忍殺テキストカラテ『アポカリプティカル・デス・ロード』#1
- BUNKER_NINJA
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【今回の放送分は、原作の当時系列の設定がほとんど不明の時期に執筆されたため、二次創作者の独自設定などが多分に含まれます。ご注意ください】
2016-09-03 22:14:05「ワオオーッ!」「イェーイェー!」ナムアミダブツ!月夜に狂えるニンジャ集団の野蛮な歓声!彼らは皆、各々の駆る改造ビークル数十台を寄せ合い、群れたヌーの大移動めいて北へ向けて爆走し続ける!それは無軌道めいて見えるが、彼らに目指すべき方角はちゃんとある。「コロセー!コロセー!」
2016-09-03 22:17:321台の過剰積載アンプから大音量の音楽が流れる!ナンバーは『コロス・オヴリヴィオン』!彼らはアンタイブディズム・ブラックメタリスト集団なのか!?真偽は当たらずとも遠からず、それらはABBM勢力残党が取り込まれた氷山の一角に過ぎぬ!ならば、彼らは一体何を目的に暴走行為を!?
2016-09-03 22:19:47「ンアーッ…」「ンアーッ!」ナ、ナムアミダブツ……夜の砂漠に裸を晒すことを強いられた哀れな奴隷達が、走行する世紀末前後ワゴンの設営ステージ上で開放的前後パフォーマンスの犠牲となっている。隠す事も許されず揺れる豊満な胸!前後ワゴンの排気筒が狂喜じみてアフターファイアを噴く!
2016-09-03 22:22:24不意に前後ワゴンがナイトロ・ブースト加速!強烈なGがかかり、強要ドゲザをも凌駕する辱めを受けていた奴隷の一人が犯していたニンジャの手元を離れ風圧で車両後方に吹き飛ばされる!「アイエエエ…!」「チッ、オイ!次よこせ!」ニンジャはそれに目もくれず、車内へ代わりの前後奴隷を要求した。
2016-09-03 22:25:46「アイエエエエエ!」ALAS!吹き飛ばされた彼女は後方を走っていた改造トレーラーにぶつかり激突死、装備されていたバズソーに引き裂かれ身体が真っ二つに切断された!血を撒き散らしながら上半身が飛んでいき、その上にいた薬物トリップ中のニンジャが残された血塗れの下半身をファックする!
2016-09-03 22:32:22な、なんたるブッダも思わず目を背けたくなるマッポーカリプスの百鬼夜行であろうか!だがしかし、読者の皆さんにはくれぐれも目を離さずそれらをよく見ていただきたい!そのトレーラーの横に並び激走するのは……巨大なリキシャー!それを一人のニンジャが引き走り、自動車に並走している!
2016-09-03 22:37:30ニンジャを基準にしても異常にして余りあるこのニンジャ脚力とニンジャ持久力を発揮する彼の名はタクシードライバー。彼ら一団が誇る随一の車両技士ニンジャ・アポカリプティックメカニックの最高傑作たるこの轢殺殺戮リキシャーを託された、マグロも青ざめるノンストップ・ランナーである。
2016-09-03 22:44:52そして彼のリキシャーの縁に立ち、じっと周囲を見渡しパレードを監督するこのニンジャこそインペラトール、世紀末ニンジャ集団を纏める大隊長ニンジャである。「ム。タクシードライバー=サン。もっとスピードを上げろ」「ヨロコンデー!」ゴウランガ!彼の脚捌きがもはや目視できなくなった!
2016-09-03 22:48:10インペラトールは傍らに設えられた鉄屑の寄せ集めめいた椅子に座ろうとはしない。これこそが彼らの主が座るべき神の玉座であり、この人力タクシーは主を迎車するためにこの荒涼たる砂漠を走り抜けているのだ!おお、見よ!タクシードライバーの脚が静止して見える究極的加速の境地に!ゴウランガ!
2016-09-03 22:53:12彼らはただ北へ向かい走る。火炎放射器搭載車、ハープーン車、燃料トレーラーや前後ワゴンも入り乱れ、とある地点へ向かってゆく。そしてこの一団のいる場所から遥か南方、我々のよく知るあのニンジャもこの不毛の大地へはるばる来たっていた。他ならぬ、彼らのような邪悪なニンジャを殺すために……!
2016-09-03 22:55:42日本列島東北部のとある荒野で二人のニンジャが向かい合う。岡山県よりもドサンコ・ウェイストランドに程近いこの場所は夜間は殺人的な氷点下気温にまで低下する。片方を追ってきた者の装束は凍れる夜陰に溶けそうなほどに黒く、輪郭が赤燈色に時折赤熱して見えるせいか彼の周りは微かに仄明るい。
2016-09-03 22:59:20「ドーモ、サツバツナイトです」ジェット・ブラック装束のニンジャが厳かにアイサツする。融解鉄じみた輪郭に縁どられた漆黒鋼鉄のメンポには、「殺」「伐」のレリーフ。その射竦めただけで焦がされるかの如き眼光の先には、退廃的な出で立ちのニンジャ。黒い革手袋を嵌めた両手を合わせオジギする。
2016-09-03 23:02:51「ドーモ、サツバツナイト=サン。サンダースティックです」粉雪めいたパウダーで露出した肌を彩るニンジャの顔には機械油で蜘蛛のメイクがなされていた。コワイ!そして何よりも目を奪われるのは、彼が背負う何本もの棒状の武器だ。それらの先端の付属物は、400mlジュース缶じみた形。
2016-09-03 23:06:09「月の髑髏は死神に砕かれり」サンダースティックは幽鬼じみた痩身を揺らしながらチャントじみた文言を呟く。「おれは髑髏を信奉せし聖戦士。我らが主の目覚めを待って奥ゆかしく息を潜めておる間に、かの死神が聖壇を穢しおったのだ」「宗教勧誘なら受けつけぬぞ」途中でサツバツナイトが遮った。
2016-09-03 23:09:07サツバツナイトは黒いマフラーから火の粉を散らし、構えた。「私はオヌシを尋問し、殺す為にきた。オヌシの主の名と居所を吐かせ、その主も殺す」「ああ、あああ。忌まわしき死神。ニンジャを殺し回ってはそのスカルを穢す冒涜的存在。ヴァルハラは一度はこの地上に限りなく接近してきたのだ」
2016-09-03 23:14:05サンダースティックは身を捩る。ナムサン、骨が軋む不気味な音を立て、サンダースティックの胴体が雑巾めいて常人の可動域を超えて捻れていく。「貴様のその出で立ちはなんだ。かの死神の真似事か。不快だ。目障りだ。点火プラグは今怒りの聖火を灯した」サンダースティックは呪詛めいて呟く。
2016-09-03 23:16:18捩れたサンダースティックの胴体が、ぶるりと逆方向に回転して元に戻る。背中に差していた棒状の武器を、両手にそれぞれ1本、サイバネ増設下顎にもう1本の計3本を構えている。サツバツナイトの瞳孔が引き絞られる!「イヤーッ!」サツバツナイトは回転跳躍!同時にスリケン3枚を投擲!
2016-09-03 23:19:29サンダースティックは無造作に棒状武器を持った右腕を大振りに振り抜く!小気味よい音を立ててスリケンは3枚とも弾かれた!「イヤーッ!」彼は左手に持った棒状武器を逆手に持ち替え、小さく跳ねて柄の尻に体重をかける!BOOOOM!彼が踏みつけ跳躍すると同時に棒の先端が爆発を起こす!
2016-09-03 23:23:09サンダースティックは己のニンジャ脚力と爆薬のカラテ相乗効果で空高く跳ね上がる!サツバツナイトのニンジャ観察眼は先程の刹那に、あの棒状暴力じみた形状の刺突爆雷の起爆機構を見極めた!先端のピン状の装置が物体に接触すると雷管が作動、内部の火薬が爆発するのだ!サツバツナイトは上を見た!
2016-09-03 23:26:13ゴウランガ!サンダースティックは既に15メートルほど跳躍している!跳躍上昇しきった彼の逆光した影の背後には、かつてネオサイタマの死神によって砕かれ欠けた月が悲愴的に浮かぶ!サンダースティックは右手の爆雷を両足で挟んで急降下攻撃体勢!「まずは貴様のスカルを穢してやろう!」
2016-09-03 23:31:12