フォビドゥンフォレスト2話「バケグモ大進撃」 #5 「瘴気」
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「ハハハ。まだまだ大丈夫ですよ。レコードも2枚分相当しか空になってませんし、20枚以上は残ってますから」 先輩は自前とレコード、どっちの魔力を優先的に消費するかを選べる。さっきまでの戦いでレコード側だけなら5枚分は空になる筈だ。つまり自前優先だったってことだ。 16
2016-09-19 01:58:33…いや分かってんだ。先輩はさっき程度の戦闘なら3・4回は余裕でこなせる。レコードは携行装備じゃ気休めしか回復出来ねぇが、先輩の魔力は手の平大の回復薬で1回満タンに出来るだけの予備は持ってるし、後方部隊やツリーにも薬はある。俺は掠り傷にギャーギャー心配してるようなもんだ。 17
2016-09-19 02:05:19「そんなに心配しないで下さい」 振り向いて俺の頭を、トンと人差し指で叩いた。体をこっちに倒して俺の顔を見上げる。 「私のほうが先輩で、お姉さんですし…失礼ですが一応は私のほうが強いんですよ?」 その通りだ。模擬戦じゃあ、ルール上俺のほうが有利なのに3・4割しか勝てねぇ。 18
2016-09-19 02:08:59「分かってますよ…すんません」 「いえいえ。カッコいい男の子に心配されるのは女冥利に尽きるって奴ですよ」 先輩は前に向き直り歩き出す。 「そんなこと言ってくれるの先輩だけですよ…」 「そうなんですか?瑠梨ちゃんは?」 「アイツ俺が髪をビシっと決めると笑い堪えんすよ…?」 19
2016-09-19 02:18:50神社の仕事の手伝いで神職の格好をする度にソレだから困んだよ…。神事の最中は表情に出さねぇし、終わってからも俺を指差す様な真似はしねぇが、いつの間にかいなくなって、見つけると息を荒くしてやがるんだ…そんなに俺の髪がちゃんとしてちゃおかしいかよチクショウめ。 20
2016-09-19 02:21:45…5分ほど歩くと、ちょっとした谷に差し掛かった。既にレベル3だが本格的に植生や雑魚妖怪が変化してくるのはこの20mほどの谷を越えた辺りからだ。高い台のあるところから輪っか付きのロープが向こうに渡してある。これもスマホでチェックしてみるが利用された履歴はやっぱり無ぇ。 21
2016-09-19 02:33:32俺はリュックのケーブルを外して台の上の挿入口に付け替えようとした。付けたままじゃ危険だしそろそろ長さも限界だからな。向こう岸にも替えはある。腹の高さの石碑に偽装したコンソール、先輩の横で一度リュックを下ろしてケーブルを抜こうとしたところで、通信が入った。 22
2016-09-19 02:43:42「桐葉さん?遅かったな?」 一度倒した連絡は有ったが、それから今まで30分通信が来なかったんで何事かと思ってたところだ。 『悪いな。こっちも本部も…色々混乱しててな』 「どうしたんだ?」 『繭から助けた生存者なんだが…』 桐葉さんの言葉に俺達は耳を疑った。 23
2016-09-19 02:49:07フォビドゥンフォレスト2話「バケグモ大進撃」 #5「瘴気」終わり #6 に続く 実況・感想タグは #禁森実況 です。
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