【温故知新】第二話

ゲロ甘すいーとぜんざい(大盛り)
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葛葵中将 @katsuragi_rivea

<< これが私のドミナント(注意事項)だ。よく見ておくんだな! >> ・艦これ二次創作小説投下行為です ・独自の解釈(自己満足行為)があります ・拙作 ・平提督にあとで謝ろうね(若干熱血入っちゃった ・エピローグは間に合いませんでした ・以上、苦手な方はミュートされたし

2016-09-03 20:22:47
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【温故知新】第一話 - Togetterまとめ togetter.com/li/991536 @togetter_jpさんから 前回のおさらい。横須賀にやってきた髭と平提督が邂逅しました。とりあえず磯風が淹れる茶は不味い。そんなお話

2016-09-03 20:55:43
葛葵中将 @katsuragi_rivea

<< 時間だ。イイィヤッホオオォォォウ!! >>

2016-09-03 21:00:05
葛葵中将 @katsuragi_rivea

「よし、これで終わり」 横須賀鎮守府戦史記録室第一部署その室内。束ねた書類の端を机に数回打ち付ける音が鳴る。 平王里、この新部署に配属となった若き将官は安堵の息とともに声をあげた。 ここに配属となって早二週間。当初は散然としていた部屋も片付き、仕事も軌道へと乗り始めた。

2016-09-03 21:02:02
葛葵中将 @katsuragi_rivea

「葛葵さん、終わりましたよ。そちらはどうですか?」 部屋を仕切るパーテーションの向こう側にいるであろう新部署臨時室長の男に平は声をかけた。 だが、返事は待っても一向に返ってくる気配はない。

2016-09-03 21:03:22
葛葵中将 @katsuragi_rivea

「?…おーい、磯風?」 葛葵の暫時秘書艦である駆逐艦、磯風に声をかけてみるも返事はない。 さきほどまで二人で何かしら言い争っていた声が聞こえていたのでいないはずは…そう不審に思った平は席を立った。

2016-09-03 21:04:38
葛葵中将 @katsuragi_rivea

葛葵が担当していた場所と平が腰を下ろしていた机がある位置はそう離れてはいない。 十歩ほど歩くよりも先に、当人たちの姿を見つけた平は声をかけようとした。…が、すぐに思い直す。 記録室の扉がノックされたのはそれと同時のことだった。

2016-09-03 21:05:49
葛葵中将 @katsuragi_rivea

扉を叩いたのは平の秘書艦である羽黒。中からの返事がないことを不審に思い、首を傾げた。 「…司令官さん?」 返事が来るよりも先に内側から扉は開かれ、見慣れた平の顔が出てきて目を丸くした。 「…あぁ、羽黒か。今はちょっとだけ静かにしててもらえる?」

2016-09-03 21:07:13
葛葵中将 @katsuragi_rivea

苦笑いとともに平が向けた視線の先を羽黒が覗き込むとそこにはソファで寝息を立てる二人の姿があった。 ソファに頬杖をつきだらしなく口を開ける葛葵と、その膝に頭を預ける磯風。 普段は細かな文句の応酬を繰り広げている彼らからは想像もつかないほど仲睦まじい光景が目に映る。

2016-09-03 21:08:27
葛葵中将 @katsuragi_rivea

「…二人ともここ数日働き詰めだったからね。僕らは…飯でも食いに行こうか。」 平は大仰そうに「お腹が空いた」と言わんばかりの仕草をしてみせた。羽黒はそれに頷く。 「本当に仲がいいんですね」 平もそれに相槌を打つと、眠る二人に悟られぬよう記録室をあとにした。

2016-09-03 21:09:41
葛葵中将 @katsuragi_rivea

———時を二週間前にさかのぼる。 「…もう一度言ってくれ。今、なんと?」 葛葵は眉間にしわを寄せ平に問いかけた。その当人はというと毅然とした態度を崩さず、仮にも上官である男に威風堂々と告げた。 「掃除をみんなでやりましょう。もちろん葛葵さんも、です。」

2016-09-03 21:11:35
葛葵中将 @katsuragi_rivea

「はぁあ!?えっ、嫌なんだけど…あ、いや…その」 あからさまに嫌そうな声をあげる葛葵だったが、 横に並ぶ羽黒から普段気弱な彼女の姿とは想像もつかないほどにやる気に満ち溢れ、オーラが視覚化するような威圧感を感じ取り声を窄めた。

2016-09-03 21:15:05
葛葵中将 @katsuragi_rivea

平の提案、それはいつまでも部屋が片付かないままでは効率的な仕事の妨げとなる。 そのためにはこれまで磯風一人に任せていた清掃を全員でこなしてしまえば早いというもの。 それについて葛葵は渋い顔を見せ、一向に首を縦に振る素振りは見せない。

2016-09-03 21:16:24
葛葵中将 @katsuragi_rivea

ここまでは平にとって、磯風から話を聞いていた想定通りの反応。 視線を彼のデスクに移すとその一角だけ異様に磨かれてあり表面には光沢すらうかがえた。 この男は妙なところで神経質な面があり、潔癖症ではないらしいが自身の触れる物は常にきれいにしておきたい性質らしい

2016-09-03 21:18:20
葛葵中将 @katsuragi_rivea

これも自身でやったわけではなく、主計科の庶務担当に念入りにお願いしていた。と磯風は証言する。 清掃するにあたり、埃や汚れに触れるのが嫌なのだろうというのが見て取れた。少し呆れる平であったが… 彼の弱点は既に先の茶の一件で看破していた。計画通りだ

2016-09-03 21:19:48
葛葵中将 @katsuragi_rivea

平の目配せに磯風は頷き、事前に打ち合わせをしていた作戦の実行へと移る。 悲しそうな顔を葛葵に向け彼女は一言、言葉による痛打を放った。 「司令…そんなにいやなのか?手伝ってくれないのか?」 演技、というにはあまりに拙いものであったがこれが実に効果覿面であった。

2016-09-03 21:21:09
葛葵中将 @katsuragi_rivea

彼は子供(この場合は磯風)が悲しそうな顔をすることに非常に弱い。 勝利を確信した平はそれに乗じてトドメの一言を発する。 「葛葵さん。ここでやらなきゃ…男じゃないですよ」 観念するように葛葵が自らの手で雑巾を手に取るのは…時間の問題であったという…

2016-09-03 21:22:27
葛葵中将 @katsuragi_rivea

♯region 室内清掃もひと段落ついた頃…平は頃合いを見計らい、段ボールなどに収められていた資料や書籍などをすべて取り出し、 清掃する前とは見違えるように綺麗に拭かれた床に広げ始めた。 「平君!?いったい何を…あー!せっかく片付けたのに!」

2016-09-03 21:24:18
葛葵中将 @katsuragi_rivea

肩を落とす葛葵を余所に、平は作業効率が落ちているもう一つの要因に目をつけていた。 「葛葵さん、提案ですが重要な書類以外は折り畳む(=♯region)のはどうでしょう?」 それは、収められた書類がかさばることで生まれる余計なスペース。

2016-09-03 21:25:39
葛葵中将 @katsuragi_rivea

書類の中には折り畳み厳禁の物もあるが大多数はそれに当たらない文書などが占める。 雑然と段ボールにしまい込むだけでは無駄にその中の場所を取りデッドスペースを生み出し、 結果として室内に箱の山を積み重ねることになる。

2016-09-03 21:27:06
葛葵中将 @katsuragi_rivea

現実、そこらかしこに佇む"箱の山"の間には人二人がすれ違う隙間もない場所まで存在する。 その対策、解決策としてまずは無駄を削ぎ落とすことを平は提案した。 書類のサイズを分別し、それぞれを二つ折、三つ折にしてみせる手際のよさにそれを見ていた葛葵が感嘆の声を漏らす。

2016-09-03 21:28:17
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