ついのべ大賞投稿候補まとめ

投稿するにあたって、まず一回目の絞りでありますよう。ここから10作品にしぼうのであります。
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ヒソヒソらっこ。 @Rakko1984

#twnovel 家に帰ったら正体不明の誰かが居た。混乱する僕を余所に、誰かはおかえりと言ってくれた後に「一人暮らしは寂しいから誰か一緒に居てくれないか、て昨日思ったでしょ?」と言った。確かに思ったがと呆れる僕を放って誰かは夕飯の準備開始。誰かとの同居が始まった日だ。

2010-12-08 17:58:37
ヒソヒソらっこ。 @Rakko1984

#twnovel 雪割草は名の通り、雪を割って咲く冬の花だ。温もりを知らないで終わる事を不敏に思った子供達は、雪割草を優しく掘り出して植木鉢にいれ、自分達の温かな家に持ち帰った。翌朝、寒さに震える子供達が見たのは、雪景色に変わった部屋と、名の通り雪を割って咲き誇る雪割草だった。

2010-12-10 20:38:59
ヒソヒソらっこ。 @Rakko1984

#twnovel メリークリスマス。12月25日にその言葉は氾濫している。そこかしこで色んな人達が口にする中、僕はまだその言葉を口にしていない。約束の場所で君を待っていると、背後から君が僕を突く。君はまだ言ってないよねと確認し、僕は勿論と頷く。そして君と僕はその言葉を告げあった。

2010-12-25 17:22:03
ヒソヒソらっこ。 @Rakko1984

#twnovel お母さん。騒がしかった教室がその一言で静まり返った。皆の注目は、手を挙げたまま身動きしない少年と、黒板の前で身動きしない教師へと注がれる。教師は一度大きく息を吸うと、やっと呼んでくれたね、と愛しそうに呟き、数ヶ月前に息子となった少年に涙を零しつつ微笑んだ。

2010-12-27 23:57:22
ヒソヒソらっこ。 @Rakko1984

#twnovel 大掃除をしていたら、埃を被った今年の抱負が出てきた。後三日しかないが、埃を拭き取ってやる。すると輝きを取り戻したソレから、酔っ払った僕の声が響く。今年中に結婚を申し込む。新年会で誓わされた言葉だ、と思い出すと背後で物音。振り返れば、さぁ来い、と胸を張る君がいた。

2010-12-29 21:15:07
ヒソヒソらっこ。 @Rakko1984

#twnovel 初めて門限を破った日、僕は門限の意味を知る。家の門は夜に対抗して変質し、僕の鍵では開かなくなっていた。夜が街の灯を飲み込む中、僕は門を叩き続ける。夜が僕を飲み込もうとした時、背後から見覚えのある手。振り返れば父さんが笑って。夜遊びはまだ早いな。と僕の頭を撫でた。

2011-01-05 10:29:27
ヒソヒソらっこ。 @Rakko1984

#twnovel お昼ご飯を食べのがした人やお昼ご飯を作る人の為にランチタイムの時間を後ろにずらす店が増えはじめた。するとそういった店で働く人を対象に更に遅くお昼ご飯を提供する店が増えはじめる。需要は供給を呼び、供給がまた別の需要を呼ぶ。世界はランチタイムで満たされた。

2011-01-09 15:08:46
ヒソヒソらっこ。 @Rakko1984

#twnovel 私は魔法少女と呼ばれている。魔法社会では使用可能な魔法の数で魔法多女(男の場合は男)〜少女とランクがつく。魔法少女は蔑称であり、しかも私が使える魔法は一つ。でも私は皆に恐れられている。私の魔法は箒を飛ばす事。箒は魔法使いの力の源。箒を奪ってしまえばこちらのもの。

2011-01-09 19:23:04
ヒソヒソらっこ。 @Rakko1984

#twnovel 人生初のお見合い。写真に写る綺麗な女性の姿に舞い上がり、眠れないままに僕は当日を迎えた。ふらつく足で相手が待つ部屋の前。目を擦り、眠気に抗い、扉を開くと晴れ着姿の女性。彼女は目の下に隈を作り、眠そうな顔をこちらに向け、笑いながら言った。まずはお昼寝しましょうか。

2011-01-11 23:00:40
ヒソヒソらっこ。 @Rakko1984

#twnovel 誰かの声を常に聞いていたくて、ウォークマンが手放せない。自分に向けて放たれる言葉じゃないけれど、声は寂しさを紛らわせてくれた。そんな時、無口な君に出会った。君は恥ずかしがり屋で二人っきりだと余計に喋らない。でも一緒に居てくれた。ウォークマンはもう使っていない。

2011-01-13 15:00:53
ヒソヒソらっこ。 @Rakko1984

#twnovel 明日はマスクをしてくるように。上司から御達示が来た。チームに風邪を引いた者は居ないが予防の為だろう。僕は素直に薬局に寄って帰った。翌日。襲撃予定の銀行裏口で僕一人が浮いている。顔を覆うマスクの為、表情が読めない上司が僕の肩を叩き言った。そんなマスクで大丈夫か?

2011-01-15 13:44:07
ヒソヒソらっこ。 @Rakko1984

#twnovel 母さんが亡くなってから父さんからのメールが増えた。今日は仕事で使うような固い文章に絵文字が交じったメール。私に合わせてくれてるんだろうけど、あまりの違和感に、変、と返す。するとすぐに返信が来た。すまん、と一言だけ。私は大丈夫、と笑顔の絵文字を添えて返信した。

2011-01-16 14:10:27
ヒソヒソらっこ。 @Rakko1984

私は彼に撃たれた。私は狼で、彼は猟師。共に森で狩りをして生きるけど、森で共に生きはしない。とくんとくんて私の体から何かが逃げていく。寒いな、って思った時。不意に暖かくなって、ワリイって声がした。 #twnovel 私と彼は森で共に狩りをして生きている。寝床は彼の膝の上に変わった。

2011-01-17 01:06:13
ヒソヒソらっこ。 @Rakko1984

#twnovel 今日は月が綺麗だね。付き合って二年になる彼が呟いた。何時もなら口にしないようなロマンチックな台詞。夜景が綺麗な場所に二人というシチュエーション。これはと期待してしまう条件が揃っていた。私は努めて平然と空を見上げる。夜空には気合い入れて着飾った月が浮かんでいた。

2011-01-20 19:10:52
ヒソヒソらっこ。 @Rakko1984

想いは不可視だ。見ることが出来ないのでどんな形なのか良く分からない。文字にしてみたり絵にしてみたりするが上手く行かない。僕の想いの書き損ないが山となり始めた時。ふと自分が今書いている文が恋文になっている事に気付く。慌てて山を漁れば、その殆どが君への想いだった。 #twnovel

2011-01-24 23:20:11
ヒソヒソらっこ。 @Rakko1984

おじさんがねてる。とってもかなしそうに。おじさんはおんなのひとにふられるとおさけによってうちにくる。きのうもなきながらうちにきてそふぁでねちゃった。わたしがおひざのうえにのってもおきない。でもちょっとかなしそうじゃなくなった。おさけくさいけどがまんしてあげるね。 #twnovel

2011-01-24 23:38:55
ヒソヒソらっこ。 @Rakko1984

余裕が生まれた。入社して以来、がむしゃらに働き、五年目の春を迎えたある日の事だ。余裕が人懐っこそうな笑顔を浮べ、僕の肩に腰掛けた。すると突然僕の視野が広くなる。ただ通勤するために歩いていた道が様々なものに満ちていることに気づく。余裕が楽しげに、いこっ、と囁いた。 #twnovel

2011-02-14 13:58:59
ヒソヒソらっこ。 @Rakko1984

やる気が起きない。今も僕がもつ籠の中で寝ている。学校に着くまでに起きてもらわないと困るのだが、最近は試験勉強で徹夜してもらったりしたので強く言えない。アナウンスが次が目的地だと告げる。籠を抱き上げ、終わったら甘いもの食べようなと囁く。籠の中で小さな物音がした。 #twnovel

2011-02-16 11:26:10
ヒソヒソらっこ。 @Rakko1984

眠気が来ない。何時もなら来る頃合だが、部屋のチャイムはまだ鳴らない。ここの所、試験勉強の為に徹夜続きで相手をしなかったから拗ねてしまったのだろうか。眠気が来なければ寝ることは出来ない。僕は空気を入れ替えようと窓を開き、ふと下を見た。眠気が頬を膨らませ座っていた。 #twnovel

2011-02-17 01:15:01