レジェンド・オブ・エイトフィート

創作勢百物語企画! 子供を攫う不気味な巨人に狩人達が挑む!
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Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

リカルドは納得したように頷き「イヤーッ!」嵐が拘束されていた石柱をカラテで破壊した。鎖の拘束が緩み、嵐は力を取り戻して脱出した。「よし、ありがとうな!」「取り敢えず、子供たちを船の傍まで移動させるぞ」「あのエイトフィートは、どうしますか?」鳥海が問うた。 21

2016-08-16 15:36:06
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「あ、心配はないだろ」リカルドは子供の口から強引におしゃぶりを引き抜きながら、事も無げに言った。「深海棲艦相手なら、アイツが負ける道理はないさ」 22

2016-08-16 15:36:54
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「グワーッ!」エイトフィートは海面に叩き付けられた。彼の者は頭を振ってすぐに起き上がる。見上げれば、月は岩山の頂付近まで登っていた。そして、岩山に穿たれた大穴から子供たちが運び出される様が見えた。「ぽぽぽぽぽ!」エイトフィートは怒り、駆けんとした。その前に死神が舞い降りた。 24

2016-08-16 15:40:46
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「どこへ行くつもりですか?」センコめいて窄まった左目でエイトフィートを睨み、吹雪は立ち塞がった。「貴方の相手は私だ、深海棲艦」エイトフィートは口から零れた青黒い血を拭った。「しかし、噂の化け物の正体が深海棲艦とは…オバケの正体見たり、と言うわけですか」 25

2016-08-16 15:44:21
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「ぽぽぽ!ぽぽぽぽぽ!」エイトフィートは激しく首を横に振った。そして、途切れ途切れに言った。「ぽぽ…深海棲艦、チガウ!ぽぽぽぽぽ……!エイトフィート、神様!」「嘗ての貴方がどうであったかなぞ関係なし、今の貴方は紛う事無き深海棲艦だ」吹雪は憤怒と憎悪を以て睨み付けた。 26

2016-08-16 15:47:49
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「そして仮に、貴方が真に神であったとしても私には関係のないことだ」吹雪は全身の艦娘筋肉を軋ませた。「人の未来を無下に奪う以上、私が貴方を殺すことに変わりはない…深海棲艦、殺すべし!」「ぽぽぽぽぽォー!」エイトフィートと吹雪は同時に飛び出した! 27

2016-08-16 15:50:37
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「イヤーッ!」エイトフィートはハンマーめいて長い腕を連続して叩き付ける!SPRAAASH!SPRAAASH!SPRAAAASH!「イヤーッ!」吹雪は3連続側転回避でエイトフィートの側面を取る。「イヤーッ!」脇腹に槍めいたサイドキック!「グワーッ!」命中! 28

2016-08-16 15:54:58
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

エイトフィートの体がくの字に折れ曲がる。だが、驚異的な耐久力によってカラテ衝撃に耐え、反撃のチョップを繰り出す!「イヤーッ!」「イヤーッ!」チョップをハイキックが迎撃!節榑立った指が数本圧し折れる!「グワーッ!」吹雪はそのまま踏み込むと、ポン・パンチを放つ!「イヤーッ!」 29

2016-08-16 15:59:57
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「グワーッ!」エイトフィートはポン・パンチの衝撃によってタタミ3枚分後退する。「もらった!」吹雪は矢の如く駆け出す。これで勝負を決めるつもりだ!エイトフィートは懐から鎖を取り出すと、それを鞭めいて振るった!「イヤーッ!」「イヤーッ!」吹雪は鎖をチョップで迎え撃つ! 30

2016-08-16 16:04:40
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

チョップは鎖に命中した。だが、接触したその瞬間、鎖は蛇めいて吹雪の腕に絡みついた!「何…?」「ぽぽぽぽぽ……コソク!」エイトフィートは奇妙なシャウトを発した。刹那、鎖に淡い紫色の光が灯る!吹雪は己の力が霧散するのを感じ、思わず膝をついた。「これは…!」 31

2016-08-16 16:09:44
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

吹雪は目を見開いた。エイトフィートはジツを隠し持っていたのか!「ぽぽぽ…コソク・ジツ、お前を逃がさない…ぽぽぽぽぽ……!」エイトフィートは勝ち誇ったかのように嗤い、吹雪を蹴り飛ばした!「イヤーッ!」「グワーッ!?」吹雪の体が宙に浮くが、鎖によって引き戻される! 32

2016-08-16 16:13:37
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「イヤーッ!」殴る!「グワーッ!」引き戻される!「イヤーッ!」殴る!「グワーッ!」引き戻される!ナムサン!このままでは吹雪はヨーヨーめいて弄ばれ死を迎えるのみ!「ぽぽぽぽぽ……!神の、怒りで、沈め!」エイトフィートはカラテストレートを振りかぶった!アブナイ! 33

2016-08-16 16:20:44
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

カラテストレートが振るわれたその瞬間、吹雪の左目の緑の炎光が激しく燃え上がった。鎖が纏わりついた腕に、緑の炎光が灯った。吹雪はカラテストレートを、カラテストレートで迎撃した。「イヤーッ!」「イヤーッ!」KRAAASH!「グワーッ!」苦悶の声を上げたのは…エイトフィートだ! 34

2016-08-16 16:30:11
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

エイトフィートの腕は2人分のカラテ衝突によって生み出されたカラテ斥力によって、ズタズタに引き裂かれていた。一方、吹雪の腕も無事ではない。「スゥーッ…ハァーッ…」だが調息によって痛みを殺すと、瞬く間にエイトフィートのワン・インチ距離へと詰め寄った。「イヤーッ!」「グワーッ!」 35

2016-08-16 16:34:13
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

吹雪の無慈悲なケリ・キックは、エイトフィートの両膝を無慈悲に破壊した。エイトフィートは力なく座り込む。「これで見上げずに済むようになったな、エイトフィート=サン」吹雪は鎖から無事な腕を引きずり出し、構めいたチョップを掲げた。「ハイクを詠め。カイシャクしてやる」 36

2016-08-16 16:38:30
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「ぽぽぽ…ぽぽぽぽぽ……!」エイトフィートは憎悪の表情で吹雪を見上げた。「ぽぽ…私は、神だぞ!それを、殺す…?ぽぽぽぽぽ……!」堕ちたる神は怒りに身を震わせ、呪詛とカラテを振るう!「不遜!滅びよ!イヤーッ!」エイトフィートは口から汚泥めいたものを吐き出す!何らかの毒だ! 37

2016-08-16 16:51:42
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「ぽぽぽぽぽ……!滅べ!沈め!」「イヤーッ!」吹雪はチョップに緑の炎光を纏わせ、汚泥に叩き付けた。汚泥は緑の炎光に触れた先から焼き尽くされ、消えていく。エイトフィートは目を剥いて叫んだ。「バカナー!」「イヤーッ!」チョップがエイトフィートを袈裟懸けに引き裂く!「アバーッ!」 38

2016-08-16 17:00:14
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

エイトフィートは天を仰ぎ絶叫!その傷口から緑の炎光が燃え上がる!「アバババーッ!」「やはり貴方は深海棲艦だ」吹雪はただ淡々とそう言った。「嘗ては土着の神であったのかもしれないが、貴方は堕ちた。堕ちて人を害した…ならば、私が為すべきは一つだけだ」 39

2016-08-16 17:03:11
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

もはや全身を緑の炎光に覆われたエイトフィートは見た。水平にチョップを構え、己を見据える死神の姿を。吹雪は決断的に言った。「……ただ殺すのみ!イィイイイヤァアアアアーッ!」「アバーッ!」水平チョップがエイトフィートの首を、刎ねた! 40

2016-08-16 17:04:48
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

上空で、エイトフィートの首は断末魔の悲鳴を叫んだ。「サ、サヨ…ナラ!」残った体が爆発四散する。残った体は全て風化して消えた。吹雪はそれを見届けると、苦痛のあまり膝をついた。 41

2016-08-16 17:07:09
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「レジェンド・オブ・エイトフィート」#3 おわり エピローグへ続く

2016-08-16 17:07:28

エピローグ

Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「レジェンド・オブ・エイトフィート」エピローグ

2016-08-16 20:22:57
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

夜明け前、タウイタウイ基地港湾部。巨人に家族を攫われた大人たちが高速艇の帰りを待っていた。ある者は忙しなくウロウロと歩き回り、またある者は項垂れたように座り込んでいた。皆、一様に不安を抱えていた。子供たちは無事だろうか?彼らは一縷の希望に縋り、ここで待ち続けていた。 1

2016-08-16 20:27:16
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