#完全ノープラン艦これ与太話 【アンセム・オブ・プロジェクト・サタン　丁：ザ・サン・アバヴ・クラウズ】

春魔解丼 @vespiking

嵐は伊8を背負い、中腰に構える。「嵐巻き起こしてやるよ！イヤーッ！」一気に駆け寄り、ヤリめいたサイドキックを放つ！「フォハハハハ！」あきつ丸は軟体動物めいた奇怪な回避動作でこれをいなし、天井に張り付く！「キケケケケ！」奇声をあげ嗤う！コワイ！ #KZNPLN

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【中断】 #KZNPLN

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あきつ丸の全身の分泌腺すべてから乳白色の粘液が溢れだし、それらが粘土をちぎり、こねるように、ひとりでに分裂し動きだす。「ミョミョミョミョミョ！」乳白色の芋虫の両端部分があきつ丸めいた顔に変化、背と腹を貫き毛虫のトゲめいたドス黒い突起物があらわれる。コワイ！ #KZNPLN

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前後上下対称のハルキゲニアめいたカラテ生物はシャカシャカと突起物を動かし、壁から床へ這い進む。その大きさは二の腕ほどもあり、甲高かった鳴き声は今やボウボウと、法螺貝めいた野太い音に変わり果てている。「チェンジ！サクテキソウビ！」嵐はデンタン・ヤリを振り回す！ #KZNPLN

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ヤリで薙ぎ払われた暗黒カラテハルキゲニアは内側から爆発四散し、タタミ針めいた突起物が飛び散る！「イヤーッ！」デンタン・ヤリの索敵力がそれらの位置を即座に観測し、突きの高速連打でこれを撃墜！タツジン！「ギエーッ！」あきつ丸は距離をとりマキモノ甲板を展開！ #KZNPLN

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マキモノ甲板にはミヤモト・マサシの伝説的兵法書ブック・オブ・ファイブリングスに記された五大元素、即ち「地」「水」「火」「風」「空」をあらわすシンピテキ・ショドー。その中心に、右手のソーマトからスミエの艦載機が転写され、実体となって飛び出した！ #KZNPLN

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出現したスミエのカ号観測機は機首の人面めいた部分から奇声を発し、滞空と移動を繰り返すトンボめいた奇怪な挙動で飛行！戦艦のバルジすら切断する殺人プロペラをうならせ迫る！「イヤーッ！」ヤリの突き！プロペラが弾く！「グワーッ！」 #KZNPLN

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「キャカラバア！キャカラバア！」カ号が不可思議なチャントを唱えるたび、そのプロペラはより鈍く光り輝き、反比例するように切れ味が増していく！「タービンジャンプ！」嵐は脚部のサイバネを起動し、大きく後方へ跳躍！ヤリを深く構え、床を蹴って突進！ #KZNPLN

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嵐は前傾姿勢でプロペラをかいくぐり、カ号の腹をヤリで穿つ！「デンタン・ヤリ・ブルージェット！」「ギャギャギャギャーッ！」上方に打ち上げられたカ号は天井にプロペラをぶつけ、行き場を失った切断エネルギーによって自らが切り刻まれる！「イヤーッ！」嵐は跳ぶ！ #KZNPLN

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「キエーッ！」あきつ丸はヤリの突きにチョップを重ね、弾く！左手がネジ曲がる！「オヤ、これはこれは」「もう一発だァーッ！」弾かれたヤリに遠心力を乗せ、ガード不能となったあきつ丸の左胸へと捩じ込んだ！「アバーッ！」 #KZNPLN

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左肩、左腋、そして左胸までもの肉と骨と鉄を、無慈悲なヤリの薙ぎ払いが抉り取る。左腕がちぎれ、床に転がる。「オオ！オオオ！なんたる事だ！」「そのまま死ねーッ！」嵐はヤリにこびりついたあきつ丸の心臓と左肺を打ち捨てて潰し、返すヤリで首を切断した！「サヨナ……ラナイ！」 #KZNPLN

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「……は？」ヤリを振り抜いた嵐の眼前で、打ち上がったあきつ丸の首がケタケタと嗤った。首はそのまま自由落下し、嵐の左手におさまった。「どうしたかな？次の攻撃は？ハテ、燃料切れというわけでもないでありましょう」うぞうぞと、首の切断面から内臓めいた芋虫が這い出す。 #KZNPLN

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首と左半身を失ったあきつ丸の胴体は時折びくびくと痙攣しながら、ぎこちなくこちらを向き、床に散らばった左乳房と心臓を踏みつけた。「テメェ何なんだ！テメェ何なんだ！テメェ一体何なんだァ！」「自分でありますか？」首は語る。「同じでありますよ。その装束と。ただの、死人だ」 #KZNPLN

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【 #KZNPLN 】

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あきつ丸の眼光は死人のように鈍い。否。「そうだろう？ヤセンニンジャ＝サン。イヤ、今はヤセンブリンガー＝サンと呼ぶべきでありましょうな」「……ア？」死んでいるのだ。この者は、とうの昔に。「我々は死人だ。生から逃れ死を踏み倒し、千年王国に生きる屍だ。それが、我々だ」 #KZNPLN

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「我は青虫。蜻蛉の交合より出で、溶解した魂を生なき器に詰めた蛹。己の血肉心肺五臓六腑より翅を編み、極彩色の羽化をただ待つ蝶の幼子。我はゴッド・オブ・エタニティ。即ちトコヨノカミ。アキツノシマ・トコヨノカミ。それがこのわたしだ。それが自分だ。それが、我が名である」 #KZNPLN

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死体の生首は、超然とした口調で舌と顎を動かし、気管の末端に喰らいついた芋虫が震えて神の声となる。「世界から平和を奪っているものが、何かわかるかな？生命でありますよ。生命は闘争を生む。生と命あるかぎり、絶対の交渉材料として、武力による生殺与奪が君臨し続けるがゆえだ」 #KZNPLN

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「それで、ゾンビにでもなろうってのか？」「そうだ」「皆死んで平和になると？」「そのとおり！話が早くてよろしい！」「イカれてやがるぜ、お前」嵐は口にたまった毒素を吐き捨てるように言った。「戦争で奪う生命を先に潰して、それが平和か」「そうだ。私はそれを平和と定義した」 #KZNPLN

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「平和平和と、ただ言うだけでは烏合の強弁よ。目標には定義が必要だ。武力による生殺与奪。これの淘汰をその勝義とする。それこそが、エンペラーより賜りし永世平和のミコトノリ・オーダー。それこそが、プロジェクト・サタンの最終目標。大日本帝国の悲願はついぞ成就するのだ！」 #KZNPLN

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「ミコトノリ曲解してんじゃねえーッ！」「グワーッ！？」嵐はあきつ丸の首を床に叩きつけた！「聞いて分からぬか！見て解せぬか！生きて悟らぬか！この愚か者めが！」「うるせーッ！それと！お前みたいな青虫オバケとセンセイ一緒にしてんじゃねーッ！」「グワーッ！」そして蹴る！ #KZNPLN

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蹴飛ばされた生首をキャッチしたのは赤髪の駆逐艦だ。「元帥閣下。ブザマなナリは止めて下さい。品位に関わります」「おお、我が忠臣マックス・シュルツ！よくぞ来た！まず我が船体と艦首を接続したまえ！」「ヤー、ですがその前に。お客様です」背後よりジェット飛行する駆逐艦の影！ #KZNPLN

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「ブッダエイメン！」「グワーッ！」影とともにこちらへ飛んできたのは、巨大カタパルト艤装を肩から下げた補給艦である。テング・オメーンの駆逐艦は狭い廊下でひらりと舞い上がり、モルフォ・ジツの粘液塊を回避しながら滞空した。 #KZNPLN

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「ホォー、ホォー、ホォー！これはこれは」棒立ちするあきつ丸の船体に乗せられた生首はグチャグチャと音をたて、芋虫めいた虹色の粘液によって固定される。死体の眼球は天狗に一瞥もくれず、およそ生体の動きとは思えぬ角度で速吸を見下ろす。 #KZNPLN

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あきつ丸は失われた左肩からボタボタと黒紫の芋虫を這い出させ、速吸に殺到させた。「アイエエエ！？」「貴様その艤装を何と心得るか？神国日本が誇る偉大なる敵対者、第三世代に貶めおくには惜しき大神よ。どれ、我が貴様の枷を外そう。生命の牢獄より解き放とうぞ」「アバーッ！？」 #KZNPLN