- entry_yahhoo
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まず気が付いたのは、巨人の足に攻撃を続けるチェルノボグであった。彼の者は爆発的なカラテの覚醒を感じ取った。「新手か?」次に吹雪が、巨人へと振り返った。彼女は猛スピードで巨人の体を駆ける黒い影を見た。「あれは」黒い影は、やがて巨人の左肩に辿り着いた。 67
2016-09-26 00:45:12そしてドールマスターは、己にアンブッシュを仕掛けんとする新手に気がついた。「イヤーッ!」彼女は巨人の肩から結晶化した塩の塊を投擲した。「イヤーッ!」SRAAAASH!影は塊を切り裂き、巨人の肩に降り立った。リカルドは影を見た。そして、驚愕で絶句した。「お前…!」 68
2016-09-26 00:48:48ライオンハートも、ドールマスターも驚愕にイクサを中断した。その者は駆逐棲姫であった。特徴的な帽子の代わりに、唐菖蒲の髪飾りを付けたその者は両手を合わせ、オジギをした。そしてアイサツして告げた。現世に留まる為の、新たな名を。「ドーモ、ソードリリィです」 69
2016-09-26 00:52:17駆逐棲姫は、ソードリリィはカラテを構えた。そして、ドールマスターを指差し、啖呵を切った!「その子を、返してもらうよ!」 70
2016-09-26 00:53:375
(唐菖蒲の髪飾りを付けたその者は両手を合わせ、オジギをした。そしてアイサツして告げた。現世に留まる為の、新たな名を。「ドーモ、ソードリリィです」)
2016-09-27 14:21:46(駆逐棲姫は、ソードリリィはカラテを構えた。そして、ドールマスターを指差し、啖呵を切った!「その子を、返してもらうよ!」)
2016-09-27 14:22:41「ソードリリィ、ですって?」その名を聞き、ドールマスターは不快げに顔を顰めた。「アナタ…さっき私が片付けた駆逐棲姫でしょう?なのにどうやって…」「文句は現世からオヒガンに穴を開けた思慮の足らない馬鹿に言うんだな」ソードリリィは不敵に笑った。「私ほどの神霊なら、戻って来れる」 1
2016-09-27 14:28:21「馬鹿にしてッ!」ドールマスターはヒステリックに叫んだ。「その体も私の作品でしょう!だったら、もう一度壊してあげるわ!」「やれるものなら、やってみな!」「イヤーッ!」ドールマスターは巨人の肩に掌を叩き付ける。彼女の周囲に塩の塊が盛り上がり、スモトリめいたゴーレムを生成する! 2
2016-09-27 14:34:04その数、3体!「ドッソイ!」「ドッソイ!」「ドッソイ!」スモトリゴーレムは横一列に並び四股を踏む。それは巨大なバリケード壁めいてドールマスターを害する者たちを阻む。「コイツは…」「海に落として、踏み潰してあげるわ!行きなさい!」「「「ドッソイオラー!」」」 3
2016-09-27 14:39:10スモトリゴーレムの壁は重装甲戦車めいた物々しさで迫る!更に回避するスペース無し!「これは…」「受け止め切れるか…!?」リカルドとライオンハートは絶望的な力比べを覚悟した。ソードリリィが二人の前に立つ。「お前!」「勝ち目はある」そう言って、ソードリリィは髪飾りに手を伸ばした。 4
2016-09-27 14:44:12右手がピンク色の唐菖蒲の髪飾りを掴んだ。「我が内なる怨嗟の声よ…力を!イヤーッ!」ソードリリィは髪飾りを髪から引き抜いた。刹那。唐菖蒲は黒く染まり。歪み。そして黒いグラディウスとしての姿を顕す!「剣…!」リカルドはその光景に息を呑んだ。「イヤーッ!」ソードリリィは斬りかかる! 4
2016-09-27 14:48:51「グワーッ!」中央のスモトリゴーレムに斬り傷が刻み込まれる。「何をすると思えば、その程度で…?」ドールマスターは勝ち誇った笑みのまま凍り付いた。斬られたスモトリゴーレムは動きを止める。その白い塩の体が加速度的に黒く汚染される!「ア…バ…?」そしてスモトリゴーレムは風化消滅! 5
2016-09-27 14:54:30アイエエエエ…アイエエエエ…風に乗り、誰の声とも知れぬ怨嗟の声がドールマスターの耳に届いた。「「ドッソイ!」」残った2体のスモトリゴーレムはドリフトターン。最も危険と判断したソードリリィを狙い再突進を…「おい」「行かせんよ!」背後より襲い掛かる巨剣と甲冑の拳! 6
2016-09-27 14:57:17「「イヤーッ!」」「「アバーッ!?」」鉄塊めいた巨剣のフルスイングと、渾身のアロー・ポン・パンチがスモトリゴーレムの体を砕く!二人はそのままドールマスターに急襲せんとした。ソードリリィが阻む。「何のつもりかね」「コイツは、私が倒す」ライオンハートとソードリリィが睨み合う。 7
2016-09-27 15:01:05ライオンハートは我を通さんとした。目の前に居るのは同胞を殺めた許せぬ敵。何より見逃せない理由もある。だが、ソードリリィの真摯な視線に、ライオンハートは敢えて剣を収めた。「……よかろう」「ありがとう」ソードリリィは一礼し、ドールマスターに向き直った。「さぁ、やろうじゃないか」 8
2016-09-27 15:05:48「イヤーッ!」ドールマスターは巨人の肩から、ダイアモンドめいた塩の結晶剣を引き抜き、構える。「目障りね、出来損ないの癖に!」「その基準、自分に従うかどうか何でしょう?」ソードリリィはドールマスターを見据えた。「生憎私は、従う相手は選り好みするタイプでね…落第だよ、アンタは」 9
2016-09-27 15:12:20「黙れ!」ドールマスターは踏み込む!「イヤーッ!」横薙に結晶剣を振るう!「イヤーッ!」ソードリリィは結晶剣を斬り払う!SRAAAASH!結晶剣が中腹から切断!切断面から黒く汚染が始まる!「イヤーッ!」ドールマスターは折れた結晶剣で突きを繰り出す! 10
2016-09-27 15:17:16「イヤーッ!」グラディウスが閃いた。肩の付け根から、結晶剣を持つドールマスターの右腕が宙を舞った。「ンアーッ!……けど、まだ!」ドールマスターは突きの勢いを殺さず、ソードリリィに左掌を叩き付けた!「イヤーッ!」「グワーッ!」ソードリリィはたたらを踏み、数歩下がる。 11
2016-09-27 15:21:30「フフフ…」ドールマスターは不気味に笑った。「触ったわ!これで自壊の呪詛は発動する!散々生意気言ってくれたわね!今度こそ滅びなさい!」「……それは、どうかな?」「エッ」ソードリリィは踏み込み、グラディウスを振り下ろした。ドールマスターは呆けた表情でそれを見た。 12
2016-09-27 15:25:22「イヤーッ!」「ンアーッ!」青黒い血が、巨人の白い肩を汚した。左肩から袈裟掛けに両断されたドールマスターの上半身が、血を撒き散らして倒れ込んだ!「アバーッ!?」下半身は切断面から黒く染まり、風化して消えた。「ナンデ…呪詛は?」「もう無いよ、そんなのは」 13
2016-09-27 15:29:02ソードリリィは這い蹲るドールマスターを通り過ぎ、拘束された春雨の前に辿り着いた。「イヤーッ!」BLAM!BLAM!左腕の主砲で拘束を破壊し、ソードリリィは春雨を抱き止めた。「ん…?」春雨は目を覚まし、ソードリリィを見た。「あれ…くーちゃん?ナンデ?」「詳しい話は後だ」 14
2016-09-27 15:33:30ソードリリィは春雨を立たせ、ドールマスターに向き直った。「私は、この体に憑依する為に、色々定義し直した。作られた駆逐棲姫のままじゃ、アンタの呪詛でまた滅びる。だから、私はこの体に残った怨嗟の声と一体になった。そして、ソードリリィになった」「そんな、事が…」 15
2016-09-27 15:36:40