- kanisoup23
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1.コメント欄まとめ
1)客観情報
小児甲状腺がん 粗罹患率0.2人/10万人
成人 男 3.4人/10万人
女 10.8人/10万人
福島先行検査
小児甲状腺がん
三年間の発見率 101人/38万人
※
粗罹患率:1年間の罹患数を単純に人口で割った罹患率
発見率:スクリーニング検査による発見で通常の有症状の罹患とは異なり、またその期間中の罹患とは限らないので便宜上区別のため発見率とした。
2)評価
粗罹患率と発見率を単純比較できない
→粗罹患率と発見率では、症状の有無などの違いがある
→それらの相違点の影響や他のバイアスがあれば、二つは異なる値をとる
→少なくとも相違点の影響を取り除いてない状態において粗罹患率と発見率には大きな差がある。
(0.2人/10万人と8.85人/10万人 :単年の発見率概算8.85人/10万人)
→それが真の増加か否かわからないので、スクリーニング効果や症状の有無についてまず検討する
→その後、福島の小児と対照群との症状等以外のバイアスを検討する
3)計画
①全国同条件調査
福島以外もスクリーニングし、スクリーニング効果の有無を判断
→従来の罹患率を考えると、全国の小児に検診を受けるメリットに乏しく死亡率低下に寄与しない可能性が高いため、検診実施には倫理的問題がある
→却下
②がん登録を利用した有症状罹患者数の調査
真の増加であれば、福島県で検診を受けていない集団および福島県周辺から、症状を伴った甲状腺がん罹患の増加が観察できる
→症状が出るのに時間がかかった場合小児と成人の罹患率の差から小児甲状腺がんを検討するのに適切かは不明
三県調査でサンプルが足りなかったので、統計解析が可能なサンプル数が確保できるか不明
※ 事実解明の方法を模索すべきと思うが、
もしその方法が倫理的に問題あれば却下すべきと思う。
現在事実解明の方法が十分に検討されているかといえばそうでないと思う
被曝とその他
ここでの話の進め方では、福島で小児甲状腺がんの真の増加があるか否かが問題で、被曝の有無は別問題
スクリーニング効果が否定され真の増加があった時検討されるべき問題
末尾に被爆量の疑義について個人的に気になっただけで、私は支持も否定もしておりません。
筆者たちに質問したいのですが、筆者と仲が良い人を募集してます。
細かい質問はまとめとコメントに大体あるとおもうので見て下さい。
例)
Q.韓国の過剰診断から福島もそうではないか
A.直接比較検討してないためそうとはいえない。
また韓国の方は小児+成人のデータで小児のみのデータではない
2.福島の検査の見直しについて
真の増加か否かの検証は難しいが、現実では福島の検査見直しが話題
( 平成28年度福島県小児科医会声明 http://fukushima-ped.jp/archives/147.html )
見直しについての考え
・スクリーニング検査のメリットとデメリットを検討
→デメリットに対してメリットが大きければ続行
→メリットに対してデメリットが大きければ縮小、廃止
ポイント
・小児甲状腺がんについての各種のエビデンスは殆どない
・小児甲状腺がんは適切な治療により予後良好であるが、無治療の場合の致死率等は不明
・がん検診の目的は対象集団の死亡率低下
( 日本対がん協会より http://www.jcancer.jp/ )
1)メリット
・早期発見
など
続く(tweetも拾う、情報下さい)
この早期発見メリットを示唆する論文jpeds.com/article/S0022-… は、甲状腺癌関係資料と一緒に2014年9月に健康調査課と星座長と渋谷先生に送ってますね。docs.google.com/spreadsheets/d… ちょうど2年前 twitter.com/iPatrioticmom/…
2016-08-29 11:56:55これですjpeds.com/article/S0022-… 韓国でも年齢調整後の死亡率は下がってきてますよね。ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/P… 過剰診断論で受診率下がっちゃいましたが、死亡率は低下するんじゃないですか。 twitter.com/NATROM/status/…
2016-08-29 09:05:50press.endocrine.org/doi/full/10.12… "Lymph node involvement is a known condition increasing chance of recurrence, twitter.com/NATROM/status/…
2016-08-31 09:27:47@iPatrioticmom 「リンパ節転移があるから過剰診断だ(過剰診断の可能性は低い)」という根拠は、「リンパ節転移して再手術してる方が複数いる」以外にないわけですか。
2016-08-31 08:35:51it held true in our series." "adequate treatment significantly decreased chance of recurrence. " twitter.com/NATROM/status/…
2016-08-31 09:30:22甲状腺は一度摘出してしまうと修復しませんから、一生投薬によってその機能を補わなければいけません。いまある喫緊の課題は成長期の子どもたちへなるべくその機能を残せないかということです。過剰診断論を突き詰めるとガンの進行具合と手術の有効性の検討に行きつきます。@kanisoup23
2016-08-31 05:08:20・早期発見で機能温存に繋がる可能性
片葉切除症例では
甲状腺機能低下を含めた主な術後合併症はないとされる
後述の手術適応例より(2014年10月31日時点)
こういうシステムなのか?>19歳だから、福島県立医大で治療をすれば、特例として補助、無料にしましょう、他の地での治療を受けるには、補助はしません / “甲状腺がんの福島の青年の治療費・支援のお願い: 河野美代子のいろいろダイアリー” htn.to/iEmgRB
2016-08-31 14:36:03この件かなり重要だと思うのは、一部が無責任に検査縮小といってるが、もし健康調査の検査を受けず後日甲状腺がんが発見された場合、補助が受けられなくなるケースが出てくるのでは。miyoko-diary.cocolog-nifty.com/blog/2016/08/p…
2016-08-31 20:03:181')メリットに対する質疑
①早期発見について
小児甲状腺がんは、早期発見しても死亡率低下するかは不明
機能温存が有意に可能かも不明
早期発見は予後を変えなければ罹病期間を延ばす
②制度の問題
成人発症例は、福島県での居住歴を考慮した制度変更で対応可能では?
2)デメリット
・被検者の過剰な検査
・検者、医療費のコスト
・過剰診断や偽陽性に該当する人への侵襲
・早期発見(予後を変えなければ罹病期間を延ばす)
など
続く(tweetも拾う、情報下さい)
@iPatrioticmom いやあ、そうかもしれませんし、一生発見されないかもしれませんよ。非検診群や福島周囲から有症状の甲状腺がんが生じるかどうかは、検証すべきですね。
2016-08-30 21:12:36@iPatrioticmom 「リンパ節転移があるから過剰診断だ(過剰診断の可能性は低い)」という論法は他にもよく見るんですが、いったいなんでまたそんなことが言えるのか不思議です。だって甲状腺がんですよ?なにか根拠があるんですか?
2016-08-30 21:19:10@iPatrioticmom 論文にするまでもなく、小児の甲状腺がん検診に有用性なんてないし、あっても小さいことなんか、わかっているんです。
2016-08-30 21:21:04@iPatrioticmom まともな医学者の中で「小児の甲状腺がん検診に有用性があるもしれない。臨床試験をして確かめよう」なんて人はいませんので、臨床試験はありません。
2016-08-30 21:22:09(解説)神経芽腫マススクリーニング中止について
生後6カ月乳児を対象に神経芽腫の全国規模の集団検査が行われていたが、
死亡率は改善しないと2004年に中止した。
死亡率に寄与しない理由として
・過剰診断
・自然消退することがある
・異常なしでも1歳過ぎに高悪性度の神経芽腫の発症することがある
などがあげられる
http://www.dokkyomed.ac.jp/dep-k/ped_surg/texts/T_nbscr.htm
※もちろん小児甲状腺がんと関係があるとはいえない
・手術リスク:
術後出血、永続的反回神経麻痺、副甲状腺機能低下症、甲状腺機能低下などの合併症
@kanisoup23 検診のメリットとして「早期発見」を挙げるのは不適切です。仮に過剰診断がゼロだとしても、早期発見が予後を変えないなら、早期発見は罹病期間を延ばすのでデメリットになります。
2016-09-02 20:31:20@kanisoup23 「早期発見メリットを示唆する論文」として挙げられている論文は、早期発見メリットをそれほど示唆しません。示唆いうなら過剰診断の存在も示唆しています。
2016-09-02 20:32:00@NATROM ご意見ありがとうございます! 早期発見については、質疑(1'))にて死亡率低下の寄与は不明としているので太字にします。 浸潤時の致死率については、私の文脈がおかしいのに気付いたので、2)のデメリットにも早期発見を挙げ、それに対する疑問とします。ありがとうございます
2016-09-02 20:59:522')デメリットに対する質疑
①早期発見(予後を変えなければ罹病期間を延ばす)について
(2014年10月31日時点)
甲状腺癌79例(甲状腺外浸潤44%、リンパ節転移 75%、肺転移疑い4%)
小児甲状腺がんが真の増加がないと仮定し粗罹患率0.2人/10万人と考えると、本来その殆どが少なくとも小児期(もしくは一生)には見過ごされる症例である。
小児期で腺外浸潤、リンパ節転移、肺転移などを認める進行例の予後については不明だが、適切な治療を行うことで予後良好とされている。
無症状の進行例に治療介入が可能な点で、早期発見が必ずしも予後を変えないとは言えない
②偽陽性、過剰診断について
先行検査・本格検査のデータを基にすると
手術例の陽性反応的中度は
131/132
(1例良性結節、130例乳頭癌、1例未分化癌)
※陽性のうちに過剰診断が含まれる可能性があるが予測不能
後述の手術適応例について未分化癌の症例数に文献ごとにぶれがある
※詳しい方はご教授願います。
③手術リスクについて
現在主な術後合併症(術後出血、永続的反回神経麻痺、副甲状腺機能低下症、片葉切除後の甲状腺機能低下)は認めない