こじらせたリーマン 20160822-20160828

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こじらせていたリーマン @ro1xrc3

それからは寝て、起きての繰り返し。薬のおかげで熱は大分下がったが、からだが怠く、おちつかない。今だって、こんな時間に目を覚ましてしまった。

2016-08-27 04:43:00
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

スマホを手に取り、おそ松からの返事が無いことを確認して、ため息をつく。

2016-08-27 04:44:07
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

カーテンを閉め切った部屋は、今、この世のどこよりも、暗い場所だった。

2016-08-27 04:45:01
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

一週間分の洗濯物を適当に洗濯機につっこむ。昨日ゲロられたシャツはつけ置きしておいたからあとで洗おう。

2016-08-27 09:52:10
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

と、見覚えのないシャツとスラックスがあった。自分のよりすこし、細身というか。ああ、そうか、これ。チョロ松のだ。返すの忘れてた。

2016-08-27 09:53:16
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

そろそろチョロ松に兄からのメールが届く頃

2016-08-27 16:21:02
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

先週会ってから一週間。その後どうだ?という脈絡のないメールだった。どうもこうも。何もかもうまくいっていない。風邪をひいて寝込んでいると返したら、すぐに電話がかかってきた。

2016-08-27 16:22:03
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

「チョロ松、大丈夫か?」 「昨日よりもマシだけど」 「声がすこし枯れているな。待ってろ、すぐ家に行く」 「えっいいよ。僕もう大人だし。それに兄さん、土日は演劇の稽古あるでしょ」

2016-08-27 16:23:01
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

「それはそうだが。稽古よりも弟の体調の方が大事だ」 「……僕は平気だから。もしどうしても来るんなら、稽古が終わってからにして。なにか、晩御飯にできるもの買ってきてくれると嬉しい」 「わかった。俺がくるまで大人しく寝てるんだぞ」 「はいはい」

2016-08-27 16:24:03
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

ぷつりと電話がきれる。過保護というか心配症というか。それでもなんとなく兄の声に安心して、再び布団にもぐった。

2016-08-27 16:25:02
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

そろそろチョロ松の家の呼び鈴が鳴る頃

2016-08-27 18:51:09
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

ドアを開けると、大荷物の兄が立っていた。片手に食材が詰まったビニール袋。もう片方はボストンバッグ。

2016-08-27 18:52:09
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

「今日は泊まりで看病してやるからな!」 意気揚々と部屋に入ってくる。なんで嬉しそうなんだ。大分症状はおさまっているからそこまでしてもらうことがない。それにその食材はなんだ。ネギに人参に玉ねぎに…色々買ってきてくれるのはいいけど、お前まったく料理できないじゃん!誰がそれ処理すんの!

2016-08-27 18:53:18
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

そろそろおそ松に弟からラインが届く頃

2016-08-27 21:00:18
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

でっけースイカ貰ったから食いに帰ってこいって言えって母さんが!という文字と、謎のスタンプが押してある。なんでスイカごときでわざわざ実家に帰らなきゃいけないんだ。死ぬほど遠いってわけじゃないけどさあ。ごろごろ悩んでいると、日曜の晩御飯は焼肉だよ!とさらにメッセージが。よし。帰るか。

2016-08-27 21:01:19
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

実家へ向かう電車は、出勤時には乗らない路線だ。この路は都心から遠くの県まで続いていく。そういえば、チョロ松の家の最寄りの駅もこの路線だ。と、思った所で、車掌が次の停車駅を告げる。そうそう。この駅が、チョロ松の家に一番近い。

2016-08-28 10:02:06
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

何をどうとも思う前に、なんとなく足がホームへ降りていた。

2016-08-28 10:03:05
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

そろそろおそ松がチョロ松の家の近くへ行く頃

2016-08-28 10:15:05
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

ここまできてどうするんだろう。何も考えずに歩いてきてしまった。いや、やっぱりちょっと、心配だし。ラインの返事を返すタイミングも見失ったままだし。具合を見るだけでも、許してもらえないかな。……断りもなく家に行くなんて、まるでストーカーのそれだ。

2016-08-28 10:16:04
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

さすがにすぐさま家に訪問する勇気はない。ウチに置きっぱなしの服を、口実に持ってくればよかったな。階段上って、一番奥のドアを、道路沿いから見上げた。まあ、ドアだけでは、チョロ松の体調がわかるわけもなく。そのまま帰るか、思い切って家へ乗り込むか考えていると、ちょうどその扉が開いた。

2016-08-28 10:17:02
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

そしてそこから出てきたのは、忘れもしない。映画を見たいつかの土曜日、チョロ松と一緒にいたやつだった。

2016-08-28 10:18:04
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

見送りなのか、チョロ松も玄関先まで出ている。パジャマに、薄手の上着を羽織っただけの、無防備な姿。相手の男の方の荷物はやけに多い。多分昨日は、泊まったんだろう。……俺のことは、拒絶した癖に。

2016-08-28 10:19:02
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

踵を返す。足を動かす。離れたい。この場から。この心から!体の芯がマグマのように熱く、黒々とたぎっている。頭が爆発しそうになる。くそ、くそ、くそ! 俺はだめで、そいつはいいのか!

2016-08-28 10:20:11
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