へ向けて。好きに呼べ、とも付け足してから、二人にならって、 「乾杯」 軽く器を捧げ持ってのち口をつけた。久々の酒である。うん、美味い、と味にひとしきり頷いて、一息に呷る。それから近くにいたヒトガタへ次を頼んだ。

2016-08-07 14:03:14
ヤマナ @akumayamana

「これはすごい角だな。我が愛刀に、勝るとも劣らぬ。よい物をお持ちだ」 あっと声をあげる。 「そうだな、リーズヴォルプよ。俺も名告っておこう」 むろん、他の者にも聞かせる気で。

2016-08-07 22:04:35
ヤマナ @akumayamana

「ヤマナという。山名能登路だ  半分流れの傭兵みたいなものだが、俺自身の武技に自信があってここに来た。よろしく頼むよ……」 戦場でない分、いささか声のトーンは落ちていた。

2016-08-07 22:04:40
マリア・ガルシア @ro_akiyui

扉の向こうから現れた人々(と表現するのが正しいのかは微妙だ)は、各々グラスを、或いは皿を、或いは得物を手に席に着いていく。 「——神よ、このような席につけること、感謝致します」 祈りは小さく、自らの内側に語りかけるようなささやかさで。グラスを掲げ、黒布を避けて口をつける。

2016-08-07 23:10:59
マリア・ガルシア @ro_akiyui

それでも決して顔は見せず、静かにグラスをテーブルに置いた。 「私はマリア・ガルシアと申します」 先に名乗った二人に続くようにして名乗り、それからすい、と顔を動かし。 「ジタ様とは二度目になりますね。またお会い出来て嬉しいです」 黒衣の男——ジタを見て、黒布の下で微笑んだ。

2016-08-07 23:11:36
ジタ・トリウィア @walp_zi

寛大な言葉の数々に、ジタは目を瞠った。拍子抜け、と言えばそれまでだが、兎にも角にも意外ではあった。しかし、少し考え込み、考えを改めた。なんせ、此処にいるのは強き者ばかりだ。経験的に、心が狭い奴は皆弱かった。 うん、と頷き、彼は呼ばれるままに、リーズヴォルプの方へ歩み寄る。

2016-08-07 23:35:26
ジタ・トリウィア @walp_zi

「酒は……葡萄酒が好きかな」 ヤマナの問いかけに笑いながら、顔のないメイドから攫うように杯を受け取る。そのまま歩きつつ、それに口をつけた。行儀などあったものではないが、口の中に広がる味にジタは満足げだった。 先に名乗った二人、そうしてマリアの名乗りに相好を崩し、目を細めた。

2016-08-07 23:35:35
ジタ・トリウィア @walp_zi

「君にそう言ってもらえるのは光栄だね。こちらこそ、また会えて嬉しいよ」 言葉を向けるは、マリアへ。その声音は柔らかく、楽しそうであった。 そうして、緩やかにテーブルを見回し、白髪を揺らした。白い双眸は弧を描き、底が見えない浅い笑みを浮かべた。 「ジタ。ジタ・トリウィアだ」

2016-08-07 23:35:40
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