「子宮頸がんワクチン」の呪い-MMFを中心に-

HPVワクチンを接種した少女たちに呪いをかけるのは、もうやめようね。 --- この子宮頸がんワクチンの特徴は、非常に激烈な反応を起こす免疫増強剤が入っているために、副反応というのはいつ、何処に起こるかわからない。全身の何処にでもどんな症状でも出て来る。 それからいつ出るかわからない。すぐに出るかもわからないし、半年後に出るかもしれない。1年2年3年、5年先にも起こるかもしれない。分からない。まるで予測がつきません。 続きを読む
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 2013年7月21日、某MLに流れた大元の文章です。
御本人が


全国どこのどなたに見せていただいてもかまいません。

とくに患者さんを診ておられるであろう、神経内科、麻酔科、内科(とくに膠原病科やリウマチ科)、脳外科、整形外科などの先生方にお見せいただいてけっこうです。
いえ、ぜひ見てもらって下さい。


とお書きになっているので、今後のために載せておきます。

 佐々木先生がどのような思いでこれを書き、今もどう思っているのか、また今後この問題に関わる際にどのような注意をすればいいのか、ヒントがあると思います。朝日新聞の記事とともにお読みください。

「因果関係、否定も証明もされず」佐々木征行氏に聞く(朝日新聞)

インターネット・アーカイブ

 個人的には、PubMedで検索しただけではなく、少なくとも自験例(筋生検)をしてから公表するか考えても良かったかと思いますが。


西日本は猛暑、東北は大雨、みなさまいかがお過ごしでしょうか?

国立精神・神経医療研究センター病院の佐々木でございます。

報道などで話題のHPVワクチンの件でお知らせです。

非常に長文になります。お時間のあるときにでもお付き合いくださいませ。

初めに述べておきますが、私はこの春まで基本的にワクチン推奨者です。MRワクチンはもちろん、インフル・日脳・Hibやらなにやら、積極的にお勧めしていた普通の小児科医です。決して怪しい信念を持った人間ではありません。

いくつかの事情によりまして、「子宮頸がんワクチン」副反応の問題に関わっております。

外来で10代後半の娘さんを10人以上診せていただいております。

長期間続く頭痛、全身の筋痛、あちこちの関節痛、全身倦怠感、食欲不振、睡眠障害、認知機能障害(記憶障害・集中力低下など)、微熱・・・などの症状が、ワクチンの2回目後あるいは3回目後(必ずしも直後ではありません)から出現しておいでです。患者さんの約半数は、接種部位が当日から痛み・腫脹があり、腫れはひいても痛みはさらに拡がるかあるいは別の部位へ飛ぶと表現されておられました。症状は組み合わせや強度が変動しながら長期間(長い方は2年以上)にわたって続いています。近くの病院で見てもらって、一般血液異常なし、頭部MRI異常なし、他の検査も異常なしで「心因性」と烙印を押されておられる方が大部分でした。

これまでの常識ですと、ワクチンの副反応と言えば、30分以内に現われるアナフィラキシーか、免疫反応によるADEM/ギラン・バレ症候群などでも1か月以内に発症ということになっていたと思います。痛みも1か月以上続くはずはないと思い込んでおられませんか?

これまでの常識に合わない複雑な症状で、しかも一般的な検査で異常がないから「心因性です」と決めつけられておられるのでした。

わたしは、外来で真っ白な気持ちで患者さんにお会いすることにしました。

皆さんが、症状が出るまで積極的に学校生活を送っておられる方でした。ワクチンを契機に日常生活が変えられたことを嘆いておられました。受け答えはきちんとしていました。病的利得を感じる人はなく、まして統合失調症などを疑わせる人もだれもいませんでした。

肩の挙上が難しい方や半身を動かしにくい人もいましたが、深部腱反射はきちんと出ており、末梢神経障害はないと判断しました。

筋力低下よりも痛みをかばっている様子にみえました。

注射部位を触ると8割方、圧痛を訴えました。1年も2年も経っているのにですよ。

はて、これはなんだ?

この春報道されるまで、このような症状を示しているのは自分だけだと皆さん思っておられたのです。

蓋を開けてみれば、全国各地で示し合わせたように(もちろん皆さん細かく見れば症状の組み合わせは違います)大勢の女の子が同じような症状で苦しんでいたのです。

これは何かあるに違いない、解明しなければならないと考えました。

針刺しによるCRPSに収めたい人がいるようです。

でも接種後数週間してから症状が出ることもあるので、針刺しだけでは説明つきません。

やはり体内に入れたものが何かしてるのではないかと考えました。

何せ「非常に痛い」、添付文書でも99%が局所の疼痛を感じるというものですから。

でも、これで全身の症状を説明するのは困難です。

HPVワクチンと副反応についての文献を漁っても、全然当たりませんでした。

しかしHPVワクチンを外して検索したら、非常に似た症状を呈すものが見つかりました。

ワクチン接種後のMacrophagic myofasiciitisという報告です。

フランスから出ていました。

症状があまりにも似ているために仰天しました。

(副反応報告などに付けるため、医系技官程度が分かるように記載したものを添付します。下にも貼っておきます)

ワクチン接種後のマクロファージ性筋膜炎(Macrophagic myofasciitis; MMF)

本症(MMF)は、1998年にLancet誌に報告された新しい疾患概念です(1)。全身の筋痛と関節痛、筋力低下、倦怠感、発熱などが主症状となる筋膜炎です。これらの症状が様々な組み合わせで年余にわたり継続する疾患です。

2001年になり、MMFはワクチン接種後に発生することが報告されました。Brain誌に50例の報告が出ています(2)。この報告ではB型肝炎ワクチンとA型肝炎ワクチンの筋注が原因であることが述べられています。筋肉注射部位に肉芽ができており、そこに浸潤したマクロファージ(いわゆる掃除屋細胞です)内にアルミニウム粒子が確認されています。この筋膜炎は動物実験でも確認されました。

 2012年には、フランスでのMMFの患者は千名を越えました(3)。症状の特徴は、ワクチン接種から遅れて発症する(平均7か月)全身の筋痛(関節痛があることもある)、慢性疲労(倦怠感)、認知機能障害(記憶障害、集中力低下な)、呼吸困難などを挙げています。症状が場所や強さを変えながら遷延することが特徴です。これらの患者は、過去10年間に平均5回の水酸化アルミニウムを含むワクチンを受けていたとのことです。

 筋痛は、注射部位に出ることもあるし、注射部位ではなく下肢など他の部位に出ることも多いとのことです。全身倦怠感、睡眠障害、頭痛も起きやすく、日常生活への影響が大きいことが述べられています。慢性疲労症候群と診断される場合もあるようです(4)。

 MMFは、ワクチンに含まれるアジュバントに対する免疫反応により引き起される自己免疫性疾患として徐々に知られつつあります(5)。

 MMFによって他部位の痛みや中枢神経症状が引き起される機序について解明が進んでいます(6)。動物実験ではアルミニウム粒子を含むマクロファージが血流に乗り、リンパ節や脳内に侵入することが確認されています。水酸化アルミニウムが含まれるワクチンを筋注で行う場合はMMFを引き起す可能性が常にあります。

(1)Gherardi RK, et al. Macrophagic myofasciitis: an emerging entity. Lancet. 1998;352:347-52.

(2)Gherardi RK, et al. Macrophagic myofasciitis lesions assess long-term persistence of vaccine-derived aluminium hydroxide in muscle. Brain. 2001;124:1821-31.

(3)Gherardi RK, et al. Macrophagic myofasciitis: characterization and pathophysiology. Lupus. 2012;21:184-9.

(4)Exley C, et al. A role for the body burden of aluminium in vaccine-associated macrophagic myofasciitis and chronic fatigue syndrome. Medical Hypotheses. 2008;72:135-9.

(5)Shoenfeld Y, et al. “ASIA” Autoimmune/inflammatory syndrome induced
by adjuvants. J Autoimmun. 2011;36:4-8.

(6)Khan Z, et al. Slow CCL2-dependent translocation of biopersistent particles from muscle to brain. BMC Medicine. 2013;11:99

MMFはまだ概念としては世界中から「無視」されているようです。

今回大勢の患者さんをみせてもらっている立場からいわせてもらうならば、単に「心因性」で片付けるのでなく、医学的に何か重大なことがワクチンを受けた人たちの身体に起きているに違いない、それをきれいに説明できる可能性がこの研究の中に十分あると考えています。

皆様のご意見をいただけましたら幸いです。

特に実際に患者さんをご覧になっておられる先生方には、患者さんを簡単に切って捨てないようよろしくお願い申し上げます。

長々お付き合いありがとうございました。