日銀法改正をめぐる日銀内部での闘争の思い出(当事者によるw)

元日本銀行出身の僕、松枝佳紀(現在劇作家、演出家、シナリオライター)が、茂木健一郎さんのツイートに刺激され昔のことを回顧します。なぜ日銀法改正をせねばならなかったのか、なにを戦ったのか、どうして僕らは敗れたのか。皆さんの質問も合わせて採録しました。昔の話なので記憶が間違っているときには指摘してください。 ●上から下に読んでください。 ※基本下に行くほど新しいツイートですが、途中読みやすいように順続きを読む元日本銀行出身の僕、松枝佳紀(現在劇作家、演出家、シナリオライター)が、茂木健一郎さんのツイートに刺激され昔のことを回顧します。なぜ日銀法改正をせねばならなかったのか、なにを戦ったのか、どうして僕らは敗れたのか。皆さんの質問も合わせて採録しました。昔の話なので記憶が間違っているときには指摘してください。 ●上から下に読んでください。 ※基本下に行くほど新しいツイートですが、途中読みやすいように順番入れ変えてあります。
日本銀行 日銀 革命 中央銀行 金融政策
matsugae 7255view 22コメント
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  • 松枝佳紀 @matsugae 2011-02-16 01:33:01
    茂木さんが平野さんの話をしている! RT @kenichiromogi: 平野英治さん「政府が内需に注目しろ、って言ったからって、企業がその通りにしなければならない理由は何もない。つまりは企業の選択だ。」まったくその通り。
  • 松枝佳紀 @matsugae 2011-02-16 01:36:47
    平野さんは僕らが新人の時の日本銀行岡山支店長。僕の日銀時代の一番の親友古川は岡山に赴任。僕は日銀金沢に赴任。古川は平野さんに認められ、平野さんが発券局長で本店に戻ってきた時、僕らは日銀内クーデターを起こそうと平野さんの周りに集まった。
  • 松枝佳紀 @matsugae 2011-02-16 01:39:24
    平野さんにはいろんなところに連れて行ってもらった。ある赤坂のバーでは、日銀OB、政治家らが集まっていて、局長の平野さんが小僧扱いされていた。局長になっても小僧扱いなんて、日本の年功序列は恐ろしいと暗澹たる気持ちになった。
  • 松枝佳紀 @matsugae 2011-02-16 01:45:25
    いま思うとなにをあんなに改革せねばと自分が思い詰めていたのか忘れてしまったが、あのとき、そう思っていたのは僕だけじゃなく、かなりの同志が居て、日銀の営業時間外に、副総裁やら局長やらと直に会って決起を迫った。226の青年将校の気分だった。
  • 松枝佳紀 @matsugae 2011-02-16 01:47:39
    ただ日銀に入った時、入行の演説と懇親会で、日銀法改正を言っていたのは僕だけだった。政府から日本銀行の独立を勝ちえないとダメだと主張した。が、上司たちは日銀法改正なんて永遠にありえないと僕を嗤った。だが、その後、自民党政権が崩壊し、日銀法改正の機会が数年後にやってきた。
  • 松枝佳紀 @matsugae 2011-02-16 01:49:59
    晴天の霹靂とはまさにこのことで、日銀内では日銀法の改正が可能なんて考えていなかったから大慌てだった。僕は大学の時からずうっと日銀法を改正せねばと思っていたので、いろいろ知っている。上司たちが僕の話に耳を傾けてくれた。その一人が平野英治さんだった。
  • 松枝佳紀 @matsugae 2011-02-16 01:58:04
    日銀の独立性が高まったこと自体は望ましいことだが、日銀の独立性が意味を持つのは、民主主義とは別に、日銀がより正しくあらねばならないという強いプレッシャーを受ける仕組みがある場合に限る。なので、その正しさのプレッシャーをかける制度的保障がなければ日銀法改正は片手落ちだと考えていた。
  • 松枝佳紀 @matsugae 2011-02-16 02:06:47
    それは現在も日銀を取り巻く未解決の一番の問題だと思う。インフレターゲティングは金融政策の目標を民主主義が設定するアイディアだが、それが間違っているのは、そもそも民主主義には正しい判断はできないからだ。そう言う意味で「中央銀行の独立性」というアイディアは反民主主義的である。
  • 松枝佳紀 @matsugae 2011-02-16 02:09:46
    で、日銀が正しい判断を下すためには、正しい判断を下すことを保証する日銀内人事制度が必要と言うのが僕の考えだった。つまり年功序列や良くわからない日本的なことで昇進を決めるのではなく、正しい判断をできる経済学的基盤と決断力をもった人間を年功とは関係なく昇進させる制度が必要と主張した。
  • 松枝佳紀 @matsugae 2011-02-16 02:15:38
    まぁ、そんな制度が受け入れられるわけがない。馬鹿な上司が沢山いる。その人たちは全員排除だからだ。一応、バランスのために言うが、日銀にはみんなが見たことないような天才がうじゃうじゃいる。決断力もあり聡明な人たちも沢山いる。だが、それは比較少数なのだ。
  • 松枝佳紀 @matsugae 2011-02-16 02:20:37
    で、今は民主党の議員となってる津村さんや、同期の**や古川や僕は、営業時間外で日銀内改革を行うための活動を、直属の馬鹿上司を飛び越えて、より上の人達とやった。とある理事から直メールが来て「君たちの運動を支持する」とあったのには飛び上がって喜んだ。
  • 松枝佳紀 @matsugae 2011-02-16 02:35:10
    副総裁やら理事やら局長やらと毎日会ううちに、日銀内革命は成功した。そんな気になっていた。がそうではないことに気付く、さっきtweetしたように、日本の社会では局長といえども小僧なのである。上には無数の妖怪たち…長老がいる。局長になっても思うようなことができない社会なのだ、日本は。
  • 松枝佳紀 @matsugae 2011-02-16 02:39:42
    じゃあ、なんで理事は僕に「君らの運動を支持する」とメールし局長たちは僕らと会合を重ねるのかというと、それは彼らの地位でも改革ができない事の憂さ晴らしをするためだということに気が付いた。僕らは局長たちと会えることに満足していたが、それだけでは何も変わらないのだ。
  • 松枝佳紀 @matsugae 2011-02-16 02:43:13
    見上げれば恐ろしい年功序列の階段が待っていた。上に行けばシャアのように改革ができると思っていたが、上に行けばさらに上に階段があり、その上に行けばさらに階段がある。ヤマトだと思った。白色彗星を倒せば都市衛星が、都市衛星を倒せば超巨大戦艦が現れる。あの時の絶望。同じ気持ちだった。
  • 松枝佳紀 @matsugae 2011-02-16 02:46:21
    最後に僕らは平野さんに会いに行った。平野さんだけが残された希望だった。
  • 松枝佳紀 @matsugae 2011-02-16 02:47:39
    局長室に僕らのような若造が入り迫った。「日銀改革断行のために立ちあがってください。局長が立ち上がれば状況はきっと変わります」
  • 松枝佳紀 @matsugae 2011-02-16 02:49:11
    詰め寄る僕に、ゴルゴ13のような劇画調の顔をした平野さんはひとこと。「まだ早い」と言った。
  • 松枝佳紀 @matsugae 2011-02-16 02:56:19
    僕らは体制内改革をあきらめた。その数カ月後、古川と僕は申し合わせて日銀を辞めた。古川が先に辞め、その1週間後に僕が辞めた。**は日銀に残った。いま同期TOPらしい。彼が日銀内改革を進めてくれるだろう。1年上の津村さんは1年後に日銀を辞め民主党から出馬、当選し政治家になった。
  • 松枝佳紀 @matsugae 2011-02-16 03:01:05
    つらつらと回顧話。茂木さんが平野さんのことをツイートしていたので、10年前のことを思い出してしまった。そして思い出す過程で少しだけ、あの日々に何を僕らが熱くなっていたのかを思い出した。僕らがやらねば誰がやる。僕らはみんなキャシャーンな気持ちだった。
  • Ambitious @_dj_ambitious 2011-02-16 03:07:17
    @matsugae 鬼気迫真に迫る展開ですね。日銀改革に決起した若きエリート集団の熱情と現実の非情に直面した挫折の瞬間…まさに現代の226。興味深く拝見してます。
  • 松枝佳紀 @matsugae 2011-02-16 03:14:58
    どうも御拝聴(?)ありがとうございました。 RT @jimmy1119x: @matsugae 鬼気迫真に迫る展開ですね。日銀改革に決起した若きエリート集団の熱情と現実の非情に直面した挫折の瞬間…まさに現代の226。興味深く拝見してます。
  • Ambitious @_dj_ambitious 2011-02-16 03:19:42
    @matsugae 若者の理想の美しさというものは、何時の時代であっても純粋で穢れなく尊いものです、しかし現実社会というものは、それと正反対の論理で動いていていつか彼等はその壁とぶつかる瞬間が来る。そこで散ってゆくものの儚さは人の寂寥感を捉えて放しません。
  • Ambitious @_dj_ambitious 2011-02-16 03:23:39
    @matsugae 松枝さんの若き日の眩しかった闘争の日々と挫折…そして再生への歩みは 何時の時代も若者が歩んで衝突して打ちのめされてなお歩き続ける人間への賛歌に満ち溢れてます!
  • Takao Nakamura @nakamuratakao 2011-02-16 05:00:23
    なるほど、そんな感じだったんだ。やるねえ!僕の場合、局長よりも上の「階段」など当時思いも及ばず、局長までの階段をイメージしただけで、その階段を上ることよりも、その間の時間とエネルギーを他に使ってみたいと感じてしまった気がする。 RT @matsugae: つらつらと回顧話。
  • Takao Nakamura @nakamuratakao 2011-02-16 05:09:43
    僕は「体制内改革」まで全く思いもよらなかったけど、それでも、一応は、自分が社会に対して少しでも多くの価値を付加しようとするなら今自分は自分なりに何をすべきかという思考がベースにあって、あのときアッサリと日銀から離れる判断に至った気がする。 RT2 @matsugae: 回顧話。

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