３㎞×２㎞はありうるのに３㎏×２㎏だとありえないのはなぜか論

uroak_miku @Uroak_Miku

１）例えば縦３ｍ、横２ｍの土地の面積を表すときは６「㎡」と記しますよね。で、よく考えてみてください。単位と単位をかけることって実生活ではあまりないのです。３㎏かける２㎏なんて計算はしないでしょ。

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２）物理の世界でよく使う「エネルギー」を数字で表すとき、単位は㎏かける㎡割るｓ（秒）の二乗。三つの異種格闘技戦なのです。面積や体積の類と違って日常生活のなかではピンとこないですよね。

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３）めんどくさいので物理の世界ではＪ（ジュール）という単位を新たに設けています。１Ｊ＝１㎏・㎡／s＾2 である、と。

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４）力の単位もやはり異種格闘技戦で、kg・m／s^2というおっかない姿をしています。これだとおっかないし面倒なのでN（ニュートン）と置き換えられていますが。

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５）面積と体積は、単位がやはり掛け算でできているけれど、日常生活の延長で理解できるという点で珍しい。６㎡とか２４㎥とか。単位と単位が絡み合うのに、エネルギーとか力とかと違ってイメージがしやすい。日ごろの体感でわかってしまう。

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６）小学校の算数で、分数の掛け算や割り算を習うとき、面積の比喩で教わることが多いのは、こういう事情からです。2／3かける１／4を説明するときは、ケーキ２／3（三つに等心で分割して二つを選ぶ）をさらに四等分するのと同じだよ、と。

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７）そして分数の割り算になるとこの比喩が効かなくなって、子どもが混乱するわけです。アニメ映画『おもひでぽろぽろ』で小４のタエ子ちゃんがお姉さんに食い下がったように。

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８）面積と体積のときのみ、単位複合なのにイメージできてしまうのは、宇宙創成と関係しています。面積と体積が実感できる、そういう宇宙として私たちの宇宙は生まれていて、そういう宇宙で発生した知性ゆえに私たちは面積と体積を感覚的に理解できてしまうのです。禅問答みたいですが真理です。

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９）『ホーキング宇宙を語る』で印象的だった、宇宙はどうして三次元なのか論。もし二次元だったら口から肛門にかけての消化管によって生物の体が二つに割れてしまうので生物が成り立たないし、四次元だと宇宙全体が不安定でやはり生物が生まれない。三次元でないと生物は生まれない、という理屈。

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１０）宇宙は無限に生まれているけれど、生命とりわけ知的生物が生まれるような宇宙は要請される条件がとても厳しいのだそうです。まず三次元であることは絶対条件で、ほかにもいろいろ条件が課せられます。それらの条件がそろわないとその宇宙は早産するか、生き残っても生命を育みえない。

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１１）まんが『風の谷のナウシカ』最終巻でナウシカはこうつぶやく。「私の命は、先に生まれて死んでいった１１人の兄と姉の命のうえにあります」。それと同じで私たちが生まれてきたのは、途方もなくたくさん生まれて消えていったほかの宇宙の犠牲の上にあるのです。

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１２）なんだかとんでもないところまで話が広がっています。数式で説明したいのだけどツイッターではできないので、興味のある方はこのあたりから学んでみてください。amazon.co.jp/dp/4061532855

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１３）サイバーパンク映画の古典『マトリックス』のアニメ版で『アニマトリックス』というのがあります。陸上選手で、猛ダッシュの瞬間にふっと自分が子宮みたいな場所に管だらけで浮かんでいる感覚に襲われるという話があります。実はそれは夢ではなくそれこそがリアルで、走る自分こそが仮想現実。

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１４）面積と体積のみ実感できて、力やエネルギーになると理屈ではわかっても実感がわかなくなるのも、これと同じかもしれない。「物理の世界って異世界みたい」と思うのが間違いで、本当は私たちの体感世界こそが仮想現実。

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１５）紫外線や赤外線を私たちは目で見ることができないといって、それが存在しないとはいえないように。