Ｂ＠Ｌ著：Ttwitter小説大賞第2回応募作品まとめ

ひらばるまなぶ（平原学）＠もの書き @chocolatesity

#twnovel妻は旅に出た。あなたを一人にして行くなんて心配だわ、何て言ってたけど大丈夫。ゆっくり羽を伸ばしてくるといい。一人で炊事洗濯お手の物。規則正しく生活し、勿論浮気もしない。休日は散歩に出、摘んできた花を家に飾ったりする。色とりどりの仏壇、もう帰らぬ妻。#twnvday

ひらばるまなぶ（平原学）＠もの書き @chocolatesity

#twnovel 「もう一遍練り直せ、新人！」ビリビリに破られる原稿。一から執筆再開し、残業は深夜にまで及ぶ。ようやく書き終えたとき、昼間の上司が「お前、好きだろ」と僕に差し出したもの。アンパン、覚えて貰えたんだ。食べると思わず涙が零れる…ジャムの味がした。 #twnvday

ひらばるまなぶ（平原学）＠もの書き @chocolatesity

#twnovel九州の田舎から母が来た。「お土産あるけん」と、両手に余るほど大きなスイカを持って。駅の改札も手が塞がって通れない。「俺が持つから」だが、手を貸そうとすると拒む母。理由を問うと、「東京の改札て、こいば持っとったら通れるって聞いたばってん？」

ひらばるまなぶ（平原学）＠もの書き @chocolatesity

#twnovelライオンが逃げたという報告を受けて、園長は檻の前へ急行した。しかしそこには、横たわって眠るライオンの姿が。「なんだ、いるじゃないか」すると職員、「それが・・・背中が・・・」見ると、ライオンの背中には大きく口を開いたチャックがあり、中にはただの空洞が広がっていた。

ひらばるまなぶ（平原学）＠もの書き @chocolatesity

#twnovel「帰宅なう」や「夕飯なう」でも直ぐに誰かの返信が来るツイッター。「あーあ、普段の呟きでも、誰か返信くれたりしないかな…」なんて、ひとり口に出して呟いてみる。その時、部屋の白い壁に突然赤い文字が浮き出てきた。「@chocolatesity 怨めしや」…心霊現象なう。

ひらばるまなぶ（平原学）＠もの書き @chocolatesity

#twnovel担当の精神科患者が亡くなった。カウンセラーとして無念でならない。悩み事が多いという彼に、私はこう助言したのだ。「悩まないことが大事。多少気になっても取るに足らないことだと思いなさい」彼はそれを、実に素直に聞いてくれた。そして盲腸で死んだ。

ひらばるまなぶ（平原学）＠もの書き @chocolatesity

#twnovel A介に「俺と付き合ってくれ」と告白される夢を見た。正夢だといいな。すると、体育の授業中。突然後ろから聞こえたA介の声に振り向くと、竹刀が私の頭を襲う。慌てて自分の竹刀で庇う私に、彼は闘志を漲らせて言った。「俺と突き合ってくれ！」…やだ、何か違う！

ひらばるまなぶ（平原学）＠もの書き @chocolatesity

#twnovel クリスマスの夜、彼は突然の出張。私は予約したホテ ルで一人、寂しく夜景を見ていた。と、ベルと共にお待たせという声。「来てくれたの！」「ああ、事故で仕事どころじゃなくて。飛んできた」「事故！怪我？」「それが…」彼が指差した下を見ると、彼の足は透き通って消えていた。

ひらばるまなぶ（平原学）＠もの書き @chocolatesity

#twnovel 駅、僕、君、二人、手、体温、君、微笑、頬、赤、僕、鼓動、視線、足下、汽笛、僕、顔、上、手、乖離、君、前進、僕、発声、名前、君、乗車、扉、閉鎖、窓、君、笑顔、目、涙、口、開閉、サ、ヨ、ナ、ラ、僕、号叫、イ、ク、ナ、発車、君、涙、僕、疾走、涙、涙、涙、駅、僕、一人。

ひらばるまなぶ（平原学）＠もの書き @chocolatesity

#twnovel 「君が好きだ！」「嘘の言葉で言わないで！」本心を言っているのに何故が伝わらない。つい自棄になり、叫ぶ。「がばい好いとっとけ、どがんしたら解っとか！？」「やっと本当の言葉で言ってくれた！」抱きつく彼女。「…佐賀弁のことか。やーらしか娘ばい」（※やーらしか＝可愛い）